日本のオリジナルミュージカルの最高峰「生きる」市村正親・鹿賀丈史3度目の出演へ。志村けんさんとの思い出も明かす。

Daiwa House presents ミュージカル「生きる」の製作発表会見が先日行われ、主人公・渡辺勘治役の市村正親鹿賀丈史、渡辺光男役の村井良大、小説家役の上原理生、小田切とよ役の高野菜々、渡辺一枝役の実咲凜音、組長役の福井晶一、助役役の鶴見辰吾が登壇した。

会見では劇中歌の披露から始まり、上原による『人生の主人になれ』、高野による『ワクワクを探そう』、鹿賀による『二度目の誕生日』、村井による『あなたに届く言葉』、福井による『金の匂い』、市村による『最後の願い』を歌い、場を沸かせた。スローテンポなものから明るい楽曲まで幅広いナンバーとなり、そのエンターテイメント性の高さが伺えた。

トークセッションでは、本作の演出も手掛けている宮本亞門からのメッセージも読まれ「この作品が本当に好きで毎回心が洗われ、生きるための根源が詰まっている作品だと思っています。次の未来に向け、何を大切に、軸に生きていくか、そんなテーマも入っている作品です。再演毎に深くなっていく主演のお2人による、一瞬一瞬、感情に満ちたドラマが繰り広げられます。新しいキャストも増え、新たな「生きる」が生まれます。」と力強い言葉で綴られていた。

初演から続投する市村は「初演の時は稽古場に入って、毎日台本がどんどん変わっていくので、台本というのがなかったんです。毎回変わっていくスリリングな稽古を行い、いざ本番が開けると、皆様からとても爆発的な拍手をいただき、いい作品だなと感じました。」と当時のことを振り返りながらも、「今回は濃いキャストが揃っているので、この濃さに霞まないようにしっかりやっていきたいと思います。」とおどけながら話すと、ほかの共演者からのツッコミを受ける場面もあった。

同じく初演時からの続投の鹿賀は「創作ミュージカルを3度できる、その喜びに浸っています。今年は初演の間に世界の勢力地図というのが変わり、生きることにみんな戸惑っている時期だと思います。生きるという非常にシンプルで、これ以上深いテーマはございません。これからどうやって生きていこうか、前向きに生きるということを捉えていただけるとこれ以上の喜びはありません。ぜひ、感動と生きる力というものをお持ち帰りいただきたいです。」と力強く思いを述べた。

2020年から続投の村井は「前回はコロナ禍で上演できるかできないかの瀬戸際の中、公演ができるという喜びを感じたのを覚えています。渡辺光男は、力強く、混沌としている中でも明るく前向きに家族の幸せを願いながら生きている青年です。老若男女に響くメッセージがたくさんある作品ですので、この2023年版の「生きる」を皆様の心に届けたいと思います。」と振り返りながら、自身の役についても触れて本作に対して意気込んだ。

今回から新キャストとして参加する上原は、過去の公演を観たことを振り返りながら「素直に感動したのを覚えています。日本のオリジナルミュージカルとしてクオリティーが高いと感じました。
この作品はストレートに何を大事にしていくのかを投げかけてくれる作品です。小説家は渡辺勘治の生きるという姿勢を浮き彫りにする影の部分を描く人物だと思いますので、深めていきたいと思います。」と話した。

初めて所属する音楽座ミュージカル以外の公演に参加する高野は「劇団を超えてオリジナルミュージカルに携わることを、すごく光栄なことだと思っています。身の引き締まる思いがありますが、精いっぱい作品の一部になっていけるように頑張っていきたいです。死生観をテーマにしていますが、エンターテイメントとしてダンスあり、歌ありで華やかな世界になっているので、そのギャップがミュージカル『生きる』の魅力だなと感じています。」と魅力を伝えた。

同じく新キャストの実咲は「新しい役、人との出会い、自分自身の新しい課題に出会えることは幸せなことで、嬉しく思います。初演を拝見して自然と涙が流れていました。自分自身に悔いなく生きているかを問いかけるほど、心に響いた作品です。渡辺一枝はとても意思の強い女性というイメージがあります。同い年の高野さんとはまた対照的な女性を演じていきたいと思います。」と意気込みを語った。

福井は市村・鹿賀に対して「所属していた劇団「四季」の大先輩である2人がいらっしゃるので、背中を見て色々なことを学びたいと思っています。普段は、良い人格の役を演じることが多いので、(同じ悪役の)鶴見さんに色々と教えてもらいたいと思います(笑)命を燃やして生きるという温かいメッセージが込められている作品なので、たくさんの人に届けられればと思います。」とほかの共演者にも触れながら話した。

鶴見は「1998年に黒澤昭監督が亡くなりまして、監督の作品に出ることができないんだなって寂しい思いをしていました。でも、いまこうやって、ミュージカルで黒澤明作品に携われることは、自分の夢が叶ったようで嬉しいです。でも、助役が歌うナンバーは「夢を見るのは愚かだ」というタイトルなんです(笑)昭和時代の役人気質の事なかれ主義で、渡辺勘治の夢を妨害する役なので、お2人のパワーに負けないように、悪役を福井さんと共にやらせていただきたいと思います。生きているだけで美しいというメッセージがあります。初めてミュージカルをご覧になる方、何度も観ている方も楽しんで頂きたいです。」と場を笑いに包みながら、思いを述べた。

最後に市村は初演の時のことについて「初演時に志村けんさんが観に来てくださって、涙流しながら「これが本当のミュージカルだ」と気に入ってくださいました。天下のコメディアンである志村けんさんのお墨付きの「生きる」になっています。」と思いを馳せながら「そういうことを思い出しながら、【生きて】この芝居に参加できること、これほど素晴らしいことはないなと思います。」と締めくくった。

9月7日から24日まで新国立劇場 中劇場、29日から10月1日まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演。

ミュージカル『生きる』

<東京公演>
期間:2023年9月7日(木)~24日(日)
会場:新国立劇場 中劇場

■ステージセット解説イベント
【対象日程】9月11日(月)13:00
舞台の裏側を、舞台監督よりご紹介いたします。
※対象公演回のチケットをお持ちの皆様ご参加いただけます。

■アフタートークイベント
【対象日程】
・9月13日(水)18:00(登壇者:村井良大・平方元基)
・9月15日(金)13:00(登壇者:村井良大・上原理生)
※対象公演回のチケットをお持ちの皆様ご参加いただけます。
※登壇者は急遽変更になる場合もございます。

■キャスト:
渡辺勘治:市村正親/鹿賀丈史(ダブルキャスト)

渡辺光男:村井良大
小説家:平方元基/上原理生(ダブルキャスト)
小田切とよ:高野菜々(音楽座ミュージカル)
渡辺一枝:実咲凜音
組長:福井晶一
助役:鶴見辰吾

佐藤 誓
重田千穂子
田村良太

治田 敦、内田紳一郎、鎌田誠樹、齋藤桐人、高木裕和、松原剛志、森山大輔
あべこ、彩橋みゆ、飯野めぐみ、五十嵐可絵、河合篤子、隼海 惺、原 広実、森 加織
スウィング 齋藤信吾、 大倉杏菜 
安立悠佑

■スタッフ:
原作:黒澤 明 監督作品 「生きる」(脚本:黒澤 明 橋本 忍 小國英雄)

作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
美術:二村周作
照明:佐藤 啓
音響:山本浩一
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:小沼みどり
映像:上田大樹
振付:宮本亞門、前田清実
音楽監督補:鎭守めぐみ
指揮:森 亮平
歌唱指導 板垣辰治
稽古ピアノ兼音楽監督補助手:村井一帆
稽古ピアノ:安藤菜々子
演出助手:伴 眞里子
舞台監督:加藤 高

主催:ホリプロ/TBS/東宝/WOWOW
後援:TBSラジオ
特別協賛:大和ハウス工業

企画協力:黒澤プロダクション
企画制作:ホリプロ

■ストーリー:
定年を間近にした役所の市民課長、渡辺勘治。
早くに妻を亡くした彼は息子夫婦と同居しているが、心の距離は遠い。
そんなある日、渡辺は、自分が胃癌であり残りの命が長くないことを知る。
自暴自棄になった彼は、居酒屋で出会った売れない小説家と夜の街に繰り出し、人生を楽しもうと試みるが、心が満たされることはなかった。
翌朝、市民課で働く女性・小田切とよに偶然出会う。太陽のように明るい彼女に惹かれ、頻繁に誘うようになる渡辺は「残りの人生を、1日でいいから君のように生きたい」と本音を語る。そして、とよが何気なく伝えた言葉に心を動かされ、渡辺は人生をかけた決意をするのだった。

■来場者キャンペーン実施決定!
渡辺勘治&小説家コンプリートキャンペーン
東京公演期間中、渡辺勘治・小説家それぞれのダブルキャストをS席にてご観劇のお客様にシークレットムービーをプレゼント!

【対象出演者】
①渡辺勘治コンプリート:市村正親、鹿賀丈史
②小説家コンプリート:平方元基、上原理生

シークレットムービーは①と②それぞれ一つずつになります。

【対象席種】S席
【受取方法】劇場の特典引換所にて、コンプリート該当公演のチケット券面をご提示の上、お受け取りください。
※チケットに済印を押させていただきます。
※該当公演が中止の場合はチケット払い戻しをさせていただくとともに特典のお渡しはございません。

WOWOW特別番組決定

【出演】市村正親、鹿賀丈史、宮本亞門ほか
【放送日】7月15日(土) 10:50~

※以下リピート放送
7月20日(木) 21:40~
7月23日(日) 18:00~ 
7月26日(水) 15:15~ 
7月28日(金) 14:45~

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