音楽界と落語界のトップランナーが奇跡のコラボレーション! 軽妙な語りで100 倍面白い『動物の謝肉祭』。でも笑いすぎには注意!?

音楽界と落語界のトップランナーが奇跡のコラボレーション! 軽妙な語りで100 倍面白い『動物の謝肉祭』。でも笑いすぎには注意!?

 日本を代表する音楽家・青島広志が落語界のカリスマ・春風亭小朝と奇跡のタッグを組んだコンサートをおこなう。

 「子供ながらにお互いの才能の片鱗を感じていた」という二人は同い年で、同じ町の同じ幼稚園・小学校に通った同級生。音楽と落語、世界は違えども、独特の感性でそれぞれの芸を高めてきた2 人が相まみえるとき、どんな化学反応がおこるのか必見の機会だ。

 「小朝さんは幼少期にヴァイオリンを習っていらして、クラシックにも造詣が深い方。同級生であっても偉人だという感覚を持っています。2008 年から何度か別のコンサートでご一緒させてもらう機会がありましたが、アクシデントが起こってもお客様を飽きさせない話芸は流石の一言。お互い稽古通りにならないのは知っていますし、私がむしろ軌道修正するぐらいですので、今回も予想を超える面白さになるはずです」

 注目は青島が指揮とピアノを受け持つサン=サーンスの名曲『動物の謝肉祭』(全曲)の第一部。小朝が入れる軽妙な話芸は思わず吹き出す面白さだ。 また“ひと足もふた足も早いニューイヤーコンサート”と題した第二部ではヨハンシュトラウス2世の喜歌劇『こうもり』序曲やワルツ『美しきドナウ』など誰もが一度は耳にしたような曲が並ぶ。他にも青島ならではの音楽秘話も必聴だ。

 「皆様が知っている曲でもだいたい8 小節ぐらいまでで、それ以外がどうなっているかを聴いて欲しいですね。許されれば曲を途中で止めてこの先はこうなっていますと解説を入れるのも面白いかもしれません」

 音楽の魅力を万人に向けて精力的に発信してきた青島だが、コロナ禍でその活動は著しく制限された。オンラインコンサートも定着しつつあるが、敢えて“生”の魅力を訴える。

 「音に包まれる臨場感はライブこそです。特に今回は日本屈指の音響と定評があるサントリー大ホール。これはいらっしゃらない手はありません。また私がチラシに似顔絵を描いた小編成のオーケストラも個性派揃いで面白いので、別にクラシックファンにならなくても、誰かのファンになって欲しいですね。今回選んだ曲は美しく面白い曲ばかりなので、気に入った曲があれば是非後から聴き直して口ずさんでください。きっと音楽の魅力を再確認できるはずですから」

(取材・文:小笠原大介 撮影:山本一人(平賀スクエア))


そろそろ寒くなり始める季節。冬に向けて準備していること、楽しみにしていることはありますか?

青島広志さん
「幾つもの新聞・雑誌への連載が終わってしまったので、次の発表場所を探し始めた。文や絵も、重要な表現手段だからである。幸いなことに、二、三の出版社が興味を示してくださった。近いうちに実現すると嬉しい。
コロナが収まってからの話だが、地球上のまだ行っていない場所に旅行したい。幼い頃に本で読んだエジプトやメソポタミアの古代文化の跡、カールズバッドやヨセミテのアメリカ国立公園、シルクロードなど。
音楽では、少女漫画で培った手法を用いた五感で体験出来る公演を目指したい。一人でも多くの方に楽しんでいただくことが、音楽家として最上の喜びなのだから。」

プロフィール

青島広志(あおしま・ひろし)
1955年東京都生まれ。東京藝術大学および大学院修士課程(作曲)を首席で修了。これまでに作曲した作品は200 曲を超える。ピアニスト・指揮者としての活動も40年を超え、最近ではコンサートやイベントのプロデュースも数多くこなしている。テレビ朝日「題名のない音楽会」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などに出演。他にもイラストや書籍執筆などの仕事も数多く手がけている。東京藝術大学講師、洗足学園音楽大学客員教授、日本現代音楽協会、作曲家協議会、東京室内歌劇場会員。

公演情報

青島広志のミュージックワンダーランド with 春風亭小朝

日:2021年11月14日(日)19:00開演(18:20開場)
場:サントリーホール 大ホール
料:S席7,800円 A席6,800円 B席5,800円
  C席4,000円(全席指定・税込)
HP:http://www.nipponartists.jp
問:日本アーティストチケットセンター
  tel.03-5305-4545(平日10:00~18:00)

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