アメリカの推理作家、S・S・ヴァン・ダインの傑作長編推理小説『僧正殺人事件』にアレンジを加えた舞台『ビショップマーダーケース』が4月22日、銀座博品館劇場にて開幕した。

舞台は1928年春のニューヨーク。物理学者ディラード教授の邸宅でマザーグースになぞらえた奇妙な殺人事件が起こる。探偵のファイロ・ヴァンスは、元刑事のサイモン・ブレイ、地方検事のジョン・F・X・マーカムとともに、関係者への聞き込みをする中、「僧正(ビショップ)」と名乗る謎の人物からの犯行声明が届き、世間を震撼させる第二、第三の事件が発生していくサスペンス。
本作は、2022年上演の『グリーン・マーダー・ケース』にて、続編として初めて上演して以来、約4年ぶりの再演となる。
開幕直前に公開ゲネプロおよび囲み取材が行われ、ファイロ・ヴァンス役の小南光司、サイモン・ブレイ役の中本大賀、ジョン・F・X・マーカム役の山本佳志(SHOW-WA)、ベル・ディラード役の渡辺みり愛が囲み取材に登壇。開幕を目前に控えての心境や本作への意気込みを語った。

小南「この作品はとても情報量が多く、稽古場から芝居の熱を上げたりと本当に濃密な日々でございました。それを今日、ようやく博品館劇場で初日を迎えられること、とても嬉しく思っております」

中本「僕の役が唯一オリジナルキャラクターということで、原作には出てこないキャラクターを演じる上での役作りをどう作っていこうかというのを、カンパニーの皆さんから、ちょっとずつ参考にさせてもらいつつ、バランスの良いところを狙っていこうという風に役作りしてきました。出ている時間が長くて、心情の移り変わりには苦戦しましたが、稽古の中で追求することが出来て、今は良い形になれたかなと思いますし、初日以降もどんどん公演を重ねることによって、もっともっと皆さんとブラッシュアップしていけたらいいなと思っております」

山本「普段はSHOW-WAというグループで活動しているんですけれども、グループに入ってから初めての舞台ということで、本当にゼロからキャストの皆さんや演出の須貝さんに助けられてここまで来れたという気持ちで、博品館劇場という伝統あるステージに立てることが本当に幸せに思っております。ゲネプロでは一番最後に思い切り噛んでしまったんですけれども、本番ではそういうことがないように、もう一回気を引き締め直して頑張りたいと思います」

渡辺「女性キャストが2人しかいない中で、どれだけ女の子が舞台を華やかに見せられるかなと最初は思っていたんですけど、ベルを演じていくうちに、心が優しすぎて本当に平等にみんなを愛せるがゆえに悩みを抱えているところを上手く伝わればいいなと思っています。まだふわふわしているんですけど、だいぶ引き締まってきたので、本番頑張りたいと思います」

主演を務める小南は、ロジカルな思考を持つヴァンスというキャラクターをどう構築されたかという質問に「台本を見たらえげつない説明セリフの量でした。まず覚えるのは当たり前として、馴染ませて、かつヴァンスのキャラクターである“どこか周りとは違った雰囲気”を稽古場からずっと研究をしていて、僕の中では、正義感がある役というよりは、推理自体をゲームのように楽しんでいる感覚があったので、とにかく稽古やお芝居を楽しもうと普段から思いながら舞台に立つと意識をしてやってきました。僕なりに彼の役を楽しくやっているのが皆さんに伝わって、ちょっと異様な空気を皆さんに発することができたら、僕がやってきたことが実るんじゃないかなと思っています」と説明し、主演として観て欲しいポイントについては「作中では僕が一番舞台上を上手下手と歩くので、観に来たお客さんは、上手側にいても下手側にいても、僕を近くに感じられるんじゃないかなと思います」と挙げた。

警官を辞めて私立探偵となったオリジナルキャラクターのサイモン・ブレイと似ているところを聞かれた中本は「サイモンは目の前のことについて全力で取り組むんですが、そこは僕と似ているなと思っています。ヴァンスは感情をあまり出さず、常に一個二個上から俯瞰している感じのキャラクターではありますけど、僕はヴァンスの感情も一緒に揺らせるようなキャラクター作りを意識しているので、そういう感情を普段から出す部分は似ている思いますし、逆に離れていると思うところはないです」とキッパリ。

昭和歌謡グループ「SHOW-WA」のメンバーでもある山本は、普段のパフォーマンス活動と今回の芝居での表現方法に違いについての質問に対して「マーカムは出来るだけお客さんと同じような感情でいる役だと思っていて、僕が代弁者になってストーリーを繋いでいかなきゃいけないというところでは、普段グループでMCとしてファンの皆さんの空気を感じるているので、そういう意味では似ている部分はあるのかなと思いました」と自己分析した。

物語のヒロインを演じる渡辺は、重厚なミステリーの中、ベルが登場することでお客様にどんな気持ちになって欲しいかという問いに「ベルは本当に平等に人を愛している女の子なので、出てきた時に太陽がパッて当たったみたいな感じになればいいなと思って演じています。第2、第3の事件が起こってしまうところは、ベルにとってもすごいきつくて、なかなか“明るく”という表現が難しいですけど、お客さんはベルに一番感情移入しやすいんじゃないかなと思うので、寄り添えるように頑張っていきたいと思います」とコメントした。

劇中では小南、中本、山本の3人が捜査を進める展開に関連して、3人のチーム感や稽古場でチーム感を感じるエピソードがあればという質問が飛び出し、小南が「情報量が多くて、頭がパンクしそうになる時、佳志くんが面白いお芝居をたくさんしてくださって、マーカムのキャラクター自体も愛される役ですけど、佳志くんはさらに超えてくるくらい愛されていて、かなり救われてました」と山本に感謝のメッセージを伝えると、山本は「稽古中に“天然”と言われるんですけど、SHOW-WAでは天然なんて一回も言われたことなくて、一番しっかりしていると思っていました」と打ち明け、さらに「メンバーから『しっかりしている』と言われたことはないですけど、グループではMC担当ですし、自覚的にはしっかりしていると思っていました。だから舞台でもちゃんとお芝居を届けなきゃと思ったら、なぜか笑いが起きてしまうんです」と苦笑い。またキャストでは最年少の中本について、小南は「本当に先輩がたくさんいる中でも、『もっとこのシーンをこうしたい』と率先して発言をしていて」と高評価すると、中本は「お二人が年齢の壁を作らないようにしてくださったので、一緒に作品を作るカンパニーの一人として、芝居のシーンの意見を言えたと思っています」と回答した。

最後に小南から「新生活が始まって忙しい方や私生活は楽しいけどちょっと刺激が欲しい人が観に来てくださったら、きっと楽しめる時間になると思っております。約100年ぐらい前の原作が元になっているので、「固いお話かな」と思うかもしれませんが、そんなことはなくて、心が緩むシーンもありつつ、締めるところは締めて、本当にいろいろな感情を楽しめる作品だと思いますので、この劇場に遊びに来ていただけたら、僕らが1928年を舞台にした『ビショップマーダーケース』の世界を皆様にお届けしますので、ぜひ楽しみにご観劇いただけたら嬉しいです」と公演を楽しみにされている方に向けて挨拶して、囲み取材は終了した。
舞台『ビショップマーダーケース』は4月29日(水・祝)まで上演。

(取材・写真:冨岡弘行)
公演概要
舞台『ビショップマーダーケース』
日程:2026年4月22日 (水) ~ 2026年4月29日 (水・祝)
会場:銀座 博品館劇場
出演
小南光司 中本大賀 山本佳志(SHOW-WA)
渡辺みり愛 小見川千明 近藤雄介 松村優 碕理人
木ノ本嶺浩 陰山泰
■公演スケジュール
4月22日(水) 18:00
4月23日(木) 14:00
4月24日(金) 14:00
4月25日(土) 13:00/17:00
4月26日(日) 13:00/17:00
4月27日(月) 14:00
4月28日(火) 14:00
4月29日(水・祝) 13:00
※開場は開演の45分前
■チケット料金
ビショップ席:13,000円(1~3列目確保、特別記念品付)
指定席:10,000円
※全席指定・税込 ※未就学児入場不可
■スタッフ
原作:S・S・ヴァン・ダイン
脚本・演出:須貝英
総合演出:野坂実
舞台美術:原田愛
舞台監督:土居歩 木村篤
演出助手:椙田航平
照明:富山貴之
音響:大園康司
衣装・ヘアメイク:nonchi(87)
宣伝美術:清水みちる(礼泉堂)
WEB制作:原口貴史(礼泉堂)
宣伝票券:池谷美保(全栄企画) 石井千聖(全栄企画)
制作:岡田るみ(ちあふる) あきやまくみこ(ノサカラボ)
プロデューサー:石塚仁基(全栄企画)
主催:ニッポン放送/カンフェティ/全栄企画株式会社
企画制作:ノサカラボ
製作:全栄企画株式会社
【問い合わせ】Zen-A(ゼンエイ)TEL:03-3538-2300[平日11:00~19:00]