おぼんろ主宰・末原拓馬が、橋本真一らと作り上げるオムニバス舞台『末原拓馬奇譚庫』。この企画は2人のスケジュールが合ったことからスタートしたそうだ。
末原「俺の中で、真一は深いことをやれる友達です。対等にものづくりができる、アカデミックな芝居をする人たちを集めました。そこで自分から何が溢れるかという期待もあります」
橋本「いつも以上に“末原拓馬”の純度が高くなりそうで楽しみです。僕らが入ることで可能性を広げ、より多くの方に届けられたらいいなと思います」
末原がこれまでに描いた短編に加え、新たな物語も生まれているという。
末原「人が生きていく中で生まれる美しくないもの・表に見せたくないものを“自力では生き残れない物語たち”と捉え、保存している場所が“奇譚庫”です。全員が納得できる話にはならないかもしれません。奇譚庫を守る人たちを真一が訪ね、色々な物語を知っていく構成です」
橋本「物語の羅列じゃなく、大きな流れが生まれそう。そこをまとめ、1つの作品として成立させる大事な役割だと感じます」
俳優としてのお互いの印象を聞くと。
橋本「拓馬さんはミステリアス。明るいエネルギーを感じる時もあればその真逆もある。人間らしいのに人間らしくない、神の子なんじゃないかと思う瞬間がある人です」
末原「真一の魅力は圧倒的な人間性。板の上でガツンと絡んだことはなかったので、真一によって自分の芝居が変わるのも、その逆も見たい。稽古はただただ楽しみです」
橋本「お芝居の醍醐味を味わえる稽古になりそうですね」
末原「演出家というより、皆と共作して自分の作品の可能性を覗いてみたい。芝居をすることが生きることと同義になるのを年々確信しているので、ここでドキドキしないと。今回のカンパニーは、さぞ凄いだろうと期待しています」
橋本「うわ、ハードル上げられた(笑)! 僕自身、人としても役者としても拓馬さんに才能や魅力を感じています。物語を膨らませると同時に、拓馬さんの魅力をお客様に届けたいです」
末原「大好きな仲間を呼んだからには全てを賭ける価値のある公演にしたいし、才能同士がぶつかり合う場所になってほしい。俳優やスタッフが背負ってきた全てが1つの“奇譚”として存在していて、訪れるあなたの物語にも興味があります。『末原拓馬奇譚庫』がどんな存在になっていくか、始まりを目撃してほしいです」
(取材・文:吉田沙奈 撮影:NORI)
プロフィール
末原拓馬(すえはら・たくま)
東京都出身。俳優・脚本家・演出家。2006年の旗揚げ以来、劇団おぼんろの作・演出・出演を担当。外部作品への出演や脚本・演出も意欲的に手掛けている。主な外部作品に、Identity V STAGE Episode1『What to draw』(脚本)、『純情ロマンチカ』(演出)、Stray Cityシリーズ(脚本・演出)、剣劇『三國志演技~孫呉』(脚本・演出)など。
橋本真一(はしもと・しんいち)
大阪府出身。俳優・声優・ミュージシャンとして幅広く活躍。主な出演に、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageシリーズ、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズ、舞台『魔法使いの約束』シリーズ 、『夢職人と忘れじの黒い妖精』など。
公演情報
舞台『末原拓馬奇譚庫』
日:2025年1月22日(水)~25日(土)
場:Hall Mixa
料:8,500円(全席指定・特典付・税込)
HP:https://hall.mixalivetokyo.com/information/takuma_kitanko/
問:上記HPよりお問い合わせください