「ENGで再演してほしい舞台」1位獲得 結婚式場を舞台にした人気コメディが再び!

「ENGで再演してほしい舞台」1位獲得 結婚式場を舞台にした人気コメディが再び!

 DMFの所属役者である佐藤修幸のプロデュースユニットENGが、2018年に上演された人気作『ロスト花婿』を再演する。企画演劇集団ボクラ団義主宰・久保田唱が脚本と演出を手がけた、結婚式場を舞台にしたコメディ。数あるENG作品の中でも「再演してほしい舞台1位」に選ばれたという。久保田のほか、新郎新婦を演じる五十嵐啓輔、森岡悠、初演に出演していた水崎綾に作品の見どころや、ENGの魅力を語ってもらった。

―――再演となりますが、大きく書き直す予定はありますか?

久保田「初演に出ていた人や初演を観た人から『書き直すんですか?』とよく聞かれて、なぜそんなに聞かれるのかなと思っていたら、初演のときの台本には“なんかやる”とか、漠然としたト書きがあって。“そのまま再演の出演者にも同じことをやらせるのですか?”という意味で聞かれていました(笑)
 大きく書き直すというよりは、作品をつくっていく中で、より面白くなりそうだなと感じる部分があったら、細かく修正をしていくイメージです」

―――久保田さんにとってはこの『ロスト花婿』はどんな作品なのでしょうか?

久保田「いろいろなタイプのお芝居をつくらせていただく中で、そんなに数が多いわけではないのですが、僕はワンシチュエーションもの―――舞台が固定されていて、そこで起こることを描く舞台が好きなんです。
 そのなかでも『ロスト花婿』は同じ場所で起こっているんだけど、同じ場所にいる人全員がその状況を知っているわけではない。シチュエーションの面白さがあるんですよね。最初から“これも詰め込もう“、“あれも詰め込もう“という感じでつくったわけではないんですが、結果、歌やダンスなどいろいろな魅力あふれる作品になりました。
 観てくださった方が楽しんでくださったという実感もありましたし、観られなかったお客様も生で観てみたいと仰ってくださっている。すごく光栄なことです。それを今回、新たなメンバーでつくるのはプレッシャーもありますが、丁寧につくりあげていきたいですね。
 初演が面白かった記憶って、どんどん美化されていくじゃないですか(笑)。でもそれを僕らは言い訳にできないのでね」

―――改めて、出演にあたってのお気持ちを教えてください。

水崎「私は初演に出演していました。初演から時間をおいて、全く同じ役で舞台に立つ経験は初めてです。前回から年齢を重ねている分、どういった違いがでるのか、自分でも未知数のところがありますが、前回観てくださったファンの方も自分自身も楽しみながら、新しい『ロスト花婿』をつくりあげられたらいいなと思います。本当にファンの間では『めちゃくちゃ楽しかった』と評判がよかったんですよ。また観たいという声もたくさん聞いたので、今回、再び出演できて光栄です」

五十嵐「僕は4年前の初演を劇場で観せていただいて、その年の一番好きな舞台だったんですよ。本当に面白くて! 舞台の演劇のいいところが詰まっていて、派手だし、衣装も舞台も音楽もダンスもお笑いも素晴らしいし、最後、しっかり感動できる。
 何より主演だった添田(翔太)くんと栗生(みな)ちゃんが本当にすごかった。最後のヘアメイクのシーンが印象的で、それだけでご飯5杯はいけますね(笑)。その分、今回オファーをいただいたときに、プレッシャーはすごくありました。添田くんのまっすぐさや人の良さが出ていた役を、ちょっとひねくれている僕がどう演じるのか。本番までにはまっすぐな男になりたいと思います(笑)」

森岡「私は2018年のときは、ENGと出会えていなかったんですよ。2019年に出会って、ENGの過去作品として、『ロスト花婿』のDVDを(プロデューサーの)ノブさん(佐藤修幸)からいただいたんです。数ある作品の中から、この作品を選んだということはきっと代表的な作品なんだろうなと思って。観させていただいたら、本当に面白かったです。
 今回、まさかお声がけいただけるとは。嬉しかったですし、情報解禁されたときの皆さんの反応がすごくて。改めてたくさんの方に愛されている作品なんだなと実感して、私も背筋がピンとしました(笑)。個人的には、ついに結婚する役をいただいたので、そんな年齢になったのかと思いました。今年26歳なんですけど、周りが結婚ラッシュなので、そういう状況も役をつくるうえでは生かせそうです。楽しみたいと思います」

―――初演のときはどんな稽古場の雰囲気だったのですか?

水崎「稽古の段階からたくさんの関係者が通し稽古を観に来てくださって、面白かったと言ってくださっていた印象で、私たちも自信が持てていましたね。何より作品自体がハッピーなので、稽古中も苦しいことがなかったというのか、幸せな気持ちで稽古ができていました」

―――ENGの魅力を聞かせてください。

五十嵐「変な言い方をすると、“演劇ばか”しか集まっていないんですよ。何回か出させてもらっているんですけど、それがすごく居心地よくて。“ここでいいや”と思う人がいないんです。もっとできるじゃないかと、毎回誰かしら何かしら超えてくるんですよね。だから、また呼んでもらえるのはすごく嬉しいです。
 何よりプロデューサーのノブさんの優しい人柄が出ている団体。自然と一致団結してしまう団体だなぁと思います」

森岡「魔法っぽい力があるなって思っていて。出演しているときも私自身感じることですし、観に来てくださっている方もその魔法を感じ取ってくださるのか、あまり舞台を観たことがない友達をENGの舞台に誘うと、百発百中で舞台を好きになってもらえるんですよ。
 今回のキャストにいる櫻井紗季ちゃんは、実は私の同級生で、仲がいい友達なんですね。『悠が頑張っている姿を観に行きたい』と言ってくれて、私が最初にENGに出た『LAST SMILE』を観てくれて、なんじゃこりゃー!と感動してくれて。それから自分もENGに出たいということで、今回念願の共演ができることになったんです。ファンの方からの期待値も高いですし、また魔法の世界で頑張ろうと思います」

水崎「そうですね。ENGに出ると言っただけで、家族やファンからは『楽しみにしているね』という声をいただいて、それだけ信頼がある団体なんだなと思っています。それは、それまで楽しい作品や素晴らしい作品を届けてきたENGだからこそですよね。
 前回の『ロスト花婿』のときに、お客さんが“参列しにいきます“というワードを使ってくださったり、ファンレターを御祝儀袋に入れてくださったり、イベントを“二次会“と呼んだり、ファンの人たちと一緒にこの作品をつくり上げていった記憶があります。みんなでつくる感覚が強い団体なので、今回も楽しみを見つけながらつくれたらと思います」

久保田「すごくお客さんから愛されている団体ですよね。それはなかなか簡単なことじゃないですし、すごいことだと思います。僕も何作品かつくらせていただいていますが、ENGの作品の中で、他の作家の方とちょっと毛色が違うんですよね(笑)。ENGといえば、殺陣やアクションのイメージがあるじゃないですか。でも僕はシチュエーションコメディが多くて、ちょっと不安になる部分はあるんですけど、この作品はダンスや歌もありますし、楽しんでいただけたら」

―――最後にファンの皆さまに一言お願いします!

水崎「前回観てくださった方も、初めて観てくださった方も新鮮な気持ちでこの作品を楽しんでいただけるように、新しい『ロスト花婿』をつくりたいと思います。何より幸せな気持ちで帰っていただけるように、私たちも精一杯頑張るので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです」

五十嵐「ENGの再演してほしい舞台1位という作品で、もちろん期待値も高いし、プレッシャーもあるんですが、あまり気負わずに、相方の悠ちゃん、小悪魔の綾ちゃんを信じて、仲間のみんなを信じて、みんなで楽しいものをつくって。観てよかったなというものをつくりますので、ぜひ劇場に“参列”していただけたらなと思います」

森岡「観てくださった皆さんが幸せな気持ちになる作品にしなければいけないと思っています。それこそ結婚願望がない人が結婚したいなと思ってくれたら嬉しいですよね。個人的には周りが結婚ブームですし、自分の年齢も考えると、今しかお届けできないものがあると思いますし、このメンバーだからこそできることもあると思うので、ぜひ“参列”してください!」

久保田「キャッチコピーは“それでもこれから一生、一緒に居たいと望めますか?”という感じになっていますが、作品としてはすごくハッピーな作品だと思います。恋愛や結婚は普遍的なテーマで、全世界の人がいろいろなことに共通して悩んで、喜びがあること。登場人物の何人かに共感していただきながら、幸せな気持ちになっていただけたらと思います。楽しい作品をつくりますので、何卒楽しみにしていただけたら」

(取材・文&撮影:五月女菜穂)

プロフィール

五十嵐啓輔(いがらし・けいすけ)
1987年7月15日生まれ、群馬県出身。近作に、『世界は僕のCUBEで造られる・2022』 、『Zoo-Z the STAGE -コンクリート・ジャングル-』、『IdentityⅤ STAGE』Episode2 Double Downなど。自身の主催するイベントで自作のコントを披露したり、小説アプリ内で短編ストーリーを書くなど、執筆活動にも幅を広げている。

森岡 悠(もりおか・ゆう)
1996年7月9日生まれ、福岡県出身。女性アイドルグループ『GEM』の元メンバー(2018年解散)。その後は女優として活動。近作に企画演劇集団ボクラ団義 暫定最終公演『耳があるなら蒼に聞け〜龍馬と十四人の志士〜』など。

水崎 綾(みずさき・あや)
1987年12月10日生まれ、千葉県出身。サンスポアイドルリポーターSIR2期生。近作に『只今、絶賛仕込み中!?』など。

久保田 唱(くぼた・しょう)
1984年12月6日生まれ、長野県出身。2007年、企画演劇集団ボクラ団義を立ち上げる。劇団代表として全作品の作・演出を手がけるほか、外部公演でもその才能を発揮。ENGでは『THRee’S』(2015年)で脚本を、『関ヶ原で一人』(同)と『バックトゥ・ザ・舞台袖』(2016年)で脚本&演出を手がける。

公演情報

E N G 第1 5 回公演 ロスト花婿

日:2022年6月8日(水) ~12日(日)
場:六行会ホール
料:6,500円(全席指定・税込)
※他、サポートチケット・配信チケットあり。
 詳細は団体HPにて
HP:https://eng-age.site/june_bride/
問:ENG-AGE
  mail:dear.eng.info@gmail.com

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