迫力満点のダンス、誰もが口ずさみたくなるメロディ!! 心と身体がリズムを刻り、どしゃぶりの雨の中を歌い踊り、劇場がハッピーになるミュージカル!! 今作でドン・ロックウッドを演じるのが最後だというアダム・クーパーに話を聞いた。
ーーー 全世界が見舞われたこのパンデミックの中、非常に厳しい日々を過ごされたと思います。そして1年半ぶりにやっと、稽古が始まりましたが、今のお気持ちはいかがでしょうか?
「一番強く感じているのは、ワクワクしているのとホッとしているという感情です。実際に上演するということで、すべてが不確実な1年を過ごした後ですから、もしもコロナ前のスケジュール通りでしたら僕達は既に日本での公演を終えていたはずなんです。なのにあらゆるものがキャンセルされたり延期されたりしてきました。確実なものは何もないように感じられました。ですから皆と一緒に実際に稽古場にいる、実際に作品を上演する、ということにとてもホッとしています。沢山の感情が湧いてきます、だって僕たち全員が自分が愛することを出来るわけですから。
それにこの作品は喜びと愛に溢れているので、コロナ後にぴったりです。人々が今求めている作品の様に感じます、誰もが、気分が明るくなり自分の人生や生活へのインスピレーションを再び得られる様な作品を必要としていると思います、そしてこの作品はそれを与えてくれます。本当に、稽古場に戻って来られて、ただただとてもハッピーです」
ーーー この1年半、舞台に立てない状況というのはアダムさんにとってどんな時間だったのでしょうか?
「そうですね、それはいつも大変です、特に戻ってきてすぐにこのような作品が待っている時は。この作品は多くのものを求めてきます、芝居も、歌も、踊りも。特に踊りはとても大変なので、稽古前までに自分のコンディションを最高の状態にしておく必要があります。なので僕たち全員、コンディションを整え続けるのはとても大変でした。稽古の1週目には皆が、今回はいつもより大変だ、と言っていました。単純にいつもしてきた事を出来ない状態がずっと続いたからです。
ですが個人的には、この1年半、僕は休まずトレーニングを続けてきました。この作品を何度も経験したので、この作品に出演するためにはそれなりの体づくりをしておかなくてはならない、と分かっていましたから。ですから気をつけながらトレーニングを続け、今は準備万端だと感じています。ですが、ずっと何も出来ない状況が続いた後で、この作品をやるのはそれでも大変です。でも出来るというのは本当に素晴らしいことです」
ーーー イギリスはワクチン接種が順調に進み、ほぼ日常を取り戻しつつあります。おそらく皆さんのお気持ちも上昇しているのではと思います。そして稽古場にカンパニーメンバーが集まり稽古が始まりました。1年半ぶりに稽古場での稽古はいかがですか?
「不思議な感覚ですが、イギリスではワクチン接種が順調に進んでいて、人々も少し過ごしやすく感じ始めています。でもまだコロナに対する恐怖はかなり残っているとは思います。ですから僕たちもとても、とても、とても気をつけながら稽古をしています。今までに誰も経験したことのない、ユニークな稽古になっています。それでも全員がここに、稽古場にいます。他の作品の多くがズーム稽古をしたと聞いています(どうやったらそれが可能なのか分かりませんが)。とてもハッピーな気持ちとワクワクする気持ちと両方感じています。でも同時に安全でいられる様とても気をつけていますし、通常とはとても違った状況でもあります。
この通常とは違う状況の中でも自分たちの仕事が出来ているのは嬉しいことです。稽古ができる、上演出来るというのは本当に素晴らしいです」
ーーー 「雨に唄えば」のロンドンでの公演は2013年以来でしょうか?
「最後のロンドン公演は2013年でした。5月か6月が千穐楽だったと思います。ですから最後のロンドン公演は8年前ですね。なのでまた上演できることは本当に楽しみです。もちろん子供たちは8年前のロンドン公演も観にきましたが、小さすぎてあまり覚えていないんです。なので今回子供たちに観てもらえるのもとても嬉しいです、もちろん家族全員ですが、特に子供たちがお父さんがどんなことをしているかを観るチャンスがあるのがとてもワクワクします。
子供たちはユーチューブの動画(作品の一部だけの動画が上がっていて)をいくつか観たことはありますが、作品全部のことは覚えていないのです、だから子供たちが今回最初から最後まで通して観られるのが嬉しいです」
ーーー 新しいカンパニーの雰囲気はいかがですか?
「皆とにかくワクワクしています。東京に行くのをとても楽しみにしていると思います。東京は多くのイギリス人が行きたいけれど中々行くチャンスがない場所の一つなんです。なので訪日出来ることをとても楽しみにしていると思います。キャシー・セルドン役のシャーロット(・グーチ)は『トップ・ハット』の公演で日本に行ったことがあるので日本のことを知っています。もちろんロバート(・スコット(音楽監督))と僕はまた日本を訪れるのが待ちきれません。長い間待ちましたら。長すぎです! 最後に行ってから4年が経っているなんて! ですから、また戻れるのがとても楽しみです」
ーーー 来年の公演は4年半ぶりの日本公演となります。東京公演に期待していること、お客様に期待していることはありますか?
「この作品に2回、それに他にも日本で沢山の作品出演した経験があるので、日本のお客様がこの作品をまたとても気に入って下さるというのは分かっています。既にソーシャルメディアを通してファンから『日本に是非来て下さい!』というメッセージを沢山受け取っています。この作品の再演へのお客様の期待が大きいのを感じますが、それは僕にとっても同じです。これまで日本での公演の度に日本のお客様からとても素晴らしい反応を頂いてきたので、日本での経験は本当に特別だと感じているからです。
そして今回は世界中の誰もが同じ経験してきた状況があるので、今までよりも更に素晴らしいものになると思っています。お客様とカンパニーの間で、今までに無かった様な本当の”喜び”の感覚 ー ついに通常の生活に戻れた、ついにまた何かを祝福していい時が戻ってきたという ー を共有できるのではないかと、誰もがそれを必要としているのではないかと思っています。とにかく僕は日本のお客様は本当に素晴らしいと思っているので、また日本に行くのが本当に待ちきれません。あと半年も待たなきゃいけないなんてつらいです。とても楽しみです!」
プロフィール
アダム・クーパー
1971年7月22生まれ、イギリス・ロンドン出身。 1989年、ローザンヌ国際バレエコンクールに出場。プロフェッショナル・レベル賞を受賞し、注目を集める。同年ロイヤル・バレエ団に入団。1994年から1997年にわたり、プリンシパルを務める。ロイヤル・バレエ団在籍中の1995年に、マシュー・ボーン演出による、男性ダンサーを中心にした新解釈の『白鳥の湖』で主演を務め、大きな反響を得る。
イギリスを代表するトップダンサーの一人であり、現在は俳優・振付師としても活躍中。
公演情報
ミュージカル『SINGIN’IN THE RAIN〜雨に唄えば〜』
日:2022年1月22日(土)~2月13日(日)
場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F)
料:ハッピーレインシート20,000円
※前方5列目まで/特典付
S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円
U25[25歳以下]6,000円 ※当日引換
(全席指定・税込)
HP:https://singinintherain.jp/
問:チケットぴあインフォメーション
tel. 0570-02-9111 (オペレータ10:00~18:00)