朗読×音楽×即興性×想像力で作り上げる新感覚のステージに 中嶋朋子が企画・プロデュースした“言葉”を感じる朗読劇

朗読×音楽×即興性×想像力で作り上げる新感覚のステージに 中嶋朋子が企画・プロデュースした“言葉”を感じる朗読劇

 俳優のみならず、朗読や執筆の分野でも活躍する中嶋朋子が、やまと芸術文化ホールとともに構想から企画・制作に2年を費やしたオリジナル朗読劇、リーディングイマジネーション『カミサマ ノ 本棚』が3月に上演される。

 「朗読劇は、本を読んでそれをお客さまが聞くだけというイメージが出来上がっていますが、本来、もっともっと可能性のあるものだと思います。“言葉”と“何かを伝えたいというエネルギー”をお客さまに能動的に受け取っていただいて成立する、行動的なものだと思うので、それを楽しめる場を作りたい。そう考えていた時にお声掛けをいただき、今回の企画に結びつきました」

 出演メンバーのアイディアを融合して、言葉や物語、音楽で紡ぎ、即興性も重視して作品を作り上げるという新感覚の朗読劇になるという。

 「ただ文学作品を読むというだけの公演ではありません。音楽が加わり、言葉を通じて演者たちがその時に感じたことをシナリオにして綴っていこうと思っています。なので、私たちも何が出るのか分かりません。読み進めながら、お客さまの反応も見ながら、自分たちの感覚を加えて進んでいく作品になればいいなと思っています」

 3月14日には、「『ワタシ ノ 本棚』~あなたの言葉を集めてみよう~」と題したプレイベントが開催される。中嶋とチェロ・音楽を担当する四家卯大が、参加者とともに本公演で使用される“言葉”を集める。そこで集めた言葉は、舞台上の装置や本公演での物語の一部としても使われる予定だ。

 中嶋は、公演タイトルの『カミサマ ノ 本棚』にも深い想いを滲ませる。

 「もし、神様という存在がいるのであれば、私たちへのギフトである“言葉”をあちこちに散りばめているはず。そう考えると、例えば家族や身内から掛けられた手痛い言葉も、背中を押すための言葉だったんだと分かる。本来、そうした言葉の一つひとつは、とても大事なもので、私たちを元気にしてくれるものだと思います。“私たちの人生に降り注いでくる言葉が全てギフトだとしたら、自分はどんな毎日を過ごそうか”と、一緒に考えられる舞台にしたいという想いがタイトルの所以です。それから、“カミサマ”という言葉には“紙のあり様(よう)”という意味も込められています。言葉が降り注ぐ素敵な図書館に遊びにくるような気持ちで来ていただけたらと思います」

(取材・文:嶋田真己 撮影:間野真由美)

プロフィール

中嶋朋子(なかじま・ともこ)
東京都出身。唯一無二の存在感で国内外の演出家からの熱い信頼を得る俳優。俳優業の他にもナレーションや朗読、執筆活動においても、その瑞々しい感性で根強いファンを持つ。舞台『ヘンリー六世』三部作にて、第17回読売演劇大賞 優秀女優賞、第44回紀伊國屋演劇大賞 個人賞を受賞。主な出演に、ドラマ『北の国から』、映画『家族はつらいよ』シリーズ(山田洋次監督)、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(成田洋一監督)、シェイクスピア ダークコメディ交互上演『尺には尺を』/『終わりよければすべてよし』など。

公演情報

リーディングイマジネーション『カミサマ ノ 本棚』

日:2024年3月23日(土)15:00開演(14:30開場)
場:大和市文化創造拠点シリウス 芸術文化ホール メインホール
料:一般3,500円(全席指定・税込)
HP:https://yamato-bunka.jp/hall/2023/009295.html
問:やまと芸術文化ホール tel.046-263-3806(9:00~18:00)

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