■作品背景
2020年6月。コロナ禍で多くの劇場が休館となる中、松本市・あがたの森公園の小さな四阿(あずまや)で、ひとつの独り芝居が生まれた。
距離を取らなくてはならない、大声も出せない。様々な制約の中で、舞台美術、照明、音響、制作、劇場といった要素をすべてそぎ落とし、串田はただ観客と向きあった。
串田自身の幼少期の記憶の断片と、中世ドイツに伝わる錬金術師ファウストの物語が交錯する、詩的で幻想的な舞台。
「人間と悪魔を分かつものは何だ?」
串田はファウストに、時にメフィストに成り代わりながら、ひとり何役も演じる。
その後3年間にわたり、国内外の劇場や野外ステージ、蔵など様々な場所で上演され、北アルプス国際芸術祭2022、シビウ国際演劇祭2023 にも正式招聘された。
好評を博した、極私的なファウストのつぶやき。
そして本作は、串田にとって初の独り芝居である。
「僕自身が終戦直後の日本に育って感じた、文化が変わっていく時代の記憶をないまぜにしてつくった幻想的なお芝居です。ファウストは錬金術師とか魔術師とか言われていて、今でいえば科学者なんですが、危なっかしい人だったんでしょう。金を生成しようとして、薬剤が爆発して死んでしまった時、誰かが「悪魔に連れ去られた!」と叫んだ。それが民衆の伝説になって、芝居や人形劇になってドイツの子ども達に受け継がれていたのをゲーテも聞いていて、のちに『ファウスト』を書いたんです。」
——————串田和美
本作は、シビウ国際演劇祭2023のための特別バージョンとして上演された公演を、ルーマニア人クルーによる撮影映像でお届けします。
どうぞごゆっくりお楽しみください。
[上演日時]
June 24th, 2023 at 4:00 PM(1h15m)
「Faust in the Moonlight Night 月夜のファウスト」
Kazuyoshi Kushida 串田和美
Gong Theatre Downstairs Hall(Sibiu, Romania)
■作・演出・美術・衣裳・出演
串田和美
■スタッフ
照明:齋藤茂男 大屋惠一
音響:市來邦比古
舞台監督 :大平久美
アシスト:串田十二夜 近藤隼 田村真央
一般社団法人EPAD/文化庁 人材育成・収益化に向けた舞台芸術デジタルアーカイブ化推進支援事業
Photo by Akio Kushida
イラスト:串田和美
■配信チケット情報
◇レンタル動画◇
視聴券:2,500 円(税込)
[販売期間]2026年3月31日(火)20:00~2027年3月31日(水)23:59
[配信期間]2026年3月31日(火) 20:00 ~2027年4月7日(水) 23:59
レンタル期間:7日間 (168時間)
※視聴用ページ初回ログイン後、(168時間)まで視聴いただけます
※配信期間が先に終わる場合はその前に視聴を終えてください。
■串田和美プロフィール
1942年東京生まれ。俳優・演出家・舞台美術家。1966年、劇団自由劇場(75年、オンシアター自由劇場と改名)を結成し、アンダーグラウンドシアター自由劇場を開場。1985年から96年までシアターコクーン、2003年から2023年までまつもと市民芸術館の初代芸術監督を歴任し、劇場の創設および運営システムを構築、日本の劇場文化に大きく貢献する。
歌舞伎、サーカス、音楽劇、古典、現代劇など多様な領域を横断し、既成概念にとらわれない演出手法により、劇空間そのものを創造する作品を発表し続けている。
代表作に『上海バンスキング』『夏祭浪花鑑』『串田戯場 法界坊』『スカパン』『空中キャバレー』など。
コクーン歌舞伎『桜姫』、音楽劇『コーカサスの白墨の輪』で芸術選奨文部科学大臣賞、コクーン歌舞伎『東海道四谷怪談・北番』にて読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。芸術的・学術的貢献により、2008年に紫綬褒章、2013年に旭日小綬章を受章。
また、シビウ国際演劇祭総監督のキリアック氏より「日本の舞台芸術のあり方を変えた人物であり、日本で最も複雑な芸術家であり、新しいものや対話に対して最もオープンである」と評され、2015年、同演劇祭にてウォーク・オブ・フェイムを受賞。
2023年10月、自身や演劇の原点を新たに捉え直し探求していく「フライングシアター自由劇場」を立ち上げる。
■その他
フライングシアター自由劇場
公式HP:https://www.k-jiyugekijo.com/faust-sibiu-haishin
▼X
https://twitter.com/flyingtheatreJG