ケラリーノ・サンドロヴィッチが書き下ろす『ドン・キホーテ』の物語 KERAらしさが詰まった台詞の応酬と賑やかなステージングで魅せる

ケラリーノ・サンドロヴィッチが書き下ろす『ドン・キホーテ』の物語 KERAらしさが詰まった台詞の応酬と賑やかなステージングで魅せる

 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)が約6年ぶりに、KAAT 神奈川芸術劇場で新作を上演。今回はセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとに、新たな冒険記譚を書き下ろす。原作から引き継がれるキャラクター ドン・キホーテを大倉孝二、空想上のドルシネア姫を咲妃みゆが演じる。

大倉「僕は大体のものは『やりたくない』って思っちゃうタイプ(笑)。今回も『ぜひともドン・キ
ホーテを演じたい』というわけではないですが、でもKERAさんが作ったものが面白かったら、『なんだ、やればよかったな』と後悔しそうだと思ったので出演を決めました」

咲妃「私はKERAさんの作品への出演を願い続けていた1人なので、大喜びで引き受けさせていただきました。作品を観続けてきたから、こんなにワクワクしているのかな? もっと落ち着いた方がいいでしょうか?」

大倉「いやいや、頼もしい限りです。その熱意の高さは絶対に芝居の力になると思います」

咲妃「KERAさんともお話しして、面白い作品になりそうだという期待が高まりました。KERAさんならではの『ドン・キホーテ』の世界を楽しんでいただけるはずです」

大倉「話を聞けば聞くほど一筋縄ではいかず、なかなか難しいだろうなという印象です。狂人をやるのはカロリーが高そうですが、観客が狂人から感じる面白さ、悲しみ、恐ろしさというのは紙一重なので、いいバランスでやれたらと思っています」

 咲妃にとっては初のKERA演出。一方、大倉は長くKERAと作品を作っている間柄だ。

咲妃「台本がゆっくり出来上がるという話は伺っています。私の中でそれはネガティブなことではなく、妥協せず作り上げていくKERAさんのエネルギーは素晴らしいなと思います。KERAさんのイマジネーションを刺激できるよう、私も日々のお稽古でいろいろな挑戦をしていきたいです」

大倉「KERAさんとは一緒にやった回数が多すぎて、もうやりがいとか考えてもいないですが、やっぱり面白い台詞を書きますよね。台本の事前配布がなく、その場でみんなで読み合わせ、というのをよくやるのですが、笑って読めない台詞もあったりして、それはKERAさんならではの体験だなと思います」

 小野寺修二によるステージング、生演奏や映像を盛り込んだ賑やかな舞台が期待される。

咲妃「お芝居はもちろん、身体表現や歌もある……?ということで、私は大倉さんの歌声が聞けるかなと楽しみです!」

大倉「それは止めたほうがいいですし、抵抗します(笑)。咲妃さんの歌を聞きたいですね~。初めてご一緒する方が多いので、それが楽しみ。稽古などを通じて距離を縮められたら」

取材・文:木下千寿 撮影:友澤綾乃 ヘアメイク:〈大倉〉山本絵里子 〈咲妃〉本名和美(RHYTHM) スタイリスト:〈大倉〉JOE(JOE TOKYO) 〈咲妃〉國本幸江

 

もし移住するならどこに住みたいですか?

大倉孝二さん
「自然が多い所で暮らしてみたいなどと、ありがちな気持ちにならないことはないのですが、それによって生じるマイナス面から考えてしまうタチなので、現実味をもって移住を考えたことはありません、まだ。移住を考えたとまでは言えませんが、仕事で訪れた幾つかの町には、もっと長く滞在していたかったと思う所は少なくありません、広島や盛岡など。食べものや自然、理由は複合的ですが、好みのレコード屋さんがあったら尚更最高。そんなことは兎も角、この厳しい暑さの中、おもいっきり現実味をもって移住を考えるならば、涼しいと話に聞く千葉の勝浦と銚子には興味を惹かれます。一度、涼しさと町を感じに訪れてみたいですね」

咲妃みゆさん
「北海道に住みたいです。10代の頃に修学旅行で初めて訪れて以来ずっと心惹かれ続けています。好きなところを挙げ始めたら止まらなくなります! 北海道ならではの広大な大地と豊かな自然は、私が生まれ育った九州とはまた違った魅力があって素晴らしいなと思います。食べることが大好きな身としては、美味しい食材の宝庫であることも惹かれるポイントです! 冬の積雪など厳しい気候の元での暮らしは大変なこともたくさんあるでしょうが、それも含めて経験してみたい。大変さを遥かに超える感動に出逢える場所が北海道だと私は思っています!」

プロフィール

大倉孝二(おおくら・こうじ)
1974年7月18日生まれ、東京都出身。劇団「ナイロン100℃」に所属し、劇団公演ではさまざまなキャラクターを演じる。外部の舞台や映像作品にも多数出演しているほか、劇作家・演出家のブルー&スカイと組むユニット「ジョンソン&ジャクソン」では作・演出・出演を務めるなど、多岐にわたり活躍中。

衣装:シャツ 25,300円(BUENA VISTA/問:RPBC 株式会社 03-6822-9233) パンツ 41,000円(ESTNATION/問:ESTNATION PRESS ROOM 0120-503-971) シューズ 27,500円(パントフォラ・ドーロ/問:アドナストミュージアム 03-5428-2458)

咲妃みゆ(さきひ・みゆ)
1991年3月16日生まれ、宮崎県出身。2010年に宝塚歌劇団に入団、2014年に雪組トップ娘役に就任。2017年の退団後は、ミュージカルや舞台を中心に多くの作品に出演。第46回菊田一夫演劇賞、第31回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞している。近年はドラマや映画など映像作品でも活躍している。

公演情報

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』

日:2025年9月14日(日)~10月4日(土)
  ※他、地方公演あり
場:KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉
料:S席10,000 円 S席夜割9,000円
  A席8,000円 B席5,000円
  ※他、各種割引あり。詳細は下記HPにて
  (全席指定・税込)
HP:https://www.kaat.jp/d/don_quixote
問:チケットかながわ
  tel.0570-015-415(10:00~18:00)

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