【開幕】新感覚の2.5次元舞台『イマーシヴSTAGE あやかし恋廻り 暁の章〜煌牙編~』

【開幕】新感覚の2.5次元舞台『イマーシヴSTAGE あやかし恋廻り 暁の章〜煌牙編~』

『イマーシヴSTAGE あやかし恋廻り 暁の章〜煌牙編~』が新宿村LIVEにて開幕した!(2024年5月19日(日)まで)

原作は同じく2.5次元舞台シリーズが展開している『アニドルカラーズ』や、映画化された『ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜』などで知られるボルテージのアプリゲーム『あやかし恋廻り』

妖(あやかし)が存在する架空の明治時代を舞台に、陰陽術を使えるヒロインが帝都を守るために、怨霊を浄化していき、その戦いの中で千年前からの縁(えにし)が再び結ばれるドラマチックなストーリーだ。

“没入感”を意味するイマーシブ(immersive)を冠した本ステージは、最新の映像技術をはじめとした様々な手法で客席を巻き込み、観客を“帝都”へと誘ってくれる。
本レポートでは、本番に先立って行われたゲネプロの様子をお届けする。

劇場に入ると、アンサンブルキャストが客席にビラを配っている。この時点ですでに物語に入り込んだ感覚がある上、このビラが劇中でキーアイテムとして必要となるので、ぜひ早めに席に着いてもらっておくことをお勧めしたい。さらに新宿村LIVEの劇場内へ向かう螺旋階段では、客席に持ち込める小ぶりな鈴が配布されている。この鈴も“イマーシヴSTAGE”を楽しむための重要アイテムなのでお忘れなく。

物語は、美術商である父のお遣いで、早乙女双葉(演・小松穂葉)が華族・由利藤一郎(演・土井一海)の館を訪ねるところから始まる。

彼女の荷物の中に紛れ込んだ古い神楽鈴を見て、顔色を変える藤一郎。結果としてその鈴は藤一郎の探し物ではなかったわけだが、その鈴をきっかけに、双葉が千年前の前世から受け継いだ“陰陽師の⼒”が目覚めることになる。

父が怨霊に操られ危機一髪の双葉を助けたのは、藤一郎と、彼の館で出会った実業家・北御門煌牙(演・工藤大夢)。煌牙の頭部には2本の立派なツノが、藤一郎には獣の耳としっぽが現れていた。聞けば、煌牙は鬼、藤一郎は妖狐なのだという。さらに主人公の家で飼われていた猫“タマ”が、実は凪千という名を持つ猫又だということが判明。

混乱の最中、神楽鈴によって陰陽術の力に目覚めた双葉だったが、本来この世界では陰陽術は禁止されている。しかし時の政府は、双葉の唯一の肉親である父を人質に、今後もその力を使って怨霊退治を続け、怪異を解決するよう強制するのであった。

自らの意志に関わらず、帝都の混乱に巻き込まれていく双葉。しかし悲壮感漂うヒロインというわけではなく、明るく素直で、常に自分が今するべきことを考えて動くことができる少女だ。座組では最年少だという小松穂葉の無垢な瞳が、観客の代弁者として妖たちを見つめる。

懸命でいじらしい双葉の姿に、どこかデジャヴを覚える煌牙。元々面倒見のいい兄貴肌な煌牙は、父を救うために奮闘する双葉を支え、共に戦ってくれるようになる。2.5次元初主演となる工藤大夢は、2次元の等身をそのまま再現したようなビジュアルは勿論、歯切れのよい台詞回し、長い手足を生かしたダイナミックな殺陣で、本作の“没入感”をより高めてくれる。

父が軍に囚われ途方に暮れる双葉だったが、陰陽師の先輩・アキ(演・藤希宙)と出会い、陰陽術の極意を教わることになる。ここで生きてくるのが、今回の肝でもある映像演出だ。人物の動きに合わせて映像が変化するインタラクティブなプロジェクションマッピングを導入し、双葉たちのリアルな動きに合わせて陰陽術が繰り広げられる。さらに、客席のお客様にもそれを体験するチャンスが……!? アフターイベントにて「イマーシヴ体験会」が実施される回もあるので要チェックだ。

アキのアドバイスを経て、双葉は神楽鈴の力を完全なものにするため、前世からで契約していた5人の妖たちを探すことになり、煌牙と共につくも神・結楽(演・山中翔太)のもとへと向かう。原作でも双子という設定がある結楽を、実際に双子タレントとして活躍中の山中健太が再現度高く、たおやかに演じてみせた。

千年という時を生きてきた結楽の口から、双葉が前世で契約していた妖は、結楽自身と、前世の煌牙、烏天狗の空耶(演・樋口拓海)、覚(さとり)の葵(演・きたつとむ)、蛟(みずち)の銀之丞(演・司波光星)だということが判明する。典型的なツンデレムーブを見せてくれる葵と、寡黙ながら要所要所で笑いを起こす銀之丞については、なんとか協力を得ることに成功した双葉。しかし常に気だるそうに振舞う空耶とは、なかなかコミュニケーションがとれず、信頼を得られずにいた。

何事にもやる気がなさそうな空耶だが、彼には幼馴染である煌牙と交わした、ある大切な約束があった。次第に心を交わしていく煌牙と双葉、そして彼らを見守る空耶の関係性にもぜひ注目していただきたい。

毎夜夢に魘される煌牙。前世の彼と、双葉がたどった運命とはいったいどんなものだったのか。人を頼ることが苦手な煌牙が、たった1つだけ、空耶に頼んだ約束とは……?

今作はサブタイトル通り『暁の章〜煌牙編~』ということで原作ゲームの『暁の章』と同じく煌牙を中心に空耶、結楽、葵、銀之丞が登場するが、『暮の章』から登場する藤一郎には舞台ならではの見せ場が用意されている。

千年という時を越えて描かれる、ドラマチックな絆の物語をぜひ客席で“体感”していただきたい。

イマーシヴSTAGE『あやかし恋廻り 暁の章~煌牙編~』

公演期間:2024年5月13日 (月) 〜 2024年5月19日 (日)
会場:新宿村LIVE

・あらすじ
時は明治――新時代に浮き足立つ、華やかな帝都。
美術商の父と暮らす主人公【早乙女双葉】が手にした古い神楽鈴。
それは千年の時を超える運命の鈴。
「陰陽師の力」を目覚めさせる鍵だった――。
神楽鈴をきっかけとして、双葉は前世からの縁(えにし)を引き継ぐ妖(あやかし)たちに出会う。
鬼の【煌牙】
烏天狗の【空耶】
千年生きるつくも神の【結楽】
そして覚(さとり)の【葵】
蛟(みずち)の【銀之丞】
煌牙と空耶の友人である、妖狐の【藤一郎】とも関わりながら、
双葉は新米陰陽師として、怨霊退治に取り組むことになる。
はじめての怨霊退治に戸惑う双葉に、陰陽師として助言をくれる【アキ】と共に
双葉は陰陽師としての力を伸ばしてゆく。
次第に増えてくる怨霊。その裏には【狐面の男】という存在が――?
文明開化の影で蠢く陰謀、そして、次第に明らかになる千年前の悲劇。
「――安心しろ、お前は俺たちが守る」
これは、千年続く、妖と人の「絆」の物語――。

・出演
北御門煌牙:工藤大夢
空耶:樋口拓海
銀之丞:司波光星
葵:きたつとむ
結楽:山中翔太
倉橋秋泰:藤希宙
由利藤一郎:土井一海
早乙女双葉:小松穂葉

中山佳大
誠仁
奈良岡史也
海本博章
田畑寧々

・スタッフ
原作:『あやかし恋廻り』(株式会社ボルテージ)
脚本:西瓜すいか・差異等たかひ子
演出:安藤亮司
映像:メディアフロント・ジャパン株式会社

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