笑えて泣けて考えさせられる、愛にあふれた作品 それぞれが「ゴリラ」とどう向き合って作っていくかにも注目

笑えて泣けて考えさせられる、愛にあふれた作品 それぞれが「ゴリラ」とどう向き合って作っていくかにも注目

 2024年に活動を再開し、意欲的に公演を行なっている「劇団わ」が、11月27日(水)より本公演『GORILLA~ヒューマノイドホライズン~』を上演する。今回の公演に参加する藤代海、横道侑里、滝川広大、井坂仁美にインタビューを行った。


―――まずは意気込みを教えてください。

藤代「劇団わさんの『@ずっと稽古』というイベントに参加したご縁で呼んでいただきました。まさか主演とは思っていなくて、すごく嬉しいですが、まだあまり現実味がありません」

横道「劇団わさんが大好きなんですが、『GORILLA』と聞いてどんな作品だろうと思いました。台本を読んだら、題名から受ける印象と結構違っていて。読むたびに泣いてしまうので、皆さんにも素敵な作品をちゃんとお届けしたいと思います」

滝川「僕は共演者などから“ゴリラ”といじられて10年以上経ちました(笑)。待ちに待っていた作品です。ゴリラに注目するって珍しいですし、内容も面白いので楽しみです」

井坂「私が出演したことのある劇団わさんの作品とはまた違う雰囲気だと感じました。海くんと横道ちゃんとは共演経験がありますが、海くんが主演をやっているところは初めて見ますし、2人の身長差がすごいので、どうなるのかそれも楽しみです」

―――台本を読んだ感想はいかがでしょう。

藤代「侑里ちゃんも言っていた通り、『GORILLA』というタイトルでみんなクスッと笑うと思います。でも、読んでいくとコメディ要素がありつつ悲しくもあり、いろいろ考えさせられる作品。個人的には、殺陣や手話などにも挑戦できるので楽しみです」

横道「愛に溢れた作品です。私は昔から、なんで戦いや戦争が起きるんだろうと思っていて。想いを乗せられる部分もたくさんある作品だと思います。『観てほしい』というのが1番ですね」

滝川「シンプルに楽しみですし、稽古を通してどう作られ、皆さんに届けられるのかワクワクしています。あと、ゴリラと人間の物語をどう表現していこうかと。ゴリラとして生きられる期間、いろいろ考えて表現していくのが楽しみです」

井坂「ネイチャーって感じです(笑)。人間とゴリラの共存など、ファンタジーだけどファンタジーすぎない。『こんなやついる』とか、自分たちの思いを形にしようとすると争いが生まれることとか、リアルな部分も描かれていると感じました」

――演じる役の印象、役作りに活かせそうなご自身との共通点があれば教えてください。

藤代「僕が演じるのはアダラという役で、すごく葛藤があるキャラクター。正義感に溢れ、『父のようになりたい』と思いながら成長していく中で人間との争いが起き、人間との愛に揺れて葛藤する。浮き沈みが多い役なので、どう表現していくかが課題だと思います。感情を押しすぎる演技はしたくないので、自然にお客さんに伝わったらいいなと思っています」

横道「ゴリラは純粋というか、思ったことをパッと出せるのが素敵だなと思っています。生きている中で隠してしまうこともあるけど、そこを出せる。作中で『うんこ!』って投げたりするんですが、人間は絶対しないじゃないですか」

井坂「横道ちゃんから『うんこ』って聞きたくなかった(笑)」

横道「(笑)。ある意味童心に帰って演じられるので楽しみです。あと、出演が決まってからゴリラの動画などを見るようになったんですが、すごく愛おしくて」

井坂「可愛いよね! めっちゃ反り腰」

横道「そう! 反り腰と耳が小さいところが共通点かなって」

藤代「でも、演じてる時はずっと反り腰じゃなくていいでしょ(笑)」

一同「(笑)」

横道「ゴリラを演じるのは初めてなので楽しみです」

滝川「僕の役はアクションが多めと聞いています。ゴリラの要素を入れながら戦うことを想像しながら台本を読んでいます。ゴリラらしいニュアンスを入れられたらいいなと思っていますね」

井坂「私もゴリラなんですが、すごくハッピー娘です。演じていて楽しいだろうし、騒ぐだけ騒いだほうがいいだろうなと感じる役。私もどちらかというとハッピーな人間なので、自然体で楽しくやればいいのかなと思っています」

―――作品全体やご自身の役で、どんな部分が見どころになりそうでしょう。

藤代「見どころは全部です。個人的には手話などの挑戦に注目してほしいですが、何よりも作品全体を観てほしいのが率直な想いです」

横道「登場するキャラクターたちが葛藤を抱えていたり、試練にぶつかったりしながら奮闘する物語。ゴリラと人間、誰かしらに共感できると思います。だから、見どころはみんなですね。全部を愛していただけたらと思います」

滝川「戦うかっこよさより、戦う意味を届けたいと思っています。物語やそれぞれの感情を伝えられるように注意して作り上げたいです」

井坂「劇団わさんの作品はアクションが見応えのあるものが多いです。今回はキャラクターが人間だけじゃないので、どう表現するのか。あと、個人的に手話を勉強中なので稽古場で先生にいろいろ聞こうと思っています。作中ではやらないんですが、この作品を通して私の手話スキルが少しずつ上がっているなと思っていただけたら(笑)」

―――共演経験がある方もいれば初めましての方もいると思いますが、お互いの印象はいかがですか?

藤代「僕は女性陣と共演経験があり、侑里ちゃんは天真爛漫。ずっと笑顔ですし、ちょっと天然ポンコツで可愛らしい(笑)。今回は恋仲という関係性の役側なので、さらに仲良くなりたいと思っています。
 ひーちゃん(井坂)とは何度か共演経験がありますが、これまでは夫婦や恋人役でした。今回はいかにパリピな井坂仁美を見られるか楽しみです(笑)。
 滝川さんは初めまして。絡みも多いので、いろいろ話し合いながら進めたいです」

横道「海さんと共演した時はお爺さんを演じられていました。すごく多才だし、内から出るものが素敵な役者さんで、頼れる存在。安心しています。
 井坂さんは、以前共演した作品で明るく賑やかな姿を見ているので、わいわいしたところに混ざれるのが嬉しい。対峙するところもあり、舞台上で絡むのも楽しみです。
 広大さんは初めましてですが、お話しした時にいい人感が溢れていて安心しました。ゴリラ先輩としても見習わせていただきます」

一同「(笑)」

井坂「海くんとは共演経験が多いんですが、コメディしか一緒にやったことがなくて。しかもぶっ飛んだ役が多いので、真面目なお芝居をしている海くんをほぼ見たことがない(笑)。面白さはよくわかっていますが、主演として物語を進めていく姿を見るのが楽しみです。
 横道ちゃんは感受性豊かで、周りも笑顔にしてくれる人。でも、気付いたら謎のポイントで泣いていたりする(笑)。今回はスイッチが入らないようにいろいろなものから守っていこうと思っています!」

滝川「この取材で、3人がいい人なこと、仲の良さが伝わりました。皆さんと稽古するのが楽しみです」

―――楽しみなキャストさんやキャラクターはいますか?

藤代「お父さんが気になっています。物語上とても重要で、僕が演じるアダラの人生を左右するキャラクター。そこの絡みが楽しみです」

横道「私が演じるイブラとして読んでいるからかもしれませんが、博士が愛に溢れていてすごく素敵。心を掴まれました」

滝川「絡みが多いのでアダラですね。どう関係性を作っていこうか楽しみです」

井坂「作品としては博士のシーンが大事だと思います。近い実話もあるので、想像してグッとくるというか。ゴリラと人間の架け橋、なのに……みたいな。台本を読んでいても辛くなることがありますが、リアリティがあるからこそグッとくるので注目してほしいです。
 今は台本を読んで想像している段階ですが、実際に役者さんが演じたらもっと広がると思うので稽古が楽しみです」

―――藤代さんが座長としてやろうとしていること、お稽古で楽しみなことはあるでしょうか。

井坂「叙々苑弁当……」

一同「(笑)」

藤代「お弁当はおいおい相談で(笑)。
 今までの作品で座長を務めた時は、気負わずやることを大切にしていました。『俺についてこい!』ではなく、『みんな仲良くやろう』というタイプ。でも、稽古場で困っている方がいたら積極的に話しかけるし、いつも以上に気を配ると思います。とにかく、この作品をみんなで楽しく届けられたらと思います」

横道「いつもは人間役ですが、今回はゴリラなので、知らないことがたくさんある。稽古場でゴリラについて話し合ったりするのかな。難しいだろうけど、新しい発見もあると思うので楽しみです」

滝川「稽古場の差し入れはバナナがたくさん並ぶのかなとか(笑)。それぞれ、ゴリラの捉え方や視点が違うと思うので、どんなアプローチでゴリラになってくるのかというのも楽しみの1つです」

井坂「演出家さん(村上芳)がゴリラなので、直接演出していただけるのは楽しみだと思います」

一同「(笑)」

井坂「芳さんの演出は的確で新鮮さもあるので、ゴリラの世界だとどうなるのか。いろいろなことを盗めたらいいなと思います」

―――最後に、楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。

藤代「タイトルに負けないくらいゴリラだらけの作品です。愛に溢れた作品なので、いろいろなものを持ち帰っていただけると思います。ぜひ劇場に足を運び、楽しんでいただけたら嬉しいです」

横道「えー、ゴリラ、ゴリラ……」

一同「(笑)」

滝川「ゴリラ語?」

藤代「ゴリラは『ゴリラ』って喋らない(笑)。じゃあゴリラ語でお願いします」

横道「ウホ、ウホウホ! 『愛です。観に来てください』という意味です」

一同「(笑)」

滝川「自分たちが届けるべきものをちゃんと届けられたら嬉しいですし、お客様が笑って泣いてくれたら幸いです。最後の拍手は、やっぱり皆さんドラミングでお願いします(笑)!」

井坂「題材としては少し重いですが、劇団わらしいコメディもあり、抑揚が楽しめると思います。気負わず足を運んでいただけると嬉しいです」

(取材・文&撮影:吉田沙奈)

プロフィール

藤代  海(ふじしろ・かい)
北海道出身。ハンドボールの実業団チームで活躍の後、俳優の道へ進む。劇作家・演出家の朱木雀空とともに、!ll nut up fam(イルナップファム)を旗揚げ、現在に至る。

横道侑里(よこみち・ゆり)
静岡県出身。元AKB48メンバーで、卒業後は女優として活動。主な出演作に、舞台『りさ子のガチ恋♡俳優沼』、ナイスコンプレックスN33『ゲズントハイト~お元気で~』、劇団わ 本公演『Happy Spell』など。

滝川広大(たきかわ・こうだい)
群馬県出身。2.5次元作品を中心とした舞台作品に数多く出演している。主な出演作に、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、舞台劇『からくりサーカス』シリーズ、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズ、舞台『弱虫ペダル』シリーズなど。

井坂仁美(いさか・ひとみ)
神奈川県出身。舞台を中心に活躍中。仮面ライダーGIRLSのリーダーとしてもグループを牽引している。主な出演作に、『風都探偵 The STAGE』、舞台『志立彩色女学院アイドル科』、劇団わ 本公演『Happy Spell』など。

公演情報

劇団わ 本公演
『GORILLA〜ヒューマノイドホライズン〜』

日:2024年11月27日(水)〜12月1日(日)
場:中目黒キンケロ・シアター
料:10,000円(全席指定・特典付・税込)
HP:http://www.wagumi.site
問:劇団わ mail:cs@gekidan-wa.tokyo

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