保坂萌主宰・ムシラセ新作『煙の汽水域』開幕!ゲネプロ写真&レポート公開!

写真・塚田史香

保坂萌が主宰する演劇プロデュースユニット・ムシラセの新作公演『煙の汽水域』が、2026年7月11日(土)、下北沢・小劇場B1にて初日を迎えた。

本作は、20歳、35歳、50歳という人生の潮目に立つひとりの男を軸に、彼の人生に登場する3人の女性と、親友との30年を描く3人芝居。主人公・誠吾を阿岐之将一、親友役を池岡亮介、そして誠吾の母・恋人・愛人の3役を異儀田夏葉が演じる。

開幕に先立ち、前日に実施したゲネプロ舞台写真、レポートが到着した。

◆あらすじ

20歳。
父が死んだ。葬式の夜、母はちょっとだけ晴れやかな顔をしている気がした。友達が慰めてくれた。別に、傷ついてなんてないのに。
35歳。
彼女に振られた。その夜、友達から秘密を打ち明けられた。僕は、どんな顔をすればいいかわからなかった。
50歳。
父が死んだ歳に追いついた。息子はもう帰ってこないし、妻とも必要なことしか話さない。友達の連絡先は、いつのまにか消えてしまった。

いつか、あの日の全部がわかる日が来るんだろうか。

男と女と、友達の男。 三角関係にもなりきらない、僕たちの30年のお話。

◆ゲネプロレポート

ムシラセは、2008年より始動した、演出・劇作家、舞台写真家である保坂萌による演劇プロデュースユニット。保坂が作・演出・プロデュースをする17作目の本公演となる。

ここ数年のムシラセ本公演は、“喉に引っかかっているのはずっと前からわかっているけど、あえて忘れたふりをしていた小骨”のような、“家の中のどこかにあると思うけど、どこにあるかはわからない大事なことを書いたメモ”のようなテーマを、そっと目の前に差し出すかのように提示している。

今回の「煙の汽水域」は、ある男の人生における潮目が変わりゆく様を描いた3人芝居だ。
主演の阿岐之将一は20歳、35歳、50歳と男の半生を演じ、池岡亮介はその友人を、異儀田夏葉は「男の母」、「35歳のときの恋人」、「50歳のときの愛人」と、3役を演じる。

舞台上はダイニングテーブル、ソファなどがあるリビング。
20歳の鈴木誠吾(阿岐之将一)が父親の遺骨を手に、母親の秋(異儀田夏葉)とともに帰宅する。秋は、夫が愛人の家にいたところ、火事にあい焼け死んだというのに、さばさばとした様子で冗談を言っている。
こんな日に誕生日を迎えてしまい、20歳になったばかりの誠吾は、若さゆえか、母親どころか自分の感情もはかりかねている。そこに誠吾の同級生の宍道(池岡亮介)が訪ねてくる。鈴木家の事情を初めて知った宍道は、誠吾や秋のように葬式ハイではないので、誠吾の話を聞いて笑ったりはしない。むしろ秋と誠吾の「名前がついていない気持ち」に寄り添おうとするのだが……。

まずは阿岐之が演じる主人公・誠吾は、劇中でグラデーションのように年を重ねていくのが見事で、泣きたくなるほど憎らしい。
「共感力やデリカシーが多少あった大学生」が、環境という潮目に流され、呼吸のしやすい方を選んだ結果、いつの間にか誰にも傷つけられない「おじさん」になっていくのだ、と思い知らされる。
また、誠吾の親友・宍道を演じる池岡は落ち着いた柔らかな声と、まっすぐなまなざしが、役にはまっている。芯を持ち、揺らがず、雰囲気に流されず、誠吾と対照的に「変わらない」でいてくれる。そして何より誠吾が愛した3人の女性たちを演じる異儀田の演技に引き込まれた。この3役(しかもどんどん若くなっていく!)を一人の俳優が演じる意味はこの作品においては想像以上のものでお見事としかいいようがない。

作・演出の保坂萌は開幕に際し、下記のようにコメント。

『おじさん』の30年を書いてみればおじさんについてわかるかも!と思い立ったところから一年。こんなに悩んで、粘り強く付き合ってもらって、煙の中にある、掴めそうで掴めないお話を書くことなんて、作家人生の中ではきっともう二度と出来ないと思います。そのくらい、おじさんの人生は大変でした。
海にも川にぐるぐる回って付き合ってもらって迷子になり続けた結果、性別は関係ない後悔と今更にたどり着きました。
本には書かれていない全部を俳優陣が持ってくれています。劇場でしか観られません。ご来場、お待ちしております。
(作・演出:保坂萌)


「煙の汽水域」は下北沢小劇場B1にて7月19日(日)まで上演。
12日の昼公演、13日・14日の夜公演ではゲストを迎えたアフタートーク、18日夜公演は出演者3名によるアフタートークも開催。

▼舞台写真(写真・塚田史香)

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◆公演概要

ムシラセ 第17回公演 『煙の汽水域』

【日程/会場】
2026年 7月11日(土)〜 7月19日(日) 全12ステージ
小劇場B1(東京都世田谷区北沢2-8-18 北沢タウンホール地下1階)

【脚本・演出】
保坂萌

【キャスト】
阿岐之将一 異儀田夏葉 池岡亮介

【主催】
演劇プロデュースユニット ムシラセ

【チケット】
・一般前売り:5,500円
・汽水域シート:7,000円(全キャストブロマイド付 ※来場お渡しのみ)
・U-25:3,500円(カンフェティ取扱のみ)
 ※当日券は各 +500円。開演の45分前より販売開始。


★アフタートーク開催決定!

◎詳細は下記公式よりご確認ください。


【ムシラセ公式】
HP:https://mushirase.net/
X(旧 Twitter):@mushirase_tw



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