戦時下の日中で活躍したスター・李香蘭の半生を描く 「私の表現は、この作品でひとつに繋がるはず」

 「『まりやは女優、歌手、モデル、本当はどれがやりたいの?』と聞かれてきました。でも私は、ひとつに絞らなくても全ての表現はいつかどこかで絶対ひとつに繋がるはずだと思ってきました。そして今回、この作品でひとつの形になる。と感じています」

 そう真っ直ぐ語るのは、本作が舞台初挑戦となる西内まりや。彼女が演じるのは、激動の20世紀を生き抜いた“歌う女優”李香蘭。中国で生まれ育った日本人であり、戦時中の中国と日本を熱狂させた実在の大スターだ。日中合作 音楽劇「李香蘭-花と華-」では、歌うことを心から愛する李香蘭が、祖国と母国の対立に苦悩し、その人気を戦争に利用されつつも平和を願い続けた人生を描く。

 「李香蘭さんの過去映像や資料を見ていくうちに、縁のようなものを感じました。ご両親が九州の方ということ、小さい頃から音楽が大好きで、とにかく歌が歌いたかったというところも。私も物心がついた時から歌ばかり歌っている子どもでした。それに、李香蘭さんも歌手や女優など色んなことを同時にやられているのを知って『やっぱり! 何もおかしい事じゃないんだ!』って(笑)。私はこうなりたかったのかもしれない、彼女の役は自分にとってひとつのゴールかもしれないと思えて救われたんです。彼女は国のしがらみに苦しんだあと、歌が好きという気持ちを再確認します。私も久しぶりに表舞台で歌わせていただく機会になるので、自分を重ねて演じられると思っています」

 そんな西内だが、オファーが来るまでは自分が舞台に立つことを想像すらしていなかったと言う。

 「舞台はよく観に行っていましたが、自分には到底叶わない雲の上のお仕事という印象だったんです。実は今回のお話がきた時も、最初は『舞台? ムリムリ!』というような感じで。でも、演出家・プロデューサーの良知さんからのメッセージを読ませていただいたら、これがなんとも熱いラブレターで。未知の世界に飛び込んで、自分を曝け出してボロボロになってでもチャレンジしていいのかも、と思えたんです。今はまだ初めてのことばかりで、躓いてばかりですが、間違ったことでも恥ずかしいことでもまずはやってみて、学んでいこうという気持ちでいます。李香蘭さんの想いや美しい楽曲を、1公演ずつ大切に届けていきたいと思います」

(取材・文:いつか床子 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

西内まりや(にしうち・まりや)
1993年12月24日生まれ、福岡県出身。モデル・歌手・女優。2007年にファッション雑誌「ニコラ」でモデル活動を開始。以来、第一線で活躍し数々の雑誌にて表紙を飾る。2014年には「LOVE EVOLUTION」で歌手デビューし、第56回日本レコード大賞 新人賞および最優秀新人賞、第47回日本有線大賞 新人賞を受賞。翌年からは自身で作詞・作曲も手掛けている。女優として、2008年にドラマ『正義の味方』に出演。以降『山田くんと7人の魔女』、『突然ですが、明日結婚します』などの話題作で主演を務める。現在は海外のファッションショーへの参加など、精力的に活動の幅を広げている。

衣装:Y’s/ワイズ

公演情報

日中合作 音楽劇『李香蘭-花と華-』

日:2023年1月13日(金)~22日(日)
場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
料:S席11,500円 A席8,800円(全席指定・税込)
HP:https://worldcode.co.jp/rikoran2023/
問:公式HP内(公演に関するお問い合わせ)よりお問合せください

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