【ゲネプロレポート&もっと楽しくなる予習付き】ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』本日開幕!

【ゲネプロレポート&もっと楽しくなる予習付き】ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』本日開幕!

米演劇界最高名誉のトニー賞10冠の傑作ーついに日本上陸ー

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』が2月7日(火)日生劇場にて初日を迎える。

2018年米国トニー賞で、ノミネートされた11部門のうち、作品賞を含む10部門を独占した傑作『バンズ・ヴィジット』。
エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊は、ペタ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するようにと招かれたのだが、目的地と一字違いのベト・ハティクヴァという辺境の街に到着してしまう。音楽隊も、そしてそこに住まうもの、思い思いに音楽を奏で、言葉も文化も異なる隣国の人間達が交わる一夜が、更けていく・・・

回転盆の舞台、真っ赤に染め上げられたセットは、めぐるめぐる中東の変化や熱気・情熱を表しているようで、音楽と相まって世界観に引き込まれていく。

観客を一気に物語の舞台へ引き込む異国情緒あふれる楽曲たち。
シンプルな物語の中に流れる、抒情的な空気と独創的な音楽は、得も言われぬ魅力を放つ。
舞台上では、楽隊として実際にアラブの楽器をプロのミュージシャンが演奏する。

個性豊かな出演者

警察音楽隊の楽隊長を務めるトゥフィークを演じるのは、風間杜夫。原作映画では寡黙な男性であったが、風間が演じると厳格さの中にもどこか愛らしさが感じられるのも新鮮である。

迷子になった警察音楽隊を快く手助けする食堂の女主人ディナを演じるのは濱田めぐみ。快活な中に妖艶な表情も覗かせるこの役は、彼女の持ち前の歌唱力は勿論、新たな魅力が垣間見える。

「鎌倉殿の13人」でのブレイクが記憶に新しい新納慎也も、ブロードウェイで本作を見て出演を熱望した程の想い入れを持っており、トランペット奏者カーレドの色男ぶりを嫌味なく演じている。

こがけん演じる電話男は終始舞台上に立ち、奇妙な存在として描かれている。しかし終盤で披露される「声を聞かせて」での歌唱は、えもいわれぬ情緒に満ちていて、観客も涙を流すほどの力がある。

米国で本作が圧倒的な評価を得た背景には、楽曲や俳優陣の素晴らしさもさることながら、歴史的に対峙してきたエジプトとイスラエル二国の国民同士が、国境を越えて心を通わせるという、人間の本来あるべき姿を描いたメッセージが、時勢に即して人々の心に刺さったことも大きい。

演出家・キャストコメント

・演出:森新太郎
淡々とした芝居のようでいて、根底には静かに熱い感情が満ち満ちています。人の孤独とはこんなにも深いものなのか、そしてだからこそ、その孤独を分かってもらえることは、こんなにも救われることなのか。稽古場で幾度となく、そんなことを考えさせられました。人生に疲れ、心に傷を負っている人には、ちょっとした軟膏剤になるかもしれないミュージカルです。

すべての俳優とミュージシャンとスタッフが、作品のもつ繊細さと遊び心を表現するために全力を傾けてくれました。あとは観客の皆様の想像力をお借りするだけです。ミュージカル畑の演出家でない私が言うのも何なのですが、題材と言い、音楽と言い、かなり変わったミュージカルだと思います。この魅力は言葉ではなかなか言い表せません。

・トゥフィーク(指揮者)役:風間杜夫
12月から稽古を約二か月、今の気持ちとしては大変ワクワクしております。一時も早くお客様の前で演じたいなと。初日の幕が開くことを楽しみにしております。
異国が舞台の作品ですが、文化の違う国の人同士が言葉を越える情や心の繋がりの様、これは我々日本人でも理解できるので、私たちの感覚で演じてみたいと思っています。
たった一晩のさりげないお話です。ですが、出会いと別れの切なさがとてつもなく、また一流のミュージシャンによる演奏。こんな贅沢な芝居は無いと思います。一人でも多くの方に客席で楽しんで頂きたいと思います。

・ディナ役:濱田めぐみ
ようやく初日ということで、みんなで一丸となって稽古を進めてまいりました。
今迄やった演目の中でもトップクラスの難しいメロディの連続でしたが、楽隊の皆様のロマンチックで、エモーショナルな演奏と合わさってお届けできるものは、とても素晴らしい仕上がりになっています。ぜひ劇場で楽しんでいただければと思います。

・カーレド(トランペット)役:新納慎也
世界中で戦争が起きていたり、コロナ禍であったり、平和を願ういまの時代にまさに上演するべき作品だと思っています。随所にとても繊細な演出が施されていて、これまでとはちょっと違うタイプのミュージカルになっています。この作品に込められた想いやメッセージを、日本のお客さんがどういう風に受け止めてくださるのか楽しみにしております。ぜひ劇場にいらしてください。

・電話男役:こがけん
とにかくたくさん稽古をやらせていただき、芸人を始めてからこんなに同じことを練習する経験がなかったので、流石に飽きるかなと思ったんですけど、めちゃくちゃ面白くて。衣裳をつけた稽古場での通し稽古で、盆に座って流れて移動している時に感極まって泣いてしまって、それを隠しながら演技したこともありました。そのくらい面白い作品です。『迷子の警察音楽隊』ですが、演技では迷子にならなければいいなと思っています。

■観劇前の予習にぜひとも!

WOWOWで放送されたミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』の特別番組「たった一夜の出会いと別れ」をYouTubeで公開中!
開幕前の稽古場に潜入!”風間杜夫&濱田めぐみ”によるスペシャル対談も収録。ブロードウェイの願いが託された作品の魅力に迫る。

さらに、物語の時代背景や舞台となるエジプトとイスラエルの関係性を記した解説チラシも公開中。

ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』

■あらすじ
エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。ペタハ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するように招かれた彼らだったが、いくら待っても迎えが来ない。誇り高い楽隊長のトゥフィーク(風間杜夫)は自力で目的地に行こうとするが、若い楽隊員が聞き間違えたのか案内係が聞き間違えたのか、彼らの乗ったバスは、目的地とよく似た名前のベイト・ハティクヴァという辺境の町に到着してしまう。一行は街の食堂を訪れるが、もうその日はバスがないという。演奏会は翌日の夕方。食堂の女主人ディナ(濱田めぐみ)は、どこよりも退屈なこの街にはホテルもないので、自分の家と常連客と従業員の店に分散して泊まるように勧める。

かくして、言葉も文化も異なる隣国の人間達が、一夜交わることとなった。迷子の音楽警察隊は、果たして演奏会に間に合うのか――?

■期間:2月7日(火)~2月23日(木祝)

会場:日生劇場

■主催:ホリプロ/TOKYO FM/WOWOW

■後援:イスラエル大使館

■企画制作:ホリプロ

■キャスト
風間杜夫:トゥフィーク(指揮者)
濱田めぐみ:ディナ

新納慎也:カーレド(トランペット)
矢崎 広:イツィック
渡辺大輔:サミー

永田崇人:パピ
エリアンナ:イリス
青柳塁斗:ツェルゲル

中平良夫:シモン(クラリネット)
こがけん:電話男
岸 祐二:アヴラム

辰巳智秋:警備員
山﨑 薫:ジュリア
髙田実那:アナ
友部柚里:サミーの妻
太田惠資:カマール(バイオリン)
梅津和時:警察音楽隊(マルチリード)
星 衛:警察音楽隊(チェロ)
常味裕司:警察音楽隊(ウード)
立岩潤三:警察音楽隊(ダルブッカ)

竹内大樹(スウィング)
若泉亮(スウィング)

■スタッフ
原作:エラン・コリリンによる映画脚本
音楽・作詞:デヴィッド・ヤズベック
台本:イタマール・モーゼス
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出:森 新太郎

音楽監督:阿部海太郎
美術:堀尾幸男
照明:佐藤 啓
音響:井上正弘 けんのき敦
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:新海絵理子
歌唱指導:石川早苗
稽古ピアノ:安藤菜々子
演出助手:伴・眞里子 玉置千砂子
舞台監督:小笠原幹夫

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