新体制Noism、メンバー全員のソロをフィーチャーした新作を上演 シューベルト歌曲と一人ひとりの踊りから物語が立ち上がる

新体制Noism、メンバー全員のソロをフィーチャーした新作を上演 シューベルト歌曲と一人ひとりの踊りから物語が立ち上がる

 新潟市を拠点に国内外で活動する舞踊団NoismCompanyNiigata。今夏、国際活動部門と地域活動部門の2部門制となって再出発したNoismが、新作『DerWanderer―さすらい人』を上演する。シューベルトの歌曲から愛と死をテーマに約20曲を選び、メンバー全員にソロパートがあるという新たな趣向。出演者の中から4人に意気込みを聞いた。

井本「Noismで一人ひとりがソロを踊らせてもらうのはとても贅沢なこと。それぞれの自立した踊りがリレーのようになって、血が繋がっていく感じで物語ができるんじゃないかと楽しみにしています」

三好「1人で踊っているところはメンバー同士でも見たことがなかったので、驚きがたくさんあります。それはお客様にも面白いと感じてもらえるんじゃないでしょうか」

中尾「どの作品でも、それまでの経験で身体に入ってきたものをしっかり消化して、次に出していく。そして、それぞれの作品が単発で終わるのではなく、点と点を線で繋げるように努力する。そういう姿勢でいたいと思っています」

坪田「今回はメンバーそれぞれに向けられた曲があるので、歌詞の意味もしっかり読み込んで、自分の解釈を作り上げたいと思います。“クリエイションは勝負だ”と仰っている穣さん(金森穣/芸術総監督・演出振付)に勝てるように頑張ります」

 今までとは異なる視点で創り上げる本作。見どころや、観客に伝えたい想いとは――。

井本「コンテンポラリーダンスは難しいと敬遠する人も多いと思いますが、観れば何かを感じていただけると信じています。シューベルトの歌曲はとても美しいし、ストーリー性もあって、色々な方に楽しんでいただけると思います」

三好「私自身、この公演を通して、1人の自立した舞踊家であるということを証明したいです。Noismがそれを求めているから、というだけでなく、自分の舞踊家人生としてもそうでありたいと思っています」

中尾「僕は、演者とお客さんはフラットな関係であると考えています。なのでこれを読んでいる皆さんに呼びかけるとしたら、“ダンスに興味はありますか?”くらいの軽い感じにしたいです。ちょっとでも興味があるのであれば、ぜひお越しください」

坪田「東京の前に行う新潟公演は会場が小さなスタジオなので、一人ひとりの踊りを間近で集中して観ることができます。新潟の公演にもぜひお越しいただけたら嬉しいです」

(取材・文:西本 勲)

 

新しい1年が始まりますね! 新しいスキルを1つマスターできるなら、何を選びますか?

井本星那さん
「2023年はアクロバットに挑戦してみたいです。バク転、宙返りなどをやってみたい! というのも、その技をした時の身体感覚を身につけたいのです。新しい感覚を得ることで、踊るうえでいいアイデアになるのではないかと想っています!」

三好綾音さん
「『韓国語』
最近好きになった韓国アイドルグループのYouTube動画よく見るのですが、日本語の字幕を見ながら彼らの表情を追うのは大変なので、少しでも意味が分かればいいのになと思ったからです。あと、韓国語の音は可愛い印象があると魅力的に思ったので、気分転換に軽い気持ちで勉強してみたいです」

中尾洸太さん
「僕がマスターしたいことは睡眠です。24時間を1日として僕らは毎日その3分の1程度を睡眠に費やしてしまっています。なので僕は8時間睡眠を1時間未満に抑えられるくらいに睡眠の効率を高められたらいいなと思います」

坪田 光さん
「自分のことがすぐにわかるスキルが欲しいです。健康状態や自分の気持ちを考えなどをいち早く気付く事って難しいけどとても大事なことだと思うのでこまめに自分に問いかけていこうと思います」

プロフィール

撮影:松崎典樹

井本星那(いもと・せな)
89年、大阪府出身。4歳より大西縁バレエスクールにてバレエを始める。08年、ヴァルナ国際バレエコンクールセミファイナリスト。09年、K★バレエスタジオにてコンテンポラリーダンスを矢上香織、久留美、恵子に師事。16年よりNoism1 準メンバー、17年よりNoism1 所属。

撮影:松崎典樹

三好綾音(みよし・りお)
97年、東京都出身。4 歳よりクラシックバレエを始める。Aki Ballet Group にて宇佐見亜希、Piotr Nardelli、原田公司、中野綾子らに師事。12年~16年、Japan International Youth Ballet に所属。16年よりNoism2、18年よりNoism1 準メンバー、20年よりNoism1 所属。

撮影:松崎典樹

中尾洸太(なかお・こうた)
01年、愛媛県出身。20年、ドイツAkademie des Tanzes Mannheim 卒業。在学中にTanzstiftungBirgit Keil よりスカラシップを受ける。18年~20年、BadischesStaatstheater Karlsruhe にCorps de balletとして在籍。20年よりNoism1 所属。

撮影:松崎典樹

坪田 光(つぼた・ひかる)
99年、兵庫県出身。14歳よりくるみダンスファクトリーにてダンスを始め、コンテンポラリーモダンをケイコ・デイビスに師事。15年より安田敬子バレエスクールにて、安田敬子、山本成伸に師事。17年よりシカゴJoffrey Academy ofDance に留学。19年よりNoism2、21年よりNoism1 所属。

公演情報

Noism 『Der Wanderer―さすらい人』

日:2023年2月24日(金)~26日(日) ※他、新潟公演あり
場:世田谷パブリックシアター
料:6,000円 25歳以下3,000円※要身分証明書提示(全席指定・税込)
HP:https://noism.jp/
問:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 
  tel.025-224-7000(平日10:00~18:00/休館日除く)

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