イタリア・ルネサンスの出発点と呼ばれるダンテの『神曲』と日本の古典芸能である能と武術を融合した武楽『神曲 修羅六道』。初演、再演と回を重ねるにつれ、新しいエピソードと斬新な演出を加えて進化し、まるで新作のような新鮮な印象を与えるこの演目が、待望の再々演となる。今回、会場をIHI ステージアラウンド東京に移し、最先端の映像・音響設備と技術、そして円形の客席という刺激的な空間でさらに新しい演出が期待できる。
本作の製作総指揮・作・脚本と主演(シテ5役)を勤める、武楽座主宰の源光士郎に再演の意気込みを聞いた。
源「武楽座の15周年記念作品として上演し、自分の築いてきた武楽の本質を詰め込んだ『神曲修羅六道』が3度目の上演を迎えることを嬉しく思います。今回はヒロインのベアトリーチェ役を女優の美波さんに演じていただくことにより、これまでと違ったベクトルで、作品自体大きく飛躍するのではないかと期待しています。演劇は役者同士、役者と演出をはじめとするスタッフのせめぎ合いで進化していくものです。オーディションを経て初参加するメンバーとの稽古も猛特訓の中、いいチーム感が出来上がりつつあり、また新しい『神曲 修羅六道』をご覧いただけると思います。」
新ヒロインには女優の美波を迎える。フランス人の父と日本人の母を持ち、日本でデビュー後、現在もヨーロッパに活動拠点を持ちながら活躍する彼女が加わることにより、本作のヨーロッパ文化と日本文化の融合という魅力がより深まる予感が止まらない。さらに個性豊かな俳優陣が加わり、それぞれの持ち味を生かしつつ、チーム一体となって新しい武楽の可能性を開いていく。
そして演出は最先端の技術を駆使した効果でヨーロッパでも成功を収め、映画監督としてもカルト的評価を得る奥秀太郎。
奥「『神曲 修羅六道』でやっている日本文化とヨーロッパ文化の融合、そして最先端のテクノロジーの演出は、今最も攻めている唯一無二のエンタテインメントだと言っても過言ではないと思います。新しくベアトリーチェを演じることになった美波さんは作品自体にもしっかり考えを持ち意思表示をされる女優さんで、本物にこだわり、ヨーロッパと日本をつないでいくスタンスも持っているので、作品自体の印象もガラッと変わると思います。IHI ステージアラウンド東京という最先端の設備を備えた劇場空間で、また新しいテクノロジーを展開していきますのでご注目ください!」
(文:神田法子 撮影:山本一人(平賀スクエア))
プロフィール
源 光士郎(みなもと・こうしろう)
武楽 創始家元・武楽座 代表。2005年に「武の美」を提唱し、翌年に「武楽座」を創設。そのステージは日本のみならず、世界各国で絶賛されている。武道・日本伝統文化・現代アートなどの多彩な視点で「日本の美」と「和を貴ぶ心」を世界に発信している。
奥 秀太郎(おく・しゅうたろう)
映画監督・映像作家。劇場公開作品として『壊音』、『日雇い刑事』、『日本の裸族』など。演出作はNODA・MAP、宝塚歌劇団、大人計画から能、歌舞伎、落語と多岐に及ぶ。最新作は『VR 能 攻殻機動隊』。
公演情報
VR能『攻殻機動隊』
日:2022年11月3日(木・祝)16:30開演(16:00開場)
場:IHIステージアラウンド東京
料:S席7,800円 M席[見切れ席]3,500円(全席指定・税込)
HP:https://ghostintheshellvrnoh.com/
問:VR能 mail:contact@ghostintheshellvrnoh.com
武楽『神曲 修羅六道』
日:2022年11月5日(土)19:00開演(18:00開場)
場:IHIステージアラウンド東京
料:SS席[特典付]17,800円 S席9,800円 A席5,000円(全席指定・税込)
HP:https://bugaku.net/
問:武楽座 tel.03-4361-7778