俳優の小郷拓真が代表を務める「SFIDA ENTERTAINMENT」のプロデュース舞台『POP☆STAGE SEASON2 絶対に負けられない戦いがそこにある Live Stage in 新宿村LIVE POP☆SWEET VS カマーズ26』が2023年9月27日から新宿村LIVEで上演される。
昨年9月に劇場HOPEで上演された『POP☆STAGE SEASON1 ~POP☆アイドル 誕生の瞬間~』の続編で、今流行のオーディション番組や、リアリティーショーの要素を織り交ぜた新感覚ステージだという。
どんな公演になるのか。脚本・演出・出演の小郷拓真、出演する草野博紀、山本侑平、遠藤しずか、工藤ひなき、円谷優希の6名に話を聞いた。
―――まずはどんな作品なのかを教えてください。
小郷「リアリティを追求したシリーズ企画で、今回は第2作という意味で“SEASON2”となります。今回はアイドル同士のライブバトルがメインになるんですけど、そのライブバトルをリアルで作っていくところが見どころです。
リアリティを追求するため、台本にライブシーンの詳細や、どちらが勝つかという結末は書いていません。それぞれのユニットで打ち合わせをするなどして、本当にそのアイドルがやるライブのような形で、よりナマ感を演出させていく舞台を作っていこうとしています」
―――そもそもリアリティを追求した舞台をやろうと思われた理由は? また、SEASON1の反響はいかがでしたか?
小郷「もともとの着想はイベントの企画でした。即興芝居イベント『ドラマを作ろう』というイベントを定期的に開催していて、その中でアイドル誕生の瞬間を描く即興ドラマが生まれたんです。それが面白かったので、僕が脚本を書いて、舞台化させようと考えました。
いわゆるアイドル舞台は他団体さんでもやられていますが、僕のSFIDA ENTERTAINMENTという団体では、団体名にイタリア語で“挑戦”という意味を込めているので、他とは違うことがしたいと思って。
最近はオーディション番組やリアリティショーが人気ですよね。演劇でリアル(アドリブ劇)をぶち込むのは考え方によっては御法度かもしれませんが、承知の上で、新しい形としてリアリティというブームを取り込めたら面白いかもしれない……そうしてSEASON1が生まれました。
やるからには予定調和な企画にはしたくなかったので、アイドル役だった女性陣のセリフは台本には一切書きませんでした。それに、普通の演劇だと通し稽古があると思うんですけど、オーディションが題材のため、それも必要最低限にして。こちらである程度コントロールしながら、生っぽさやあらゆる化学反応を演出していきました。オーディションは一発勝負なので。
物語では400人から選ばれた数人という設定なんですけど、キャストたちも企画を理解した上で、緊張感を持って臨んでくれて。『リアリティがあって面白かった』、『どこからがアドリブで、どこからが台本か分からなかった』といった声をいただきました」
―――草野さんと山本さんは前回も出演されていますね。どんな役だったのですか?
草野「前回はPOP☆SWEETというアイドルにダンスを教える講師のシェイ・ミキ役でした。今回演じるのも同じ役なのですが、今回はその講師自体が自分たちのユニットを組んで、アイドルと対決するという展開らしいです。
全貌を把握できていないんですけど……だからこそ逆に楽しみですね。僕ら男でアイドルやる以上、若い子に負けたくないし、若さ以外の大人が持っているパワーを出していけたらいいなと思っています」
山本「前回、僕はPOP☆SWEETのプロデューサーの古津本地役を演じました。それで彼が新たに思いついた企画が“カマーズ26”だったんです。カマーズはミキ先生を中心につくって、古津自体は別には入るつもりではなかったと思うのですが、なぜかメンバーになっているようで。どう巻き込まれてカマーズに入ったのか、それが楽しみですね。
POP☆SWEETというキラキラしたアイドルと、カマーズ26という色ものの対決ですが、カマーズはカマーズで美を追求して美しさを見せていきたいなと思っております」
―――SEASON1のときに目撃した奇跡的な瞬間や、印象に残った出来事は?
草野「女性アイドルの方々が出る舞台に一緒に立たせてもらうということで、女性ばかりに囲まれる楽しい現場になるのかななんて妄想していたんですけど、いざ稽古が始まったら『稽古から本番までちゃんとオーディション形式にしたいので、講師陣はアイドルと一緒に居ないように』と言われて(笑)。
みんなの稽古が終わってから、自分の芝居のところだけ入れ替えで入るという徹底ぶり。会話をしたいけど、それもダメだったので、ちょっと納得できないですよ(笑)」
―――そこまでリアルだったんですね。山本さんはいかがですか?
山本「台本をもらったときに全部で20ページぐらいしかなくて、薄いなと思ったんですね。しかも、書かれているほとんどの長セリフが僕のセリフだった。それは印象に残っています。
それから、先ほども話が出ましたが、女性と男性を分けて稽古をしていたので、以前別作品で共演した方ともコミュニケーションが取れなかったんですね。『おはようございます』と『お疲れ様でした』ぐらい。稽古も本番もずっとそんな感じで過ごして、千秋楽が終わった後にその方に『お疲れ様』と声をかけたら、大号泣していました(笑)。古津から山本に戻ったと安心したんでしょうね」
―――女性陣の皆さんにお聞きします。最初に出演の話を聞いたときのお気持ちや、ご自身の役について教えてください。
遠藤「この作品のお話をいただいて、事前情報なく、SEASON1の映像を拝見しました。そうしたら、すごくお芝居がリアルな感じがして。台本がない部分こそリアルでやっていると聞いて納得しました。
普通、最後の結末が分かっている状態で、役を生きていくものだと思うですが、今回はリアルさを最後まで一緒に体感していただきたい。私たち出演する側としては確かに怖さがありますけど、でもお客様としては、ドキドキ感があって、楽しめるのではないかなと思います。
私はもともとアイドルをやっていました。その当時を思い出しても、やっぱりライブは熱かったですね。現役時代と同じぐらい、本気でやりたい! 『1番輝いていたね』とファンの方にも言ってもらえるように頑張ろうと思っています。長く熱く応援してくださってるファンの方にとっても、熱くて、懐かしさもある作品に、初めて歌って踊る姿を観てくださるファンの方にとっても記憶に残る瞬間になったらいいな」
円谷「私は役柄の設定上、アイドルではないです。メインとなるアイドル同士のバトルのMCという立ち位置です。
お客様参加型の舞台を仕切っていく役割なのですが、台本にはほぼ私のセリフがない。その場の空気感や起こっていることをリアルタイムで伝えて進行していくんだと思います。お客様と演者の間に立って、一体感を出せたらいいなと思っています。
私は生放送のラジオをやっているので、そういう点では経験が活かせるかもしれません。どうなるんでしょうね。本番を楽しみたいと思います」
工藤「取材の直前に役柄の諸々を聞いたばかりで、まだまだ詳しい説明ができる状態ではないんですけども……演じるキャラクターがあるのかなと思いきや、ほぼ私自身が舞台上に立つような状態になりそうで、とんでもないところに来てしまったなと思っています。
皆さん、しっかり意気込みを語っていらっしゃいましたが、私は怖さしかないです。でもなんとか食らいついていきたいです。稽古の段階から応援できる作品だなと強く感じているので、もうぜひぜひいろいろな方に今のうちから応援していただけたら嬉しいです」
―――重ねて女性陣の皆さんにお聞きしたいのは、アイドルについて。皆さんそれぞれ憧れのアイドル像はありますか?
遠藤「うーん、難しい質問ですが、最近は韓国のアイドルにハマっています。スタイルもパフォーマンスの完成度もダンスも本当にレベルが高くて。
自分が元アイドルだからか、アイドルとオタクという関係性が好きなのかもしれません。全身全霊をかけて熱いパワーで応援してもらう・応援する関係って、素敵過ぎて……尊すぎて……!」
円谷「私、アイドルにはすごく疎いんですよ。周りに元アイドルの友達はいるんですけど、実際にライブを見たことはないんです。でも、なんか歌とかダンスとか頑張っている姿を見るのは好き。そういう意味では、今回の役が合っているのかなと思います」
工藤「ピンクレディさんや山口百恵さんなど親の世代の3次元のアイドルさんの曲もよく聴きますが、アイドルアニメの方が好きです。
2次元コンテンツのアイドルはザ・青春という感じの側面が強いなと思っていて。限られた時期しか味わえない、キラキラとした爽やかな日々をファンの皆さんと過ごす感じがいいなって。特に好きなのは、1980年代に放送されたアニメ『魔法天使クリィミーマミ』。小学生の女の子が魔法のステッキで16歳に変身して、1年間だけアイドルをするという作品なんですけど。
3次元のアイドルさんは本当に雲の上の存在だと思っている私にとって、オーディションは神になる過程に参加する気分。『ズレている』と周りから言われがちな私ですけど、今回は本気で頑張っていきたいなと思います!」
―――最後にお客様へのメッセージをお願いします!
工藤「今から私もドキドキしているんですけど、この緊迫感をファンの方と共有できる舞台作品は他にはなかなかないと思うので、ぜひ1度体験していただきたいなと思います!」
円谷「結末が決まっていないところが、見どころかなと思います。お客様もリアルタイムで参加できて、それが結末に直結するというのは、やはり生の舞台ならでは。ぜひご来場をいただいて、『観る』というよりは、参加して体感していただけたらなと思います!」
遠藤「POP☆SWEETのメンバーのみなさんもみんな初対面で、これから出会うんですけど、切磋琢磨して、カマーズ26には絶対負けないように、メンバー一同で頑張ります。ぜひその姿を見に来ていただけたら嬉しいです!」
山本「何も考えずに、楽しむ気持ちだけ持って、観に行ってください。『観劇』と言うよりは『参戦』という気持ちで来てほしいなと思います。あとはもう、カマーズ26としてめちゃめちゃべっぴんさんになりたいと思います。それも楽しみにしててください!」
草野「日本はアイドル文化が根づいていると思うので、ぜひアイドルたちを応援しに来てください。また、アイドルを育む気持ちも大切だと思っていて、ぜひお客様には誰でもいいので『推し』を見つけて帰っていただけたら、より一層楽しんでもらえると思います」
小郷「実はSEASON2の前に、中野 ポケットスクエアの4劇場で開かれる『ぽけふぇす』に参加させていただき、そこでカマーズの結成秘話を『SEASON1.5』として2023年8月29日〜9月3日に劇場HOPEで上演していました。9月10日まで、後日公開を行う期間限定公演動画をオンライン物販にて購入することもできます。SEASON2の観劇に向けてSEASON1.5も是非お見逃しなく! ポップステージという新感覚の舞台で、8月・9月と夏を一緒に楽しみましょう!!
そして、戦いにリアルを求めるSEASON2では、カマーズはカマーズでアラサーが揃っている中で、みんなプライド捨てて全力で美を追求していきますし、POP☆SWEETはPOP☆SWEETで、このコンセプトを理解して、SEASON1から受け継いで、本当のメジャーアイドルと相違無い感覚で厳しい稽古に臨んでくれています。
このエンターテイメントの見どころは、リアリティですが、そのリアリティが成り立つためには公平でなくてはいけません。推しに1票! 推しを勝たせたい! 本当にその気持ちをリスペクトしている上で、どうかお客様! 推しの子の努力を、実らせる為にもこの日はお客様として、純粋に楽しんでいただき、そして審査員として、公平な審査をしていただけますと幸いです。ぜひ一緒に新感覚を味わいましょう!」(※ペンライト持ち込み可ですが、コールは禁止となります)
(取材・文&撮影:五月女菜穂)
プロフィール
小郷拓真(こごう・たくま)
1994年3月24日生まれ、岡山県出身。24歳から舞台プロデュース・演出での活動を行い、総制作本数は20作を越える。その他、短編映画、オンライン演劇・芝居イベント、ネット番組などのプロデュース作も踏まえると70作近くに登る。俳優として舞台・ドラマ等で活動する中、並行し脚本・演出、プロデュース業と、マルチに活動を行っている。
山本侑平(やまもと・ゆうへい)
1987年9月18日生まれ、大阪府出身。舞台『弱虫ペダル』シリーズ出演など、舞台を中心に活動を行っている。昨年より演劇ユニット「ACTI☆N!」の代表として、演出も手掛ける。
草野博紀(くさの・ひろのり)
1988年2月15日生まれ、神奈川県出身。アイドルやバンドなどのさまざまな音楽活動を経て、現在は舞台を中心に俳優として活動を行っている。
円谷優希(つむらや・ゆき)
1994年6月29日生まれ、新潟県出身。2015年4月より、湘南女性写真研究会 主宰。ミス・コンテスト「ミス湘南」に出場し、フォトジェニック賞を受賞。モデル・グラビアの活動を経て、現在は松竹芸能所属。ドラマ・舞台など女優として活動している。
工藤ひなき(くどう・ひなき)
2000年2月15日生まれ、神奈川県出身。ガールズユニット「A応P」を経て、アイドルグループ「セプテントリオン」のメンバーとして活動中。声優や舞台を中心に役者としての活動も行っている。
遠藤しずか(えんどう・しずか)
1994年9月27日生まれ、福島県出身。元「MONSTER GIRLFRIEND」のメンバー。アイドルとしての活動を経て、現在は舞台を中心に女優として活動している。
公演情報
SFIDA ENTERTAINMENT
舞台『POP☆STAGE SEASON2
絶対に負けられない戦いがそこにある
POP☆SWEET VS カマーズ26
Live Stage in 新宿村LIVE』
日:2023年9月27日(水)~10月1日(日)
場:新宿村LIVE
料:S席[1~3列・グッズ付]13,000円
A席[4列目以降]7,000円(全席指定・税込)
HP:https://twitter.com/SFIDA2019
問:SFIDA ENTERTAINMENT
mail:sfida.2019.info@gmail.com