笑って泣けるエンターテイメント時代劇『六道追分』。 ロングラン公演の第七期に東拓海、第八期に江田剛の主演が決定!

笑って泣けるエンターテイメント時代劇『六道追分』。 ロングラン公演の第七期に東拓海、第八期に江田剛の主演が決定!

 池袋シアターグリーンを拠点に、笑って泣けるエンターテイメント時代劇をオリジナル脚本で上演し、人気を博してきた「ざ☆くりもん」。2025年4月5日から始まったロングラン公演『六道追分』(ろくどうおいわけ)が佳境を迎えている。
 『六道追分』は江戸時代が舞台の人情味溢れる逃亡劇。世に名を響かせる義賊・鬼アザミ清吉が、子分を引き連れて吉原に忍び込むが、お宝目前で花魁のお菊と鉢合わせしてしまう。慌てた一味は花魁をさらい、東海道を逃げる羽目になるという筋書きだ。
  8月3日までの約4ヶ月、八期に渡る公演の中で、第一期から第四期まで主演 清吉役を務める「ざ☆くりもん」座長の山田拓未、第七期(7月9日〜20日)の清吉役を務める東拓海、ラストの第八期(7月24日〜8月3日)の清吉役を務める江田剛に、脚本の印象や本作への意気込みを聞いた。


―――山田さんは、ここまで主役の鬼アザミ清吉を演じてこられて、手応えはいかがですか。お客様からの反応などもお聞かせください。

山田「お客様からは『すごく良かった』『待ってました!』『感動しました』などの声をうかがっています。とても嬉しいですね」

―――改めて、鬼アザミ清吉という役の魅力はどんなところにあると感じていますか。

山田「役者が代わることによって考え方が変わってくるとは思いますが、僕の中ではセリフにもあるように『生粋の江戸っ子』。
 あとは、清吉はとある事情で義賊となって生きていくんですが、このあたりは台本には書かれていない部分も多くて。そういう台本にない部分の解釈は、役者が代わることによって違っていて、ガラッと作品の雰囲気も変わるので面白いですね。
 一期間で剣と龍のダブルチームがあって、シングルキャストもいるんですけど、チームが変わるだけでも空気感が変わるんです。今、第二期をやっていて、全くの別物だなという実感があります」

―――そうなんですね。では何回も観に行っている人は、キャストによって雰囲気が変わるのを目の当たりにしてるんですね。

山田「ちょっとずつ演出も変わったりしていますので、それも面白いと思います。演出の朝比奈さんが『ここもうちょっとこうしてみようか』とか、その人を見てやってくれるので、全く同じニュアンスではない感じです」

―――東さんと江田さんは今(5月初め)の時点では、台本を渡されたばかりのタイミングだそうですが、台本を読んでみての感想はいかがですか。

東「僕は時代劇というのをガッツリやるというのは初めてで、誰でも楽しんでもらえるように昇華された作品だと思うので、僕自身、全くやったことのないタイプの作品になるんだろうなと思っています。あとは人情とコメディの要素がうまく掛け合わさっていて、それも演る側としてはすごくプレッシャーがありますね。
 セリフ量も多いですし、今までやったことのない立ち回りもありますし、そこはもう、がんばろうという気持ちですね」

江田「ダークヒーロー感がすごいなと。やってることは一応ダークですよね。お金を盗んだりとか。でも、それは世のため人のためというか自分なりの正義を貫いている漢気くさいダークヒーロー感があって、読んでいて楽しかったです。
 すごくピュアなお話ですよね、ドロドロしていないというか。あとはラストシーンがすごく気になってます。わ〜これどうなるんだろう!と。台本を読んでみて文章ではわかっていますけど、形になるとどうなるのかなと」

―――主人公、清吉のイメージはどう感じましたか。

江田「内容自体はダークなところが多いかも知れませんが、多分、清吉のイメージは見てる人にとってはすごくクリーンなんじゃないかと思います。漢気があってまっすぐで、人情あふれる人ですね」

―――そうなんですね。「くりもん」の主宰の朝比奈文邃さんは僧侶でもあると伺いましたが、そのあたりの影響もあるのでしょうか。

山田「あると思いますね。タイトルの『六道追分』の「六道」も「六道輪廻」といって仏教の言葉です。人間は、生きている時の行いによって修羅道、畜生道、餓鬼道など六つの世界に落とされるという考え方で、劇中ではその説明をするようなくだりがあります」

―――今回のお話の舞台は吉原で、花魁も出てくるそうですが、大河ドラマ『べらぼう』の世界観や、昨今の江戸ブームとも関係があるのでしょうか。

山田「くりもん一座は、ずっと江戸の世界観でやっていますね。ある時は火消しが出てきたりとか、同心が主役だったり、僧侶とか小坊主や河童が主役だったり。僧侶は実際本当の僧侶の装束だったりするんですよ。あとは鬼アザミ清吉のモデルは実在するんですよ。実際は義賊ではなくてネズミ小僧と同じくらい悪い盗賊ですが、雑司ヶ谷にお墓があってお墓参りにも行きました」

―――東さん、江田さんは「くりもん」の舞台は観たことがありましたか。

東「僕はまだ観たことはなくて、今回初めましてなんですが、共演したことがある方がずっと出ているのを知っていたので、今回ご一緒できてすごく嬉しいです」

江田「僕も初めましてです。どっから見つけていただいたのかなと(笑)。この間のビジュアル撮影の時に、あれ?どこでご縁があったのかなと」

―――では、これから観てみる予定ですか。

東「そうですね。何回かは観に行こうと思っています」

江田「それはちょっとわからないですね。逆に観たくないなという気持ちもあります。引っ張られてしまうというか。台本を読んだ感じのピュアな状態でやってみたいという思いもあります。半々ですね(笑)」

山田「そうなんですよね。僕も2019年の初演の時に違う役で出演したんですが、引っ張られるという気持ちはすごくよくわかります」

―――最後に江田さん東さんからお客様に向けてのメッセージと、本作への意気込みをお願いします。

江田「自分は夏の初めにやらせていただくので、夏の暑さに負けないくらいの熱いステージにするつもりなので、たくさんの方に観にきていただきたいです。がんばります」

東「くりもんさんは立ち上げてから20年近くになるのでしょうか。僕が小学生くらいの頃から演劇をやられている団体さんのところで、お芝居をできるということは大変勉強になりますし、先の人生で大きな経験になると思います。ご一緒させていただく先輩方と同じ役をやらせていただくことは光栄なことだと思います。若さ溢れる清吉をお客様にお届けできればいいなと思っています」

(取材・文&撮影:新井鏡子)

プロフィール

山田拓未(やまだ・たくみ)
大阪府出身。1986年生まれ。2006年〜2008年 1月ユニバーサルスタジオジャパン(ダンサー、スタント、アクター)。2007、2010年~2021年 USJワンピースプレミアショー出演。2008年 蜷川幸雄演出『さらば我が愛覇王別姫』。「ざ☆くりもん」では『火消哀歌』寅吉役や2019年の『六道追分』で鬼あざみ一味 粂二郎役を演じている。

江田 剛(えだ・つよし)
大阪府出身。1987年生まれ。2001年ジャニーズ事務所入所。2021年6月末まで数々のバックやステージを約1万回以上経験。2019年10月舞台単独初主演『THE Foreignerザ・フォーリナー』。2020年1月『のべつまくなし改』主演・近松門左衛門役。近年では2023年しんみゅ 幕末歌劇『新撰組〜土方・藤堂の篇〜』藤堂平助役、主演舞台『アギト-ultionem finalem-』。総合演出家としても活動。

東 拓海(ひがし・たくみ)
東京都出身。1997年生まれ。テレビドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』#3や『かっこいいスキヤキ#6〜闖入者〜』に出演。2022年映画『私の知らないあなたについて』出演。近年の舞台出演に2025年『劇団』(調布せんがわ劇場)、『木曜日にはココアを』(シアタートップス)、『あの春は、いつまでも青い〜永南高校バスケットボール部』(さいたま芸術劇場)などがある、

公演情報

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」
第33回ロングラン本公演『六道追分』【第七・八期】

日:2025年7月9日(水)~8月3日(日)
場:シアターグリーン BASE THEATER
料:SS席[前2列]8,000円 S席6,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://alii-inc.co.jp
問:アリー・エンターテイメント 
  tel.090-3500-9394(平日10:00~17:00)


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