
東京バレエ団の代名詞とも言える『ザ・カブキ』。昨年公演の大成功を経て、バレエ団初となる新国立劇場オペラパレスにて早くも再演が決定。顔世御前役を務める、榊優美枝に話を聞いた。
「東京バレエ団以外では観られない演目です。海外から見た日本がわかりやすく描かれ、作品として上手く纏まっています。歌舞伎や忠臣蔵を知っている方はもちろん、知らなくても面白い要素が沢山あるし、シーン展開が凄く多いので飽きずに観られると思います」
昨年顔世御前を演じ、和の作品ならではの難しさと魅力があったと語る。
「登場シーンが少ない中で心情を表さないといけないけれど、白塗りをしているので顔で演技ができない。普段は表情込みで演技をしているので難しかったです。本番では舞台上に出ていない時に、顔世(御前)が1人で過ごしていた時間について深く考えることができました。今回も新たな発見がありそうです」
由良之助を務める柄本弾とは『白鳥の湖』でもペアを組んだ。
「弾さんは全幕を引っ張っていく力のある人。魅力的な存在感と演技プランを尊敬しています。由良之助で踊る姿も見ていますが、常に進化されているので今回も楽しみです」
印象的なシーンについて尋ねると、“討ち入りからの涅槃(ねはん)と雪の別れ”のシーンを挙げた。
「討ち入りから涅槃はもともと好きでした。前回、袖から“顔世が懇願していたことを、家臣たちが実現してくれた”という場面を見てなおさら感激しました。あと、由良之助と2人で踊るシーンは衝撃的なほどに袖が真っ暗で、目を瞑って踊っているような怖さがありました。今回も覚悟して臨みます(笑)」
初演から今回も引き継がれるモーリス・ベジャールの振付、黛敏郎の音楽の魅力を聞くと。
「ベジャールさんの作品は本当に音楽的に作られていて、振りが音楽にハマると自然と作品が見えてきます。音楽も含めて完成している作品です。よくお客さまから生演奏で観たいという声をいただきますが、実はそれができないくらいカウントが難しい。どこでタイミングを合わせているかにも注目していただくと面白いと思います」
昨年は「1日目を観てチケットを追加した」、「どの回を観ても面白かった」という声が多く寄せられた。
「急遽再演が決まるほど好評だった作品です。他にはない世界観をぜひ楽しんでいただきたいです」
(取材・文:吉田沙奈 撮影:平賀正明)


「今だに好きでよく食べているラムネは外せないです。最近人気のようで、コンビニとかでも色んな味や形の物が増えていて、新しいのがあると気になってつい買ってしまいます。あとはヨーグルとフルーツの森の2つ! 両方ともなんなのかよく分からないけど……(笑)。 美味しくて懐かしくて好きです」
プロフィール

榊 優美枝(さかき・ゆみえ)
4歳よりバレエを始める。2014年、東京バレエ団に入団し、国内外の公演に出演。主なレパートリーに、ブルメイステル版『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『眠れる森の美女』、『ジゼル』、ジョン・ノイマイヤー振付『スプリング・アンド・フォール』など。
公演情報

東京バレエ団『ザ・カブキ』全2幕
日:2025年6月27日(金)~29日(日)
場:新国立劇場 オペラパレス
料:S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円
※他、各席種あり。詳細は下記HPにて
(全席指定・税込)
HP:https://www.nbs.or.jp
問:NBSチケットセンター
tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)