2作品見ることで、テーマやキャラクターの魅力を深堀りできる 殺陣あり感動ありの予測できないスト-リーが見どころ

2作品見ることで、テーマやキャラクターの魅力を深堀りできる 殺陣あり感動ありの予測できないスト-リーが見どころ

 2022年11月にフライドBALL企画が上演した、パフォーマンス プラス ピエロ作品『陰陽師、はじめました。』と、その前日譚にあたる新作『陰陽師、はやりました。』。その2作品が、2024年4月11日(水)~14日(日)まで同時に上演される。
 ビジュアル撮影のタイミングで、出演する のののん・沖田桃果・小日向はる・松川大祐にインタビューを行った。

―――まずは出演が決まった時の思いを教えてください。

のののん「舞台の経験はあまりないので不安もありました。でも、今回の作品の内容と演じるキャラクターを知って、自分みたいな女の子だと感じました。
 『陰陽師、はじめました。』の美琴ちゃんはおバカで元気であわてんぼうなお転婆娘。自分もそうなので演じてみたいという気持ちもあり、喜びも大きかったです。主演で緊張もしているけど、みんなと一緒に素敵な作品を作れたらと思っています」

沖田「私は『陰陽師、はやりました。』に出演します。舞台を中心に活動していて、今年で12年目。W主演の経験はあるけど、単独主演は初めてです。
 お話をいただいて、『うわ、きた!』と思いました(笑)。任せていただけるのがすごく光栄ですし、ピエロさんに出演させていただくのは今回が4回目。大好きな団体で初の単独主演を務められるのが嬉しいです」

小日向「両方の作品に玉藻前役で出演します。私は普段アイドルとして活動していて、なかなか舞台には出られていません。今回は久しぶりにピエロさんの作品に参加します。
 台本を読む前に玉藻前について調べましたが、普段の私とは全然違うので、そんなに強い役ができるか不安もありました。でも、ピエロさんはいつも色々チャレンジさせてくださるので、今回も自分を乗り越えられたらと思います」

松川「両方の作品で鳥羽天皇を演じます。(作・演出の)森さんとは去年8月にピエロさんの本公演で熱い夏を過ごし、今回また重要な役を任せてもらいました。
 僕は普段、殺陣を得意としているので、今回も殺陣が多いのかと思っていましたがまさかの天皇。台本を読み、人一倍物に対する愛が深い人物だと感じました。稽古を経てどうなるかわからないけど、ただ偉そうなだけではない、説得力のある天皇を作り上げたいと思っています」

―――今も少しお話に出ていましたが、台本を読んだ感想とご自身の役について教えてください。

のののん「展開が予想できず、衝撃もあって面白かったです。美琴ちゃんはみんなに心配されるような子。どう活躍するかドキドキしたけど、彼女らしく力を発揮している様子を見て、彼女がみんなに愛される理由がわかりました。
 全てのキャラクターが生きていて、予想できないことが次々に起きて、最後まで飽きません。感動もアクションもあって、魅力がたくさんの作品だと思います。その中で美琴ちゃんらしく生きられたらと思っています」

沖田「オファーをいただく時、森さんに『そんなに殺陣はないよ』って言われたんですが、想像の3~4倍は戦っていました(笑)。私が演じる咲耶は憑依を得意とする陰陽師。1作品でそんなにたくさんのキャラを演じることは中々ないので貴重な体験をさせていただきます。
 『陰陽師、はじめました。』は再演で、『陰陽師、はやりました。』は新作。両方を観ることでより深みが増すし、よりキャラクターを愛せるようになっています。悪役もいるけど、みんな信念があるので、全部のキャラクターを愛せる脚本だと思います」

小日向「台本を読む前は、玉藻前はすごく強くて悪い妖怪という印象でした。でも、読んでみたら想像と違って、演じられるのが嬉しいなと感じる素晴らしい役でした。
 初めて読んだ時、すごく揺さぶられるシーンも多くて引き込まれました。それをお客さんにも伝えられたらいいなと思っています。少し殺陣もあるので、ご期待ください」

松川「陰陽師を題材にした作品が多い中で、『陰陽師を始めた・流行ったってどういうこと?』というのがまずありました。読んでいくと、自分の想像と違う展開が何度もありました。今は文章として読んでいるけど、森さんがどう素敵な演出をつけてくれるのか楽しみです。
 そして僕は想像の3~4倍殺陣がなかった(笑)。お芝居の面で、キャラクターを魅力的に見せられたらと思っています」

―――華やかな衣装を着ていらっしゃいますが、ビジュアル撮影してみていかがでしょう。

のののん「やっぱり衣装を着るとスイッチが入ります。自分に似てるけど違う子なんだと思いました。
 あとは、率直に言って動きやすいなと(笑)。動くキャラクターなのでほっとしましたし、どう動くか自分の中でイメージできました。考えた動きを稽古で実際に試してみるのもワクワクしています。暖色系も好きなカラーなので嬉しいですね」

沖田「想像よりもスカートが短かったし胸元が開いているなと(笑)。陰陽師ってこんな感じだったのかと思いました。でもお花柄でとても可愛いし、私も動きやすそうで殺陣が楽しみです」

小日向「今日は衣装さんと、ももちゃん(沖田)に手伝ってもらったので、本番自分で着れるか不安です。これを上手に着られるように頑張るところから。重いので動けるか心配。慣れていかなきゃなと思います」

松川「とっても華やかな衣装を着させていただいて、身が引き締まります。どの作品でもそうですが、いざ衣装に袖を通すとイメージも湧くし、それに見合ったお芝居をしなきゃと感じます。衣装の魅力を引き出すのも演者の仕事かと思うので頑張ります。
 今回は袴ということで、動きに制限があるかもしれないけど、それを感じさせない身のこなしを見せたいですね」

―――のののんさん以外は他作品で森さんとご一緒されています。森さんの演出や作品の魅力を教えてください。

松川「時間足りるかな?」

一同「(笑)」

沖田「一人ひとりのキャラクターがすごく情に厚いです。森さんも同じく情に厚くて、一人ひとりに向き合って演出してくれる印象が強いです。こちらの提案に『いいじゃん!』って言ってくれて、一緒に作ってくれる演出家さんですね」

小日向「私は森さんの脚本が好きです。うまく言葉にできないけど、読むたびに心が揺さぶられたり温かくなったり。情があるし、心を動かされる作品だと思います」

松川「去年の夏に一度だけ演出をつけていただいたんですが、出会いはお互い別の団体に役者として出た時でした。むしろクリエイティブ面で見る森さんが新鮮です。
 特に感じたのは、いい意味で演出っていう立場を感じさせない立ち居振る舞いや作り方をされるということ。役柄と僕自身のすり合わせを一緒にやってくれるという印象。演出をつけるというより、一つのチームとして提案してくれたり、僕らの提案を最大限生かすためのアドバイスをくれたりします。素敵な人です」

―――のののんさん、沖田さんは座長として各チームをどう作っていこうと考えていますか?

のののん「私は座長という器じゃないんですが、別作品で初めて座長をした時はみんなに支えてもらっていました。今回も、みんなとワイワイしながら、いい意味で軽い空気感を作れたら。まとめるタイプではないですが、やる時はやって遊ぶ時は遊ぶ、そういう空間を作りたいです」

沖田「座長は初めてなので、正直どうしたらいいのかなという気持ちはあります。私としては、普段と特に変わらず、真摯にお芝居と向き合って、その姿でみんなを引っ張っていけたら。あとは、ピリッとするところと楽しくするとこのメリハリは大事にしたいですし、みんなが意見やアイデアを自由に言い合えるような座組になったらと思います」

―――小日向さん、松川さんは両作品に出演されます。それぞれでどんな違いを見せていくか、既に考えていますか?

小日向「現時点ではまだ玉藻前のことを100%理解しきれていないと思います。稽古を重ねて、玉藻前の気持ちの動きなどを感じながら、私も一緒に成長していけたらと思います」

松川「天皇は元々が立場のしっかりした人間なので、わかりやすい成長があるかはわかりません。でも内に秘めているものとして、物の見方などを少しずつ変えていきたい。稽古の中で色々な見え方や色々な景色が出てくると思うので、それを新鮮に感じて、そのままお客様に届けられたらと思っています」

―――稽古で楽しみなことや気になるキャストさんを教えてください。

のののん「私は舞台出演が今回で7本目くらい。最初の舞台以外は女性のみの舞台だったので、男性がいる舞台が新鮮で楽しみです。
 別チームですが、『陰陽師、はやりました。』に、元々同じアイドルグループで1番仲が良く、舞台でも共演したことがある菜乃華れみちゃんがいます。また一緒の劇団に出られるのが楽しみ。彼女は憑依型でお芝居をするとすごいので、今回どんなふうにやるのかワクワクします」

沖田「共演したことがある人もいれば初めての方もいて未知数で、お芝居するのが今からすごく楽しみです。稽古が大好きなので、対面で表情を見ながらお稽古できるのもすごく楽しみですね。
 『陰陽師、はやりました。』に、共演経験がある松田浩毅くんと小栗諒さんがいるんですが、かなり殺陣ができる方なのでそこも楽しみです」

小日向「カンパニーに共演経験のある方が何人かいるので、みんながどんな役か楽しみです。湯本貴大くんと共演する時は、コメディで一緒にふざけるシーンが多いんですが、今回は真面目に絡むシーンが多いので、どうなるのか楽しみです」

松川「僕も湯本くん。初めましての方もご一緒したことがある方もいて、その中でも湯本くんが印象的。以前の作品で相棒役だったんですが、内に秘めているものや芝居中の目が特に好き。今回お互い役柄も立場も違う中で、どう色合いをつけていけるか楽しみです。
 あとはお噂をかねがね聞いている小栗さん。小栗さんと殺陣ができたらいいなと思っています」

―――最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

のののん「最初、タイトルを聞いて『どういうこと?』っていうワクワクから入りました。お客様もきっとワクワクして来てくれると思います。台本を読むと、想像を超えた感動や面白さがあったので、そこも届けられるようにしたいです。お客さんがそれを感じて楽しんで帰っていただけるように頑張ります。
 『陰陽師、はやりました。』も、ワクワクして“早く見たい!”と思える内容でした。同時に観たほうがそれぞれのキャラクターの背景も見えてくるので、2作品とも観てほしいです。来てくださる一人ひとりに作品の魅力と素晴らしさをお届けできたらと思います」

沖田「もちろん1作だけでも楽しめるけど、繋がっている2作品を見ることで理解度や深みも増していくので、2公演観たほうがいいんじゃないかと思います。皆さん、ぜひ2公演よろしくお願いします!
 コロナ禍で配信が流行ったりしたのは素晴らしいけど、劇場に行く予定を立てて、その日までワクワクしながら頑張って、劇場で舞台セットを見て期待して、公演が終わって『楽しかった!』という魅力は、映像では味わいきれないところがあると思います。コロナが落ち着いてきた今、やっぱり生のパワーを劇場で感じていただきたいです」

小日向「2作品観たほうが、よりいっそう一人ひとりのキャラクターを愛せるようになると思います。あの時はこうだったんだ、というのを知ることで、より作品もキャラも好きになるでしょうし、成長も見ていただけるので、2作品絶対に観てほしいです。
 今回、絆や愛がテーマになっていて、両作品観たほうがそのテーマも伝わると思います。私たちもしっかり伝えられるように頑張ります」

松川「2作品同時上演という森さんの強気なチャレンジです。僕らもその情熱に応えられるように頑張ろうと思います。僕は両方出演していますので、どちらも100%以上の力を注いで作りたいと思っています。ぜひ劇場で見届けていただきたいです。
 『陰陽師、はじめました。』『陰陽師、はやりました。』本番を無事に迎えられるように、座組で病がはやらないように、気をつけていきたいと思います!」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

のののん
1998年8月18日生まれ、神奈川県出身。タレント・グラビアアイドル・女優として活躍。「ミス東スポ2022」グランプリ。主な出演作に、映画『桜の季節』、『暗闇に立つ土竜』、舞台『SAKURA』、朝倉薫プロデュース ガールズハイパーミュージカル『タイラーF~フォーエバー~大阪公演』など。

沖田桃果(おきた・ももか)
1992年5月7日生まれ、神奈川県出身。舞台を中心に活動中。主な出演歴は、ドラマ『CHEAT チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』、舞台 LEGEND STAGE『SHUNPU Gaiden~春風外伝~』、舞台feather stage『The End of 通勤急行大爆破』など。

小日向はる(こひなた・はる)
ユニット「欲ばりなHoney」メンバー、「ミスヤングチャンピオン2018」グランプリ。ぱすてるからっとプロデュース舞台をはじめとする舞台でも活躍しており、主な出演作に『裏白雪姫物語』、『コネクト・ライフ』、『世界の底にて君を待つ。』など。

松川大祐(まつかわ・だいすけ)
1997年11月4日生まれ、埼玉県出身。主な作品に、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage シリーズ、『魔入りました!入間くん』THE STAGE、パフォーマンス プラス ピエロ 第5回公演『FIDUCIA-フィドゥーチャ-』など。

公演情報

プロダクションピエロ プロデュース 2作品同時公演 『陰陽師、はやりました。』『陰陽師、はじめました。』

日:2024年4月11日(木)~14日(日)
場:シアター風姿花伝
料:S席[前方2列保証・特典付・指定席]5,800円
  自由席4,800円(税込)
HP:https://troupe-pierrot.amebaownd.com
問:プロダクションピエロ
  mail: troupepierrot@gmail.com

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