東日本大震災で保護者を亡くした震災遺児の学業継続を応援する「毎日希望奨学金」の一環として、2018年から行われているチャリティーコンサート『忘れない』。震災で亡くなった人への手紙を送る「漂流ポスト」に寄せられたメッセージを、元宝塚の人気女優たちが朗読と歌で綴るステージは、毎回多くの感動に包まれてきた。そして2022年3月、震災から11年を迎える前日に5度目の公演が行われる。今回の出演者は、杜けあき、姿月あさと、北翔海莉、月影瞳、悠未ひろ。その中から、杜、姿月、北翔の3人がコメントを寄せてくれた。
杜「今回で3度目の出演ですが、毎回身が引き締まり、心が締め付けられる時間を過ごしています。漂流ポストに投函されたお手紙を読むときは、どうしても感情移入しすぎて涙が溢れることがあり、必死に我慢して、観てくださっているお客様にきちんと内容を届けられるようにと意識を切らさないようにしています」
姿月「2018年の第1回に続いて2度目の出演です。人それぞれ、忘れられないことがあり、その思いと共に過ごしていくのが人生なんだなと感じたのを覚えています」
北翔「私はこれまで全公演に参加してきました。毎年お声をかけていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。歳月が経つにつれ、1人でも多くの方の心を浄化できればとより強く思い、ステージに立っています」
コンサート前半では、震災後も諦めず未来を切り拓いた人たちのショートストーリーを朗読。後半では宝塚時代の名曲の数々が披露される。豪華な出演者たちが特別な思いと共に取り組むこのステージを、こちらも全身で受け止めたい。
杜「まだまだ油断のできない日々ではありますが、感染対策をしっかり行い、観に来てくださるお客様と心をひとつにして、被災地へ、そして被災者の皆さんへ、温かく大きな真心をお届けしたいと思います」
姿月「震災は何年経っても忘れることなく、これからも伝え続けていかなければならない出来事ですが、私たちは前に進んでいかなければなりません。そんな日々の中、音楽が少しでも心の支えになっていただけると嬉しいです」
北翔「次世代に伝え続けられますよう、心を込めて舞台に立ちたいと思います。皆様にとっても、温かい空間で癒しになれれば光栄です」
(取材・文:西本 勲)
杜けあきさん
「不死鳥のような若さ(笑)!
最近は以前のような瞬発力がなくなりガックリすることが多いのです(笑)。気持ちは昔のままなのに。だから、お仕事する時だけ「あの若さ戻って来~い!」と叫びたくなります。誰もが通る道だけど、サンタクロースさんがくれるなら、是非よろしくお願いしま~す!!」
姿月あさとさん
「どこでもドア
昨今、県をまたぐ移動や、海外になかなか行けなかったり、色んな方に会えなかったりする期間が長かった際に、どこでもドアがあれば良いなぁと思いました」
北翔海莉さん
「小さい頃は欲しいものがありましたが、年を重ねるたびに、健康な身体と何事もなく無事に過ごせるこの環境が、最高のプレゼントだと思っています。なので、何も望みません」
プロフィール
杜けあき(もり・けあき)
1979年宝塚歌劇団入団。1988年に雪組トップスターに就任し、『ベルサイユのばら』、『華麗なるギャツビー』、『ヴァレンチノ』などの名作に主演。1993年に退団後は、舞台を中心にTVやラジオでも活躍し、『出雲の阿国』、『風と共に去りぬ』、『エリザベート』など多数の作品に出演。
姿月あさと(しづき・あさと)
元宝塚歌劇団宙組初代トップスター。2000年に退団後、コンサートや舞台への出演、TV、CMなど、活動は多岐に渡る。クラシック、シャンソン、タンゴ、歌謡曲までジャンルに捉われない全方位型の自身を表現し続けている。2022年は芸能活動35周年を迎える。
北翔海莉(ほくしょう・かいり)
1998年宝塚歌劇団入団。2015年に星組男役トップスターに就任し、2016年に退団。ブロードウェイ・ミュージカル『パジャマゲーム』、『ふたり阿国』、『海の上のピアニスト』、「藤間勘十郎文芸シリーズ」などの作品で主演を務めるほか、数々のコンサートやディナーショーにて活躍中。
公演情報
宝塚OG 毎日希望奨学金チャリティーコンサート 忘れない~未来への手紙~
日:2022年3月10日(木)18:30開演(17:30開場) 場:Bunkamuraオーチャードホール
料:8,500円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
HP:https://www.mainichi.co.jp/event/culture/wasurenai/
問:
【公演に関するお問合せ】毎日新聞社 事業本部 tel.03-3212-0804(平日10:00~18:00)
【チケットに関するお問合せ】チケットポート
tel.03-6327-3710(平日10:00~18:00/年末年始休業有)