エンタメ業界の片隅でひっそりと咲くカンフェティスタッフたちが、
実際に足を運んだ公演の感想を徒然なるまま、記録しています。
※ 感想の性質上、公演の内容に触れている場合があります。未見の方はご注意ください。
= 2026年6月のラインナップ =
- 6/30 宝塚歌劇 宙組公演 ミュージカル・ロマン『黒蜥蜴』/スパーキング・イルミネイト『Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)』(スタッフP)
- 6/28 こまつ座 第158回公演『花よりタンゴ』(スタッフO)
- 6/21 STILL LIFE -スティル・ライフ-(スタッフT)
- 6/21 『レディエント・バーミン Radiant Vermin』(スタッフM)
- 6/20 ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(スタッフS)
- 6/17 謎を解かないと帰れないお笑いライブ5(スタッフW)
- 6/5 十二人の怒れる男(スタッフR)
- 6/5 鈴本演芸場 6月上席 令和八年六月五日『何があったんだ』『記憶椅子』(スタッフA)
- 5/28 Sleep No More Seoul〈スリープノーモア ソウル〉(スタッフK)
宝塚歌劇 宙組公演 ミュージカル・ロマン『黒蜥蜴』/スパーキング・イルミネイト『Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)』
📍 宝塚大劇場
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(写真は投稿者とは別のスタッフからの提供です)
芝居の方は、三島由紀夫の戯曲『黒蜥蜴』を原作にしており、さすがによくできた脚本。
巧みな構成に引き込まれました。
また今回は、年に1回の初舞台生お披露目公演。総勢40名ほどの初舞台生によるロケット(ラインダンス)は宝塚歌劇の恒例ですが、フレッシュなエネルギーが客席にまで伝わってきました。個々のキラキラとした存在感が光っていて、これからの活躍が楽しみです。
宝塚大劇場[兵庫県](2026年5月23日〜7月5日)※公演期間終了
東京宝塚劇場[東京都](2026年7月25日〜9月6日)
こまつ座 第158回公演『花よりタンゴ』
📍 新歌舞伎座
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チェーホフの「桜の園」と「三人姉妹」どちらも併せ持ったようなストーリーですが、絶対的な存在としての「国家」が強調されていることで、それら古典を崩すような要素もあり。
第二次世界大戦後の日本を舞台に、国家の前で成す術なく踊らされる虚しさを抱えつつ、それでもなお自分の意志で踊ろうとする人々を描いた作品でした。
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登場人物のドラマを見ているうちに大戦直後の1945年~50年という時代そのものが浮き彫りになっていく面白さ。
基本的にシリアスではありますが、ちゃんと大衆向けの作品として合間合間にコメディ要素も挟んでいく、井上ひさしの作劇のバランス感覚に唸らされました。
STILL LIFE -スティル・ライフ-
📍 神戸文化ホール 中ホール
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森山未來さんとダニエル・プロイエットさん、2人の身体が呼応し、一体となり、やがて地球の記憶そのものを踊りはじめる——。
神戸で生まれ、海を渡り、再び神戸に還ってきた濃密な70分間を、立ち会った目で記します。
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関西版カンフェティ6/1発行号の表紙とインタビューで森山未來さんを取材した公演。
壁面にレトロな味わいの紫陽花が咲く神戸文化ホール、2028年6月には新・神戸文化ホールが三宮に開館予定です。
ちなみに、紫陽花の絵は高村智恵子によるものだそうです(!)。
今回は900席で2回公演、ダンスをやっていそうな方も多い客席はほぼ満席に。
森山さんとダニエル・プロイエットさんの2人の踊り手が呼応しながらも独立し、時には一体となって踊る姿に見入り頭からっぽになるよき時間でした。
演劇要素としてトランシーバーを持った二人が会話も交わすけれど、今回はノンバーバルな表現にフォーカスして鑑賞。
混声合唱団はもーるKOBEが”voice”(サウンドスケープ)として共演。音響面のみならずパフォーマンスでも存在感を示していました。この作品は2024年に神戸で滞在制作し、海外での初演を経て今回里帰り。滞在制作時から時間をともにした神戸の皆さんにとっては、待ちわびた帰郷でもあったとのこと。
全体のメッセージは地球の誕生、海の歴史、テクノロジー、津波、災害、生と死etc.
鹿のツノみたいなかぶりものや照明に光る防災毛布など印象的な小道具、海外からの音響照明スタッフのチームワークも映えて、70分の凝縮された美しい舞台でした。
森山さんは神戸でのアーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)施設「AiRK」の運営にも関わっていて今後の活動も楽しみです。アフタートークではとてもリラックスした雰囲気で関西弁も飛び出していました♪
『レディエント・バーミン Radiant Vermin』
📍 シアタートラム
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荒唐無稽な設定なのに、観終わった後、胸がざわつく。
立ち見席で観たその1時間45分は、笑いながら背筋が冷える、忘れがたい体験でした。
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軒並みチケットは売り切れのようでしたが、当日券もあると聞いて電話したところ、立ち見席が取れました。
立ち見席は開演10分前にならないと入れず、時間になったら指定場所に集合して案内してもらうという形式。立ち見という経験自体が初めてで最後まで耐えられるか心配でしたが、スペースも広く、壁によりかかりながら体勢を調節できたおかげで、リラックスして観劇を楽しめました。
欲望をテーマにしたブラックコメディという触れ込みに少し構えていましたが、作品自体はとてもテンポが良く、役者の方々の熱演と練りこまれた舞台演出に引っ張られる形で、最後まで没頭していました。
物語の舞台は、若い夫婦の住む家。そこにやってくるホームレスや泥棒のような人たちを感電死させると、66.6秒後に不思議な光を放って家がアップグレードされるのです。夫婦は死んでいく人たちを「リフォーマー」と呼んでいました。悪いことだとわかっていても、自分たちのより良い生活や、生まれてくる子供のためにやめられない。際限のない欲望と、それに伴う罪悪感——そのせめぎ合いが、笑いの中にじわりと刺さってきます。
決してわかりにくい作品ではないのですが、照明や音響効果を含め、劇場で「観る」ことでしか伝わらない魅力が詰まっていると感じました。
元はイギリスで初演された戯曲の日本版。演劇好きにはもちろん、普段あまり舞台を観に行かない人でも思わず引き込まれてしまう、素晴らしい仕上がりでした。
ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
📍 日本青年館ホール
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スペインが舞台の大人のコメディミュージカル!
登場人物たちは皆んなトラブルを抱えて大騒ぎなのに、ラテンな曲の数々に思わず踊り出したくなるような、カラフルポップで終始愉快な舞台でした!
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予想以上にダンスも歌も盛り沢山で、宝塚歌劇のラテンショーが大好きな私としては楽しくて大満足でした。
どのキャラクターも突き抜けていながら、実力ある俳優さんたちが演じるからこそ思う存分笑えて時にはグッと来る場面も。
望海風斗さんはシリアスな役のイメージが強かったのですが、コメディがとてもハマっていて歌は言うまでもなく絶品!
和希そらさんも破茶滅茶でスタイル抜群で可愛くて、でも力強い歌やキレキレのダンスも最高です。
そして驚いたのが秋山菜津子さんのソロがとっても迫力で、エキセントリックな役なのにあの一曲で感情移入してしまう説得力でした……!
他にも魅力を語りたい俳優さん、キャラクターばかりの贅沢な作品でした!
とにかく笑ってパワーをもらえるミュージカルでした。
謎を解かないと帰れないお笑いライブ5
📍 YCC代々木八幡コミュニティセンター(ホール)
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ウェルカム謎 → 全組ネタ → 謎解き
という形式の「お笑い ✕ 謎解き」を実現している、画期的な公演でした。
通常の謎解きと異なり、客が座席から移動できない。という大きな制約があるなか…
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謎のクオリティと観客を最大限に楽しませる演出で、それを乗り越えていて、この公演でしか味わえない興奮がありました。
自分たちと同時に舞台上で芸人さんたちが謎を解いているのを見られるのも楽しい。
また次回も参加します!
十二人の怒れる男
📍 博品館劇場
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若手からベテランまで、個性豊かな12人の俳優さんによって繰り広げられる会話劇。
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【あらすじ】
父親殺しの少年の裁判の陪審員として集められた12人の男たち。
誰の目から見ても有罪判決になるかと思われたが、1人の男の「合理的な疑いがある」という意見によって陪審員たちの考えが錯綜していく──。
【感想】
全員の意見を一致させる必要のあるこの場で、彼らが何を基準に意見を変化させていくかという点が興味深かったです。
事実との矛盾に納得し意見を変える者、状況を進めるために意見を変える者、なおも自分の意見に固執する者……
彼ら一人ひとりの「正しさ」、それに伴う「怒り」の基準はさまざまで、自分の中のものさしを自覚し、見つめ、意見を持つことの難しさを感じました。
正しいと考える条件が人と異なるとき、自信を持って「正しい」と言えるのか?
何を蔑ろにされたら、私は「怒る」のだろう?
そんな風に自分自身を見つめ直させてくれる作品でした。
鈴本演芸場 6月上席 令和八年六月五日 『何があったんだ』『記憶椅子』
📍 鈴本演芸場
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梅雨入りも間近…いつもパワフルな林家彦いち師匠に元気のおすそ分けをいただきに鈴本演芸場へ。
特別企画の日替り出演は、蝶花楼桃花師匠『何があったんだ』
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・「彦いち噺」日替り出演 蝶花楼桃花『何があったんだ』
彦いち師匠作の新作落語を日替りの出演者が演じる特別企画。
会社員の男性が記憶を無くすほど酒に酔った翌日、題名どおり、いったい何があったのか?次々襲われる恐怖を描いた作品の女性版を、持ち前の可愛さと、時代背景はちょっと懐かしい”桃花ワールド”で堪能。
桃花師匠と世代が近いのか、ああ、メッシュ流行ったなーとか、ABAB無くなっちゃったなーとか…出てくるキーワードについ反応。お風呂場から逃げ出すエリマキトカゲは昔見たCMのように飛び出して見えて大迫力でした!(笑)
・「彦いち噺パレード十夜之興」林家彦いち『記憶椅子』
舞台は海辺の街の小さな古びた写真館。座れば写真の中の記憶を思い出すという、不思議な椅子に集まる人たちの物語。
彦いち噺らしくドタバタ賑やかで、昔見た映画のようでもあり、途中に懐かしのアニメや実録ドキュメンタリーの世界まで挟まってきて、もうカオスで!でも、最後の急展開は一気にノスタルジックに、後味はほんのり切なく。これぞ、話芸だからこそ表現できる世界!落語という表現手段の凄さを改めて感じる高座でした。
Sleep No More Seoul〈スリープノーモア ソウル〉
📍 The McKithan Hotel
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イマーシブシアターの原点であり、今なお金字塔として語り継がれる「Sleep No More」。
2003年にロンドンで誕生し、2011年から2025年までニューヨークでロングラン公演を続け、現在は韓国・ソウルで上演されている、世界で最も愛されているイマーシブシアター作品の一つです。
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舞台となるのは、閉館した8階建ての映画館ビルを丸ごと改装した専用劇場。各フロアには物語に合わせた部屋や風景が作り込まれており、観客は上演中、自由に館内を歩き回りながら物語を体験できます。
物語は、W・シェイクスピアの『マクベス』と、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『レベッカ』をベースにしたシリアスな作品。観客は決まった席で鑑賞するのではなく、自ら登場人物を追いかけたり、気になる場所を探索したりしながら、それぞれ異なる視点で物語を紡いでいきます。
【最大の魅力は圧倒的な空間演出】
特に注目してほしいのは、「物語の世界に入り込む」ために徹底的に作り込まれた美術セットです。
1930年代のホテルをベースに、ダンスホール、バー、寝室はもちろん、街、森や精神病棟など、一つの建物の中とは思えないほど多彩な空間が広がります。その完成度は驚異的で、一歩足を踏み入れた瞬間から自然と作品世界へ没入していきます。
また、館内は全体的に薄暗く設計されており、時には暗闇の中を手探りで進むような場面もあります。視覚に頼り切らない演出によって、五感をフルに使いながら物語を体験することになります。
【言葉を使わないからこそ伝わる感情】
ノンバーバル(セリフのない)作品であり、物語の大部分はコンテンポラリーダンスによって表現されます。
愛憎、狂気、苦悩といった複雑な感情までもが身体表現へと昇華されており、キャストの表情や息づかいまで感じられるほどの至近距離でその演技を目撃できます。
さらに、薄暗く秘密めいた空間の中で登場人物たちのドラマを覗き見しているような感覚も、この作品ならではの魅力。没入感と背徳感が入り混じる、唯一無二の体験を味わうことができます。
これほど大規模なセットを用い、過激な表現も含む作品は、日本での上演が難しいとも言われています。
だからこそ、韓国を訪れる機会があるなら、ぜひ一度体験してほしい作品です。
「今まで味わったことのない刺激的なエンターテインメントを体験したい」。そんな人にこそ、自信を持っておすすめの作品です!