矢島弘一が主宰する東京マハロのリバイバル公演 produce by テッコウショの第3弾となる『明日、泣けない女/昨日、甘えた男 2025』が5月3日から開幕。今回、新たに増田有華を主演に迎え、小川菜摘、宮下貴浩ら豪華キャストが顔を揃える。
矢島「漁師町という小さなコミュニティの中で、性依存症に悩む1人の女性が依存から解放される姿を描いています。7年前に執筆した当時、依存症はまだオープンにするものではなかったので、自分でもかなりチャレンジングなストーリーだと思いながら書いたのですが、今はセックスワーカーの話がアカデミー賞を獲るようになりました。自分の中でも性に対してもっとオープンに話すべきだという思いがあり、そうしたテーマをコミカルに、でも深く描きたいと思って書いた物語です」
主人公の性依存症に悩む鈴子を演じるのは増田だ。
増田「日本ではあまり扱われない題材だと思いますが、現実はきっとここに書かれているものよりもリアル。現実にある問題ですし、生活の中にあるものなので同じように悩みを抱えている人もいると思います。声を大にして言えない事柄かもしれませんが、私たちが演劇を通して伝えられるものが何かあるのではないかと思います。真摯に、情熱を持って丁寧に言葉を伝えていきたいです」
鈴子の味方となるスナックのママ役は、東京マハロ初参加となる小川が務める。
小川「衝撃的なお話ですが、これを題材に取り上げるのはすごいこと。恥ずかしがることではないというメッセージがお客さんに届けばと思います。全身全霊でこの作品に取り組んでいければと思っています」
重いテーマを扱っていながらもポップに明るく描かれた本作。明るさの一端を担うのは、宮下が演じる漁師町に暮らす男だ。
宮下「強烈なセリフで依存症というテーマをリアルに描いていますが、初演ではコミカルな演技が印象に残りました。なので、すごく観やすかったんです。今回も豪華な共演者の皆さんがいて、何より主演が増田さん。きっと増田さんも新しい姿を見せてくれると思います。矢島さんの作るこの物語をぜひ楽しんでいただければと思います」
(取材・文:嶋田真己 撮影:平賀正明)
プロフィール
矢島弘一(やじま・こういち)
2006年、東京マハロを旗揚げ。主宰・脚本・演出を手掛ける。2016 年には2作同時上演を決行し、北九州芸術劇場でも公演を成功させる。同年放送のTBS『毒島ゆり子のせきらら日記』で、第35回向田邦子賞を受賞。
増田有華(ますだ・ゆか)
2006年、AKB48 2期生としてデビュー。2012 年卒業。宮本亞門演出のミュージカル『ウィズ~オズの魔法使い~』主演・ドロシー役で一躍注目を集める。主な出演作に、Netflix『全裸監督2』、ABCテレビ『●●ちゃん』主演など。
小川菜摘(おがわ・なつみ)
1978年、ドラマ『ゆうひが丘の総理大臣』でデビュー。その後、文学座に入団し研究生となる。2012年、同年齢の役者達で結成した劇団500歳の会を旗揚げ。近年は舞台・ドラマ・映画に、存在感のある役者として活躍している。
宮下貴浩(みやした・たかひろ)
2011年~2018年まで所属していた劇団居酒屋べースボールでは、多くの作品で主演を務めた。2018年からは劇作家・私オムとの共同企画をスタートし、毎年公演を開催している。
公演情報
東京マハロリバイバル公演 第3弾公演
『明日、泣けない女/昨日、甘えた男 2025』
日:2025年5月3日(土・祝)~11日(日)
場:シアターサンモール
料:前売8,000円 当日8,500円
※他、各種割引あり。詳細は下記HPにて
(全席指定・税込)
HP:https://www.tekkosho.jp/stage/nakenai_amaeta/
問:テッコウショ制作部
mail:tekkosho.staff@gmail.com