
今年もめでたく50周年を迎える大物演歌歌手・水谷千重子が、明治座で4度目、博多座で3度目、新歌舞伎座では初めてとなる『水谷千重子 50周年記念公演』を上演する。
6月19日に、同公演の製作発表が都内で行われ、水谷千重子、的場浩司、高橋ひとみ、近藤春菜(ハリセンボン)、倉たけし、まさとし先輩が登壇。登壇者の挨拶と会場との質疑応答の様子をお届け。
◆ご挨拶
水谷千重子:皆さま、本日はお集りいただきましてありがとうございます。4度目の50周年をやらせていただけるとのことで、明治座さんには本当に感謝しております。そして今年は博多座さんと初めて新歌舞伎座さんでもやらせていただきます。お芝居と歌の2部構成で、すてきなキャストの方にお集まりいただきました。楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
的場浩司:先生、4度目の50周年、おめでとうございます。前回の50周年以来、2回目の出演をさせていただきます。前回、水谷千重子先生には稽古場での芝居に向かう姿勢、本番での集中力など、同じ板の上に立たせていただき、本当に勉強させていただきました。今回も身の引き締まる思いでございます。2年間の時間がありましたが、先生とは何度かお食事の機会をいただき、大変にありがたいお言葉をいただきました。僕のなかで宝物となりましたが、ここでは言いません。そして倉さん、2年前のことは忘れていません。真剣に言いますよ。僕は先生を心からお慕いしています。先生の背中をいつまでも追い続けたいと思います。先生の敵となるものは僕が全て排除します。最後に役のことを少しお話しさせていただきます。表の世界にも裏の世界にも顔がきく巨万の富と権力を持つ男を演じさせていただきます。先生とのからみから勉強をさせていただき、魂を込めて命を込めて演じたいと思います。
高橋ひとみ:千重子先生、4度目の50周年記念おめでとうございます。私は第1回目の50周年記念公演の『とんち尼将軍 一休ねえさん』、2回目の50周年記念公演『神社にラブソングを』以来で、大変興奮しております。先生の舞台は、お客様に魔法をかける舞台です。その魔法に少しでも近づきたく、3年間、舞台『ハリー・ポッター』で魔法を学んでまいりました。そして演歌界のホグワーツと呼ばれる二葉ファミリー一門にどうしても認められたく、その出身の千重子先生、倉たけしさんとご一緒させていただけるのは本当に光栄に思っております。私はデビューが1979年、今年46周年を迎えております。もうすぐ先生の50周年に近づきますので、4年後が今から楽しみです。
近藤春菜:先生、永遠の50周年おめでとうございます。皆勤賞ということで、また呼んでいただけて嬉しいです。お芝居の記者会見に出るのは初めてなので緊張しているのですが、今日は千重子先生からお芝居のお衣裳で来たら?と言っていただいて、そういうものなんだって思って来たら、誰も衣裳を着てなくてちょっとびっくりしてしまったんですけど。(倉たけしからの「クッキー人間!」という野次に対し)「クッキー人間じゃねえよ!役柄を言わせていただくと(千重子演じる)ミス・フローレンスさんの下でブロードウェイの舞台に立つことを目指して下積みしているダンサーの役です。(会場からの笑いを受けて)そこ、笑うところじゃないです」
倉たけし:クッキー人間じゃねえよ!中華料理じゃねえよ!(春菜から「中華料理って誰ですか?角野卓造じゃねえよ、です!」とつっこまれる)。何回も呼んでもらってて嬉しいんだけど、俺は明治座の HP にポスターが貼ってあるじゃん、あれ見ていつも、あ、俺出るんだって知るんだ。正式にわからないから、係員にいつも聞いて。やるからには俺もがんばるからよ。一応(二葉)一門でね、何年か前に不祥事を起こしてお師匠さんにはご迷惑かけて。言いづらいんだけど黒い交際とかで叱られました。それを十分反省してまたここに戻ってきました。千重子にも申し訳ないこといっぱいしてよ。でももう人に迷惑をかける時代は終わりました。きちっと向き合ってやろうと思います。
そこで、ちょっと俺の気持ちを歌で表したいと思います。(倉は「感謝」という歌を歌唱するが、歌詞の内容がなにやら怪しい。本人いわく「感謝」ではなく「反社」とのことだが…)
──ここで千重子がもうひとりジョインするメンバーのまさとし先輩を紹介。まさとし先輩は舞台上をフラフラ歩き回り、自分勝手なふるまいを繰り広げる。
千重子:最近、千重子が沖縄に行ったときに、芸能人ではないのですが、すてきな才能の持ち主を見つけたんですよ。三線やエイサーができて沖縄の文化を大事にされている方です。今回こういう方に出ていただけたら嬉しいなとお声がけしたんです。芸能人ではないので、こういう場に慣れてなくて面食らうところがあるようですが、沖縄ではどういうことをされているのか自己紹介をお願いできますか?
まさとし先輩:どういうことをやってるとかじゃなくて、なんでも屋。エイサーだけをやってきた沖縄のにーにーみたいな感じなんじゃない?(という趣旨のことを沖縄の方言を交えて話した)
──この後、登壇者の掛け合いがアドリブで繰り広げられ、会場は大いに盛り上がった。
◆質疑応答
記者からの質問 すごく豪華な方たちばかりですが、まさとし先輩が強烈すぎてどういう出会いで発掘されたのかをお話しください。
千重子:沖縄にプライベートで行ったとき、エイサーを見に行ったんです。踊りも太鼓もすべてでレベルが高いなと。キャラクターも筋を通し、正義感にあふれている方。こういう場が慣れていないのであのようなふるまいになりますけど、音楽性はすごく高い方です。歌謡ステージの方に出演して、伴奏をしてもらったり、歌も歌われます。沖縄のミュージシャンたちもみんな、まさとし先輩が大好きです。舞台ではいい結果を残してくれるのではないかなと思います。
登壇者は、応募総数3,000人の中から選ばれた約140人のスペシャル観覧者からの質問にも答えた。
観覧者からの質問①
今回、歌謡ショーでは、スペシャルゲストをお呼びする予定はありますか。驚くような隠し玉はありますか。
千重子:もちろんありますが、みなさんのスケジュールを調整しておりますので、まだ発表はできないんです。ごめんなさいね。でもすばらしい方たちがたくさん来てくださいます。
観覧者からの質問②
的場浩司さんのデビュー当時からのファンです。的場さんには第二部の歌謡ショーにも歌手としての出演を期待しているのですが…。
千重子:そんな意見が出ていますけど、こうちゃんどうでしょうか?千重子は出てもらえたら嬉しいです。
的場:先生~(と苦悩の表情)。ありがたいことですけど、すさまじい角度からの想定外の質問です。僕なんかよりもすばらしい方を先生が交渉されていますので、僕はお芝居の方で。
千重子:お芝居の方はすばらしいですけど、歌の方も覚悟を決めるのはどうかしら?
的場:このあと、先生としっかりお話しさせていただきますが…すっごく苦しいです。
観覧者からの質問③
倉さんに聞きたいのですが、倉さんといえば倉シックギターや倉ンペットがお上手ですが、いま新しい楽器は練習していますか。
倉:やってるよ、もちろん。俺お金がないからさ、電気が通らなくていい楽器でやってるんだよ。安上がりだよ、ほんとに。基本的に世の中の楽器が全部段ボールになっちゃうけど。だから今回(三線をもじって)倉シンもいいよな。
観覧者からの質問④
第一部のお芝居では伝説のダンサー・ミスフローレンスを演じるにあたって役作りやお稽古はされているのですか。
千重子:お稽古はまだ入っていなくて。ミス・フローレンスは伝説のダンサーなのですが、この人が手掛けたことや、この人がいたからこの人の人生があったとか、色々なことがお芝居の中で紐解かれていきます。千重子も今回はいろんな年代を演じることになるので、お稽古はまだなんですけど、皆さまと徐々に作り上げていきたいと思います。
──その後、まさとし先輩の三線演奏で千重子の「童神~ヤマトグチ~」、倉たけしの倉オケボックスとまさとし先輩の太鼓・パーランクーとエイサーで千重子の歌唱「DESIRE」も披露され、さらに会場内は盛り上がった。
最後に、公演を心待ちにしているお客様へ水谷千重子よりメッセージが送られた。
千重子:今日の記者会見で生まれたことがたくさんありました。千重子が座長ということで今回もやらせていただくのですが、とにかくお芝居に皆で真剣に取り組んで、皆さまに楽しんでいただけるようなエンターテインメントをやらせていただきたいです。皆さまに満足していただける演目になればいいなと思っております。そして歌謡ショーでは、倉たけしやまさとし先輩は最初はどうなることかと思いましたが、今日セッションで新たに生まれたこともあったので、本番も楽しくなればと思っております。本日はありがとうございました。
◆公演概要
水谷千重子 50周年記念公演


○第一部:お芝居ステージ
「CAKUGO (カクゴ) 愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス」
《原案》二葉菖仁
《脚本》二葉森乃介
《演出》二葉慶太郎
《出演者 》
水谷千重子
生駒里奈 バッファロー吾郎A
川西賢志郎 神里優希
Wキャスト①:ハリセンボン(近藤春菜・箕輪はるか)/ガンバレルーヤ(よしこ・まひる)
Wキャスト②:高橋ひとみ(明治座・博多座出演)/YOU(明治座・新歌舞伎座出演)
的場浩司
〇第二部:歌謡ステージ
「千重子オンステージ」
《出演者》水谷千重子
【東京公演】
・会場:明治座(〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
・公演日程: 2025年8月22日(金)~9月7日(日)
・開演時間: 11:00 / 17:00
【福岡公演】
・会場:博多座(〒812-8615 福岡県福岡市博多区下川端町2-1)
・公演日程: 2025年9月13日(土)~9月22日(月)
・開演時間: 11:00 / 17:00
【大阪公演】
・会場:新歌舞伎座(〒543-0001 大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13)
・公演日程: 2025年9月27日(土)~10月5日(日)
・開演時間:11:00 / 17:00
※公演内容・スケジュール・チケットなどの詳細は下記の公式HPよりご確認ください
■公演公式ホームページ:https://www.bakaitteru.com/
■公演公式X: @ChiekoM_Meijiza