人類を滅亡させる脅威《デストルドー》に対抗する《ガラテア》と呼ばれる生命体。女性の姿をしたそれは9人の少年によって操られる。確実な人類の勝利のために、いくつものチームが作られ競わせて確率を上げていく。そんな実験が秘密裏に行われていた……。
独特の世界観をもつ『デストルドー9』は、2019年9月にシリーズ第1作目となる『デストルドー9~絶望の9日間/希望の9日間~』の上演を皮切りに、舞台・朗読劇・ボイスドラマ・イベントと展開。新型コロナ感染症蔓延の中、ドラマCD・ボイスドラマの配信など様々な方法でファンの支持を固めてきた。まるで物語を渇望する心に感染していくかのようだ。今回、初演脚本によるリブート版の上演が決定した。もう一度原点に立ち返ることについて、主役であり物語の中心となる、束田唯を演じる新井裕士の心情は?
新井「まさか再演が実現するとは、思ってもみなかったのでとても感慨深いです。初演ではDVD収録もしていませんから。もう一度お客さんに『ただいま』が言えるのが凄く嬉しいです」
そんな予想外の再演で注目したいのが、数多くの舞台やミュージカル作品に参加し、俳優業と並行して演出やプロデュースも手掛ける菊地まさはるによる新演出だろう。そもそもどのような縁が作品への参加に繋がったのか。
菊地「脚本の渡辺さんから違う風を入れたい!という話を伺ったのがきっかけです。この作品は普段僕には縁遠いタイプの物語だけに、僕や僕のクリエイティブチームが手掛けると、違った感応が起こせるのではないかと思ったんです」
こうして新たな装いを纏うことになる『デストルドー9』。どう進化するか実に楽しみだ。
新井「菊地さんを迎えて取り組むからこそ、もはやゼロから創り上げてみたいです。新キャストも迎え、劇場も変わるといった新たな環境ですし、僕自身も3年前とは変化があると思います。だからこそのゼロから、ですね。菊地さんと創り上げていくことが楽しみです」
菊地「今まで応援してくれていた皆さんには、オリジナルストーリーだからこそある正解や不正解を、劇場で観て、確かめて欲しいです。そんな皆さんの想い馳せる世界をも超えていける作品にしたいです。もちろん、初見のお客様にもお楽しみいただけるように。新たなキャスト、初演メンバー共々、千秋楽まで誰も欠けることなく成し遂げ、演出家として熱いものをお届けします。そして更なる新たな工夫も考えているので、ぜひお楽しみに」
(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)
新井裕士さん
「無理しないことですね! 自分のキャパシティや体調を過信しないこと。根をあげられるならすぐに根をあげること。バテたら元も子もないです! それが結果的に人に迷惑をかけず、自分も健康で、結果的に健全な現場になっていく気がしています」
菊地まさはるさん
「それは、お肌を焼かないことです。日焼け止めを塗り、長袖を羽織り、目から入る紫外線をシャットアウト! これが夏を乗り切るコツ。肌荒れの回復などに栄養を取られないのでは……と思っています(笑)。しかし! 今年は思い切って肌を露出させております。日焼けをしないことが本当に夏バテ予防となるのか? 結果は来年の菊地に聞いてください(笑)」
プロフィール
新井裕士(あらい・ゆうじ)
2月18日生まれ、東京都出身。LUCKUP所属。高校時代に映画研究部に所属して芝居を始める。その後舞台を中心にドラマ・映画等にも出演。現在も精力的に活動中。主な出演作は、舞台『リバーシブルリバー』、『蝶々結び』など。
菊地まさはる(きくち・まさはる)
11月22日生まれ、埼玉県出身。高校時代の恩師、二期会会員・峰茂樹氏との出会いをきっかけに舞台芸術の世界へ。大学在学中から全国巡回公演、ストレートプレイ、歌劇作品への出演を経て、2001年から本格的にミュージカル作品に出演。ミュージカル『トラブルショー』、『ルドルフの魔法』で主演を務めたほか、『ミス・サイゴン』、『レ・ミゼラブル』など多くの作品に出演。さらに演出家・歌手としても活動している。
公演情報
舞台『デストルドー9 ~絶望と希望の9日間~』
日:2022年9月22日(木)~25日(日) 場:IMAホール
料:S席[非売品ブロマイド付]9,000円 A席6,500円 B席4,000円(全席指定・税込)
HP:https://destrudo9.com/9days2022/
問:デストルドー9製作委員会・制作部 mail:destrudo9.2019@gmail.com