戦国の大事件、本能寺の変を小姓たちの視点から描いた異色作 さらにパワーアップしたキャストで4回目の再演に挑む!

戦国の大事件、本能寺の変を小姓たちの視点から描いた異色作 さらにパワーアップしたキャストで4回目の再演に挑む!

 長い日本の歴史の中でも「本能寺の変」はとりわけ多くの人々の興味を惹き、小説・演劇・ドラマ・映画など、数多の作品を生み出している。それも織田信長と明智光秀双方の視点はもちろんのこと、様々なポイントに焦点を絞った作品があるが、演劇集団アトリエッジによる舞台『ちはやぶる神の国~異聞・本能寺の変』は、信長と共に本能寺に滞在していた小姓たちの視点からこの事件を見つめ直す。演出の田中寅雄は語る。

田中「『本能寺…』を含めてアトリエッジの諸作品は、ある出来事を今まで描かれていない部分から光を当てることで、違ったものを見せる。そういったスタイルが多いです」

 再演を重ねて4回目の今回は、織田信長に田中がWキャストで、小姓たちの代表格、森蘭丸にアトリエッジメンバーである村井飛斗が出演する。そして徳川家康をベテラン俳優・仁科克基が熱演。

仁科「作品は再演を重ねていますが、僕は初めての参加です。座組の中で僕がほぼ最年長です。まあ若手が活き活きやってくれればいいかなと思います。僕も久々に殺陣をつけてもらっているので筋肉痛が凄くて(笑)」

村井「蘭丸はなかなか難しい役柄です。信長様にどのように接するか。そして10代で主君に仕えるという今では考えられないことを自分に落とし込んで頑張りたいです。そしてベテランの皆さんの胸を借りてやっていきたいです」

田中「前々回は信長をやり、精一杯やったものの終わった後に思い返すことは多かったです。前回は演出として他の方の信長を見ていてまた発見がありました。さらに信長はこれまで色々な役者さんが取り組まれていますし、お客さまの側にもイメージが出来ています。そういった見方を総合して深みのある芝居をつくりたいと思います」

 60人にも及ぶキャストで描く戦国の大事件。それぞれの想いも高まっているようだ。

仁科「何しろ人数が多いんです(笑)。僕はシングルだから一度会ったくらいじゃあ、顔と名前が覚えられない。まずはそこからですよ」

村井「僕たちは若いだけに稽古中に緩むこともあると思いますが、そんな時に仁科さんにはビシッと締めてもらえればと思います。いらっしゃると空気が引き締まります」

田中「両チーム、いい意味でそれぞれの個性が生まれれば良いなと思います。脚本を大切にしつつ、現代にも通じる“大切にしないといけないもの”を伝えていきたいですね」

(取材・文:渡部晋也 撮影:山本一人(平賀スクエア))

春は出会いの季節。最近、新たに出会ったものorひとは?

仁科克基さん
「嫁がポメラニアンを飼って、その子の誕生日にSNS上に1歳になった動画をupしたんですが、同じ日に誕生日の子が居て、もしかしたら兄弟かもと血統書を確認したらまさかの兄弟で。しかも全員、東京暮らしで繋がる事が出来て対面しました。6匹産まれて3匹しか残れなかったみたいなんですけど、その3匹全員がこうして繋がって会う事が出来ました。SNSが初めて良いって感じた瞬間でした」

村井飛斗さん
「僕がこの春、出逢った人は、森蘭丸さんです。森蘭丸さんは織田信長様に仕えていたお小姓の1人。4月17日〜21日に博品館劇場で行われる『ちはやぶる神の国』という舞台で僕はその森蘭丸さんを演じさせていただきます。先日、京都の阿弥陀寺にある森蘭丸さんのお墓を参りに行ってきました。阿弥陀寺は住宅街の中にひっそりとあり、その中に信長様をはじめとした本能寺の変で亡くなった武将の方々のお墓がありました。そして蘭丸さんのお墓も信長様のすぐ側に。参拝者は全くおらず、静かな時間が流れるとても落ち着く場所でした。蘭丸さんが好きだった梅の花も咲き、僕を鼓舞してくれている様に感じました。蘭丸さんとの忘れられない出逢いです」

田中寅雄さん
「毎日ジムに通うこと……ですかね。これまで芝居など、表現のことばかりに時間を費やして生きてきたんですが2年前に、歳を重ねれば重ねるほど、1年の体感速度が速くなっていることを痛感して。。それから、1年に1つ、これまで体験したことのない趣味や取り組みを増やしていこうとしていて。新しい刺激を受けて少しでも1年の体感を長くしたくて(笑)。2年前はサウナ巡り、昨年はゴルフ、そして今年はジム通いと出会いました。この調子で行けば88歳では、趣味が50個です」

プロフィール

仁科克基(にしな・まさき)
小学5年生から子役として活躍。俳優としてだけでなく日本舞踊の名取でもある。時代劇から現代劇、特撮まで活躍は幅広く、近年には父・松方弘樹の人気レパートリーだった『遠山の金さん』に舞台で挑むなど、活躍の幅をさらに拡げる。バラエティ番組への出演も多く、趣味の釣りに関する番組や連載を持ち、国際的なカジキ釣り大会にも参加している。

田中寅雄(たなか・とらお)
アーティストのバックダンサーやショーダンサーとして活躍した後、俳優・演出家の活動を開始。脚本・演出を担当した『?イカのだんすはすんだのカイ?』が、一般社団法人日本演出家協会主催の若手演出家コンクール2021で優秀賞に選出される。本作では過去に織田信長役で出演、演出と関わったが、今回はその両方で挑む。

村井飛斗(むらい・たかと)
文学座付属演劇研究所を経て舞台俳優として活動を開始。近年は映画やドラマなどの映像作品にも出演。主な出演に、映画では、2024年カンヌ国際映画祭特別上映作品『ピースラリー』(ショートフィルム)にて、ヒロインの弟を好演。

公演情報

演劇集団アトリエッジ『ちはやぶる神の国~異聞・本能寺の変』

日:2024年4月17日(水)~21日(日)
場:博品館劇場
料:S.VIP席88,000円 VIP席55,000円
  S席12,000円 A席9,000円
  B席7,000円(全席指定・税込)
HP:https://djdjat.weebly.com
問:演劇集団アトリエッジ 
  tel.03-5385-1000(平日10:00~18:00)

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