エンターテイメント演劇で魅了してきた彼らが勢揃い！　ブルーシャトルプロデュース（BSP）10周年記念イベント開催！

　ブルーシャトルに所属する役者と母体となる劇団ひまわりに所属する役者たちを中心に、2012年より活動開始したBSP（ブルーシャトルプロデュース）が今年10周年を迎え、それを記念してこの夏アニバーサリーイベントを開催する。田渕法明と松田岳は、司会進行役としては初タッグ。それぞれの想いを聞いた。

ひとつひとつの公演に向き合ってきた10年

　BSPは、歴史の1ページに生きた男たちの物語を、磨きこまれたダンスとアクションで構成、エンターテイメント演劇として上演を重ね、多くのファンに支持されてきました。

―――10周年と聞いて、どんなことを思いますか？

松田「僕は10周年を目指して活動してきた感覚がなくて、BSPでは1公演1公演に向き合って作品作りをしてきたので、長期的な未来に向かってやるというよりも1公演を大事に行ってきた結果、それが積み重なって10年経ったんだな、という想いですね」

田渕「ブルーシャトルプロデュースは、公演ごとに俳優を集めるコンセプトでやらせて頂いていたので、自分はたまたまたくさんの作品に出演しましたが、“10年後にこういう団体になっておこうね”とか、“BSPとはこういう理想の団体であるべきだ”みたいなものは全く話していないんです。作品が決まりそれを僕達が受け取って集中してやっていくスタイルを取っていたので、ここまで来たというよりは、10年が過ぎてたくさんの作品ができたね、良かったね！というイメージで。これからもそれぞれの活動としてまたBSPの作品で集まれたらいいなという感覚ですね」

―――イベントの公式サイトには過去作のロゴが散りばめられています。色々な挑戦もあったかと思いますが、振り返って印象深い公演や覚えている出来事など教えてください。

松田「やはり初演の『ゼロ』が印象深いですね。舞台セットを組まずに身体表現だけで背景までも役者が表現しました。いろんな作品を思い出してみても『ゼロ』のロゴを見ると、“ここから始まったんだな”と思います。身体表現は役者が持っているべき大事な基本の部分なので、他の作品をやっていても『ゼロ』は大切な作品だったなって思います。ただもう暑くて大量の汗をかいていた記憶が（笑）あの汗を越える作品はなかなか無いです」

田渕「1番大変だった作品として語られるのはやっぱり『ゼロ』ですね。本当にひたすら突き詰めようという想いでやった作品でした。ただ自分自身あまり過去の記憶を残さないタイプで、みんなが喋っていることを聞いて、そんな事があったなぁと思い返すタイプ、実はよく覚えていないという。よく話題になるのは何？」

松田「うーん……苦々しかったのは……」

田渕「楽しいのでいこう」

松田「（笑）。BSPは稽古をすごく細かいところまでやるので、自分の役割はもちろんありますが他の人の役割も覚えていたりするんですよね。だから本番中にミスに限らず誰かがいつもと違うことをするとすぐわかっちゃうんです。それは日常茶飯時にあって、何が起こっても対応できるんです。
　そういえばある方が小道具を落として、終演後に泣きながら反省していたことがありましたね」

田渕「泣く人もいればシレっとしている人もいて、それがBSPらしさだなって。昔があるからこそ積み重ねてきた経験があるので、今は小さなミスがあったとしてもそれは仕方が無いと進んでいけるのは、大人になったのかな。
　……そうそう！今思い出したことで、あるビジュアル撮影の時に誰かのお誕生日でケーキが出てきて、そのケーキを僕は食べていないのに岳くんは2ピース食べていた！」

松田「嘘やん！　そんなことあった？」

田渕「2ピース食べたのは松田くんと田中くん（笑）」

松田「ぜんっぜん覚えてないけど、あーーーやってそう」

田渕「撮影終わったらもう無くて……食べた方は忘れてるもんだよね（笑）」

ファンの皆さんの名称を決定

―――そんなことを経て、今回は2日間のイベントです。どんなイベントになりそうですか？

田渕「今回2日間もやらせていただけて嬉しいです！　今回司会という立場で携わりますので、内容に関しては直前に知ると思います。
　むしろお客様と同じ立場でこのイベントを迎えることができるのでめちゃくちゃ楽しみですね。テーマとか決めてるの？」

松田「（6月末の取材時）軽く打ち合わせはありましたね。昔はよく公演後に感謝祭的なイベントを何度かやらせていただいていて、最近なかなかできない状況でしたので、お祭り騒ぎと言いますか、感謝とお客様を楽しませたい気持ちはもちろんですが、個人的な想いとして僕は褒めてもらいたいしご褒美が欲しくて。BSPのみんなにもご褒美をあげたい」

田渕「え？そういう企画提案をしたということ？」

松田「そう、まずはそれを伝えました」

田渕「え？例えば豪華商品争奪戦クイズ大会とか？　ちょっと待って！　それ司会者は参加できないよね、あれ、どういうこと？」

一同「（笑）」

松田「あはは！　あとは作品振り返りコーナーで、それぞれ話して頂いたり、歌のコーナーもできたらと。客席と一緒になって大騒ぎしたいですね。BSPのファンクラブサイトでいろんなムービーを公開しているのですが、その企画の中でファンの皆さんの呼び名を募集していまして」

田渕「色んな案が出ていて、このイベントで決定します。これはひとつの見どころですね。今出ている案が、“青い人と書いてあおんちゅ”、BSPだから“ビューティフル・スーパー・ピープル”とか、みんなそれぞれ提案していまして。ファンクラブ自体できてから数年なので、これも考えたら大きな嬉しい出来事のひとつですね。名称が決まるとまた一体感が生まれそうで楽しみです」

松田「“あおんちゅ”って言ったら“あいにーじゅ”って、コール＆レスポンスとか考えてます」

―――ほかにも今言えることで、やりたいと思っている企画や考えているコーナーがあれば教えてください。

松田「まだ僕の中の企画ですが、イベントのみにしか登場しない、僕がとても大事にしているキャラクターがありまして、その彼を登場させたいと提案しているところです。おそらくBSPの初期を知っている方は覚えてくださっているのではないかと」

田渕「大丈夫？　事件が起きるんだよね？　松田シンイチ君という、見かけは子供の某探偵をパロディにしたキャラで。以前のイベントで、ゲーム中に急に殺人事件が起きてしまうという流れでお芝居が始まる企画がありまして、岳くんが誰かに襲われてしまうという物語で、その時にやってきて事件を解決したのが松田シンイチ君」

松田「幻のキャラで初めて会う方もいらっしゃるかもしれません」

田渕「ただシンイチ君が本当に出てくるのかはわからないけどね」

一同「（笑）」

田渕「僕は今回司会に専念しようと思っているので、司会としてお客様をより盛り上げていけたらと思っています。みんなが思う10周年の結晶が詰まっていると思うので、どんな形になるのか見届けたいです」

2ショット撮影からエモかった！

―――司会としては2人とも過去に経験はされていらっしゃいますね。

田渕「岳くんが進行した秋のトークイベントの時、すごくあたたかいイベントになったので、イベントは司会の人柄が出るなって思いました。僕は2回くらいやったかな。実は岳くんと司会でタッグを組むのは今回が初めてなんです」

松田「この2人は作品で絡むことが多かったので、お客様にはエモいなって思ってもらえるかも」

田渕「最初の『ゼロ』が親友役でそれからいくつかあって、最近『応仁の乱』では夫婦役、それが近い役としては久しぶりで、最初からBSPにいる2人の司会進行は感慨深いね」

松田「（インタビュー前の）2ショット撮影からエモかったです！」

田渕「もちろん新しくファンになった方もいらっしゃると思うので、積み重ねた10年を知っていただく機会になったらと思いますね」

松田「そうですね、あと弟の松田大輝と共演ができることも楽しみです」

―――共演といえばゲストとして、鐘ヶ江洸さん、新井將さん、海老澤健次さんの出演が決まっており貴重です。

田渕「遊びに来てくれるので嬉しいです。ただゲストという感覚ではなくて（笑）。とにかくイベントができることが1番嬉しくて、お客様より僕たちのテンションの方が上がっていますね」

松田「僕は20歳で役者を初めて、ここまでやってこられた感謝の気持ちを伝えたいので、そういう意味では特別なイベントになると思います。次の10年に向けて新しいBSPになりそうな予感もしていまして、僕自身20代最後の年です。ひとつの区切りとしてもお客様と一緒に楽しく節目を味わえたら」

田渕「司会という立場ですが、皆さんと一緒にワイワイできたらと思っております。夏祭りを楽しみましょう！」

（取材・文＆撮影：谷中理音）

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