当ページでは、The Stone Age ブライアント『あの怪物の名は太陽の塔』
カンフェティ限定!特別インタビューvol.1をお送りします!
全3回連載で、公演への意気込みや舞台裏などをお伝えしてまいります。
このインタビューだけの内容ですので、ぜひお楽しみください。
主宰(脚本・演出)・鮒田直也さん
出演・綾田將一さん、石松千明さん、末廣和也さん にお話を伺いました!
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――今回は3年ぶりの自主公演となります。意気込みを教えてください。
鮒田「いつもと変わらないんですけど、変わっているところがあるとすれば二十何年、(芝居を)やってきて初めて演出助手をつけての公演となることと、制作の方たちに非常に支えてもらえていて、作品としてもいつもの自分一人の感覚だけでなくて、色々と掛け算ができて広がりを見せてくれるのではないかと、そういう予感を感じています。いつもより、台本以外の準備の部分を整えていただいてる中で初稽古を迎えられるということを自分自身、楽しみにしています」
末廣「The Stone Ageブライアントへは3年前の前回公演以降、サンモールスタジオの企画(『Crime』シリーズ:複数劇団による短・中編公演)などの短編に続けて出演させてもらってきました。短編で濃縮された作品をお見せしてきた中で、お客さんからもう少し(長い芝居を)観たかったとの声もいただいており、その声、期待を外さないようにしないとな、と思っています」
綾田「このコロナ禍になって何が減ったと言えば『新しい出会いが減った』ということが一番大きな変化、損失だと思っていて、そんな中で初めましての団体さん、初めましての人たち、共演者のなかで仕事ができるのが単純に嬉しいことだなと思っていて、この出会いを楽しみ尽くそうという意気込みでおります」
石松「私も初めてThe Stone Ageブライアントさんの公演に関わらせていただくことになり、共演する方たちが先輩方ばかりで緊張もしているんですが、思い切りよく飛び込んでゆけたらいいなと思っています」
――今回、鮒田さんが『命の選別』という題材を選ばれた理由を教えてください。
鮒田「以前から出生前診断の話を書きたいと思っていて、50年ほど前の数年間、いくつかの地方自治体で行われていた 『不幸な子どもの生まれない運動』などのことも調べており、自分の中でずっと沈殿していたのですが、それが明確に浮かび上がってきたのが2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件。
その犯人の『意思疎通のできない人間は生きる価値がない』という主張の言葉が気になりました。難しい題材ですが『人の善意』『善意の行方』についてなら書けるかもしれないと思いました。
50年前の『不幸な子どもの生まれない運動』も善意から。
一方で、仕事ではあるけれど障害者を見守っている施設の職員も善意なくしては成り立たないように思うのです。色々な善意の形があって、現在にも繋がっているそれぞれの善意の行方はどうなっているのかを描きたい。The Stone Ageブライアントの方針として『現実社会を舞台に日々溜め込んだ人間の“マグマの行方”を追求しています』という言葉を使っているのですが、それに即するとするならば僕はきっと『善意の行方』を書きたい、追求する物語を書こうと思っています。こっちが良い悪いという偏った物語ではなく」
――そんな脚本を実際に読んでみて感じた、作品の印象を教えてください。
末廣「善意の行方という言葉がやはり気になっています。演じる役が思っている主張、その人物が思っている正論、それが間違っているか正しいかはわからないけれど、それにどう寄り添うか。大変な題材を扱っているので各々が思っている善意、思いがあると思うので。それを大事にみんなでぶつかってゆきたいです」
綾田「とにかくシチュエーションが魅力だと思いました。時、場所の選択が魅力的だと思います。太陽の塔が見える場所であったり、それが建った時代だったり。お客様が見れない風景を僕らが背負って、僕らを通して見せられたらと」
石松「ハンデキャップを持ったお姉さんがいるという役。両親は覚悟をもって育てていると思いますが、妹は突然準備なく妹としてそういう家庭環境に生まれてくる。それってすごく難しいことだなと思っていて」
鮒田「そうですね。妹として突然背負わされる環境。彼女なりの苦悩もあって、どういった未来像を描くか。離れて暮らしている原因も妹から」
石松「複雑な白黒つけられない思いを抱えているその役と、一緒に考えていけたらと思っています」
綾田「兄妹は最初の他人て言いますものね」
末廣「ある意味では兄妹の方が切実かも」
――鮒田さんが脚本を担当された舞台に多くご出演なさっている末廣さんですが、鮒田さん脚本の魅力とは何でしょうか。
末廣「役者の個々の魅力を引き出してくれる。そういう脚本。今回の題材のようなもしかしたら批判をされてしまうのでは?という作品でも、おかしなことにはならない。おかしなところへはいかない。愛情がある。もしかしたらそんなに早くに台本はできないかもしれないけど(笑)。(共演者にもお客様にも)安心して楽しみにしてください」
鮒田「ありがとうございます」
――このインタビューは、カンフェティ限定となります!そこで、ここだけの情報やメッセージなどございましたらお願いします。
鮒田「太陽の塔は出てきません。岡本太郎の話ではありません。あ、劇場前の蕎麦屋(『そば処 更科』)のラーメンが絶品です」
末廣「近くの『小諸そば』も美味しい」
プロフィール
・鮒田直也
大阪シナリオ学校で戯曲・シナリオを学ぶ。
1998 年 8 月、大阪で The Stone Age を旗揚げ。主宰・作/演出。
一見奇妙に見える場所設定(球場の外野席、ショッカーのアジト、四次元の女学校、山の頂上にある見世物小屋、この世とあの世の境目など)の一幕劇が得意です。
作風は異世界が舞台のオモロ儚い作品から、最近は現実社会を舞台にした緊張感ある作品へと変化中。
・綾田將一
俳優。早稲田大学在学中に演劇活動を開始。reset-Nを経てフリー。
劇団桃唄309やTheatre Company shelfなど国内の劇団に客演するほか、青年団国際演劇交流プロジェクト『交換』、シンガポールのThe Necessary Stageによる『モバイル2: フラット・シティーズ』、燐光群『カウラの班長会議 side A』、ふじのくに⇄せかい演劇祭『野外劇 三文オペラ』など、多くの国際共同制作にも取り組む。
terraceディレクターとして、教育現場を中心に国内外でワークショップも行う。
・石松千明
25歳、舞台を中心にフリーで活動中。
【主な舞台出演】劇団ラチェットレンチ「ラクゴ萌エ」主演・LIVEDOG GIRLS「女優たちのための冬の 夜の夢」・Sky Theater PROJECT「朗読公演 さようならファーストエイジ」主演・Piece Box「かもめ」ヒロイン・ニーナ役 ほか
【主な映像】映像制作 UMASHIKA 多数・「映画かよ。」第8話
・末廣和也
1972年1月26日生 B型 。東京都調布市出身。
旅と酒をこよなく愛する役者。劇作家、演出家の鮒田直也の脚本、演出に共鳴して数々の作品に出演。今作で13作目の出演となる。
【主な舞台出演】「月が大きく見えた日」、「サンモールスタジオプロデュース Crimeシリーズ三部作」/作演出 鮒田直也「アンティゴネの夏」/作演出 藤原稔三
【主な映像出演】″Chichi no Ko”「父の娘」 Lucerne International Film Festival, Showcase 2011(Switzerland) 父親役 MV「アジアの純真 Ami Yumi Emi Ver.」/PUFFY 「Fate Seeker」/m.o.v.e 「Always」/西野カナ
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次回は10月8日(金)公開予定!
どうぞお楽しみに。