演劇界を震撼させた衝撃の問題作 『建築家とアッシリア皇帝』がシアタートラムに登場!

演劇界を震撼させた衝撃の問題作 『建築家とアッシリア皇帝』がシアタートラムに登場!

フェルナンド・アラバールの代表作を、生田みゆきが初演出
岡本健一と成河が、演劇界を震撼させた問題作に挑む!

2022年11~12月、世田谷パブリックシアターはシアタートラムで二人芝居『建築家とアッシリア皇帝』を上演予定だ。8~9月に上演する『毛皮のヴィーナス』に続き「トラム、二人芝居」と称し、新進の演出家と魅力あふれる実力派のキャスト陣とのタッグで送る二人芝居企画の第二弾だ。演出はシアタートラム初登場となる生田みゆきだ。不条理劇と評される本作を、残酷で倒錯的な世界を夢想とユーモアを織り交ぜて描き出した作品であると語り、生田ならではのフレッシュで斬新な視点で演出に挑む。出演は岡本健一と成河。 演劇界で縦横無尽に鮮烈な活躍を続ける 2 人の役者の、夢の競演が実現した。このフレッシュかつ強力なコンビの布陣でお届けする『建築家とアッシリア皇帝』に期待が高まる。

アラバールと『建築家とアッシリア皇帝』について

自らの作品を「テアトル・パニック(恐慌の演劇)」と称した劇作家フェルナンド・アラバールは、1960年代以降、世界の演劇界に大きな影響を与えました。アラバールは 1932 年、旧スペイン領に生まれ、幼少期はスペイン内戦を体験。父親は体制派に逮捕されたまま行方不明となり、母親とマドリードへ移住しましたが、1955 年、演劇を学ぶためにフランスへ渡り、パリでの留学生活をスタートさせました。以降、母国語ではないフランス語で著作活動を精力的に続け、1967 年、35 歳の時に『建築家とアッシリア皇帝』の初演を迎えるにいたりました。また、同年、祖国スペイン旅行時に、彼の作品が時のフランコ政権に対しての反逆行為であるという理由で、突如、逮捕され投獄という事態に遭います。半年後に開かれた裁判で無罪が確定され釈放となりましたが、こうした自身が体験してきた祖国への複雑な思いや、幼少期の父と母との関係が、彼の作品に大きな影響を及ぼしていることは否めません。祖国を離れフランスに制作の拠点を移しながらも、彼の作品の背景にはスペインの伝統的グロテスクとエロティシズムが色濃く存在していたのです。本作『建築家とアッシリア皇帝』は1967年にパリで初演。以来、55 年を経た今でも色褪せない衝撃作として、世界各地で上演され、その時代ごとの社会情勢を内包していくような普遍性も兼ね備えた同時代作品としての輝きを放ち続けています。日本では 1974 年に劇団雲で皇帝役・山﨑努、建築家役・立川三貴(旧芸名・光貴)の 2 人による上演が注目を集めました。山﨑は退団後も 1983 年に高橋昌也の演出で再び皇帝役に挑んでいますが、全身全霊で演じる山﨑の皇帝役はセンセーショナルな話題を巻き起こしました。その山﨑を師と仰ぐ岡本健一が、演劇界の盟友ともいうべき成河と組んで、山﨑と同じ皇帝役を演じるのも大きな注目ポイントの一つです。劇は、絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男の「助けてださい!」という叫びからはじまります。その後、この男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとするのですが、その文明と教育は、はたしてこの二人に本当の幸福をもたらすことができるのでしょうか。現実と虚構の世界がまじりあい、文明以前の人間の根源的な欲望がぶつかりあい、最後にはありのままの自分自身と向き合っていくという、スリリングな皇帝と建築家のやりとりは、やがて衝撃的な結末を迎えます。

新鋭の演出家・生田みゆきがシアタートラムで初演出

本作の演出に挑むのは、シアタートラム初登場の生田みゆきです。16年に文学座座員に昇格後、17 年アトリエの会『鳩に水をやる』で文学座初演出を手掛けたほか、国際演劇協会の「紛争地域から生まれた演劇」の演出や、今年 3 月に上演した『オロイカソング』等の各小劇場で魅せる実験的な取り組みが評価を得、また、さいたま芸術劇場 7 月公演「ジャンル・クロスⅡ<近藤良平×松井周>『導かれるように間違う』」では演出補を務めるなど、これからの益々の活躍が期待される演出家です。世田谷パブリックシアターでは、岡本健一、成河が出演した主催公演「約束の血」4 部作『森 フォレ』(21 年)で演出助手として参加。8 代に渡る壮大な血の物語を描くに辺り、緻密に描き出す演出:上村聡史のもとで作品づくりを支え、岡本、成河からの信頼も得た生田が、フレッシュで斬新な感性を生かし、アラバールの名作に挑みます。

ストーリー

“なんでもいいから俺に奇跡を見せてくれ、お前の存在を感じたいんだ”

絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。お互いの存在を求め合いながらも、ぶつかりあう二人。そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ、心の底にある欲望、愛憎、そして罪の意識をあからさまに語り出す。その行為はやがて衝撃的な結末を生みだすきっかけになっていく……。

公演概要

『 建築家とアッシリア皇帝 』
【作】フェルナンド・アラバール 【翻訳】田ノ口誠悟 【上演台本・演出】生田みゆき
【出演】岡本健一 成河
【美術】堀尾幸男 【照明】横原由祐 【音響】藤平美保子
【衣裳】宮本宣子 【ヘアメイク】林みゆき 【アクション】渥美博
【演出助手】田丸一宏 【舞台監督】澁谷壽久 【技術監督】熊谷明人
【プロダクションマネージャー】勝康隆
【制作】法月智美 田辺千絵美 佐々木裕子 【プロデューサー】浅田聡子
【芸術監督】白井晃
【宣伝美術】秋澤一彰 【宣伝写真】山崎伸康
【宣伝スタイリスト】スド=キョ=コ 【宣伝ヘアメイク】林みゆき
【日程】 2022 年 11 月 21 日(月)~12 月 11 日(日) 【会場】シアタートラム

公式HP : https://setagaya-pt.jp/performances/202211assyria.html
公式TWITTER : https://twitter.com/tram_2022

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