
日本のレビュー草創期に松竹少女歌劇団のスターとして活躍した、“タアキイ”こと、水の江瀧子。ライバルでもあったオリエ津阪らとの関係を軸に、戦前から戦後の激動のスター人生を歌とダンスを交えて描いたミュージカルレビュー『TARKIE〜伝説の女たち〜』の上演が決定。2022年にも水の江瀧子を演じた凰稀かなめが再び“タアキイ”を、彩凪翔がオリエを演じる。
凰稀「前に演じた時はコロナ禍真っ只中で、戦前から戦後という辛い時代とどこかマッチする部分があるように感じていました。タアキイさんは生きる強さや責任感を持っている方で、『こういう時代だからこそエンターテインメントが大切だ』とその先端を走り抜けた。実在した人物を演じるということで、どんなお方だったのかを調べたり、彼女をご存知の方にお話を聞いたりしました。今回は、メンバーも変わりますし、新たな場面も加わるようなので、イチから創る気持ちで臨みます」
彩凪「コロナ禍真っ只中で、レビューが持つ力を改めて感じた公演でした。私は宝塚を退団したばかりで、憧れの凰稀さんと共演させていただくということで、映像を見返しても肩の力が入りすぎていたのですが(笑)、今回はいい意味で力まずに取り組めたら。ぜひ多くの方にこの素敵な作品をご覧いただきたいですね」
ともに宝塚歌劇団出身で、先輩・後輩である2人。お互いをどう見ているのか。
彩凪「ずっと舞台姿を拝見してきて、心から尊敬する先輩です。お忙しい中でもいろいろと的確なアドバイスをくださって、いつも見てくださっているんだなと感じます。憧れが強すぎてどうしても下級生っぽさが出てしまうのですが、役柄的には1学年差となるので、その辺りは私が頑張らなくてはいけないところです」
凰稀「私が見ていないところでも努力を重ねてこられて、素敵な男役に成長したなと思っていました。初演で久々にご一緒したときにも、本当にしっかりしているなぁと。素直な芝居をするし、気遣いもできるし、一度言ったらすぐにできてしまう器用な俳優です」
本公演が18歳以下を無料招待する文化庁の支援事業に採択されていることを踏まえて、最後に凰稀が誘いの言葉を語ってくれた。
凰稀「歌ありダンスあり、見どころたくさんの舞台。多くの方にご覧いただきたいですが、特に子どもたちがこの舞台をきっかけに、舞台に興味を持ったり、俳優を目指してくれたりしたら嬉しいです。ぜひ気軽にご来場くださいね」
(取材・文:五月女菜穂 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

凰稀かなめ(おうき・かなめ)
9月4日生まれ、神奈川県出身。元宝塚歌劇団 宙組トップスター。2015年2月に退団。ミュージカル『1789 〜バスティーユの恋人たち〜』で女優デビューを果たす。2018年、舞台『さよなら、チャーリー』で文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。舞台のみならず、ドラマや映画にも出演。近作に、舞台『私立探偵 濱マイク – 遥かな時代の階段を-』、朗読劇『星の王子さま』など。

彩凪 翔(あやなぎ・しょう)
6月2日生まれ、大阪府出身。2006年、宝塚歌劇団に入団。2021年4月、『fff ―フォルティッシッシモ―』~ 歓喜に歌え!~ / 『シルクロード~盗賊と宝石~』東京公演千秋楽をもって、退団。その後も精力的に舞台に出演。近作に、ツーマンプレイ『キアロスクーロ – 古典落語「死神」より-』、舞台『フルーツバスケット The Final』など。
公演情報
.jpg)
ミュージカルレビュー
『TARKIE~伝説の女たち~』
日:2025年3月24日(月)~30日(日)
場:有楽町よみうりホール
料:SS席13,000円 S席11,000円
A席9,000円(全席指定・税込)
HP:https://k-rose.net/tarkie/
問:ケイローズ tel.03-6772-4187