2025年はどんな観劇ライフを過ごしましたか?
気づけばもう年の瀬。今年も様々な舞台作品との出会いがあったことでしょう。
カンフェティスタッフによる不定期連載企画「エンタメ盛り上げ隊」では、
「あー、面白かった!」「なんか泣いちゃった」「え、あれはどうなってるの?!」
劇場を出る時のあの気持ち、観劇後の余韻や興奮、友人と語り合った熱い感想に、
勝手に賞をあげちゃいます!
評論家目線ではなく、純粋に観劇を楽しむカンフェティの社員だからこそ感じる、
リアルな感動と驚きを詰め込んだアワード。
さあ、あなたの2025年ベスト観劇体験は何でしたか?
・涙腺崩壊賞 5作品
・笑いすぎて腹筋痛い賞 4作品
・新たな発見!賞 5作品
・脳内会議開催賞 3作品
・心はまだ劇場にいる賞 7作品
・オリジナル賞 2作品
感動の涙・それ以外の涙、2025年にこの舞台/イベントで涙腺崩壊しました!
TipTap『Play a Life 10周年記念公演』
博品館劇場 / 5月16日~5月23日
公式サイト:https://tiptap.jp/works/play-a-life/
一度は観てみたいと思っていた演目でした! 私は初演キャストの回を観劇。登場人物たった3名で紡がれていく物語にびっくりするぐらいに泣いてしまいましたが、私だけではなく客席全体がめちゃくちゃに泣いていました。日本産ミュージカルすごい!
プレミアム音楽朗読劇
『VOICARION XIX〜スプーンの盾〜』
シアタークリエ / 1月4日~1月30日
公式サイト:https://www.tohostage.com/voicarion/2025spoon/index.html
まるで、並み居る大御所声優さんたちのアテレコ風景を覗き見しているような…
プレミアムでプライスレスな観劇体験をすることができました。
ナポレオンの狂気と、タレーランの孤独と…
豪華キャストによる渾身の朗読、今思い返しても胸が締め付けられるようです!!
来年上演の、シリーズ10周年記念公演もとても楽しみです。
まる企画『父と暮せば』
小劇場 楽園 / 1月4日~1月30日
公式サイト:https://x.com/malukikaku
原爆被害の中生き残ったひとりの女性の再起のための物語です。不朽の名作で私はこの作品の観劇はまだ2度目ですが、剣持直明さんというお父さん役に心底夢中になっており、この方以外のお父さんは受け付けないのではないかというほどの剣持パパガチ勢です。体中の水分が全部出ていくのではないかと思うほど、泣きました。また再演があれば泣きに行きます。最高でした。
ミュージカル『薄桜鬼 真改』藤堂平助篇
天王洲 銀河劇場 / 6月20日~6月29日
公式サイト:https://www.marv.jp/special/m-hakuoki/shinkai-toudo-2025/
7年間藤堂平助を演じてきた樋口裕太さんの満を持しての主演作。樋口さんは薄ミュのイベント等で「平助はずっとつらい」「報われてほしい」ということを度々言っている印象だったのですが、今回は最初から最後までみんなから平助への愛を感じていました。特に、ラストシーンで道をたがえた仲間が「お前の不器用な生き様見てるぜ」と歌うシーンでは、嗚咽を抑えるのに必死で気が付いたらラスボスが倒れていました。舞台で嗚咽が出るくらい泣いたのは初めてで忘れられず未だに引きずっています。
ミュージカル『マリー・キュリー』
天王洲 銀河劇場 / 10月25日~11月9日
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ / 11月28日~11月30日
公式サイト:https://www.mariecurie-musical.jp/
マリーの科学者としての苦悩とプライド、科学の功罪、友情、夫婦の絆、全てをしっかりと描いている本作。2幕はずっと泣いていましたが、私が特に涙腺崩壊したのは夫・ピエールとの別れのシーンでした。ピエールの出番こそ多くないものの、しっかりとお互いを尊重し合う夫婦のシーンはどれも印象的で、別れのシーンがより際立ちました。
2025年にこの舞台/イベントで 「たくさん笑いました!楽しかった!ありがとう!」
遅咲会『舞台浸水』
サンモールスタジオ / 11月19日~11月24日
公式サイト:https://ososakikai.com/2025-08-16_butaishinsui/
とある劇団の本番開始2時間前からの話。台風の影響で水浸しになった舞台で本番やれるのか?台風の影響で電車遅れてヒロイン会場つけない?!裏導線が!衣装が!幕は上がるのか!
というドタバタ系演劇です。ドタバタコメディがお上手な劇団で、去年の公演も最高でしたら、今回も面白かったです。(そういう解決の仕方するの?!天才じゃん(笑))と声出して笑う感じ。伏線回収の華麗さに感心します。今年も観れてよかったなぁ。
舞台『エグ女2025』
日本青年館ホール / 10月3日~10月5日
公式サイト:https://aoi-stage.jp/egujo2025/
女性あるあるを描いたオムニバス形式の作品。
あるあるが生々しすぎて、笑っていいのか絶妙なラインなシチュエーションが満載でした(笑)
しんみりと物語が締まったかと思えばドタバタの乱闘が始まり、最後まで面白さにあふれた作品でした。
劇団アンパサンド『遠巻きに見てる』
三鷹市芸術文化センター 星のホール / 4月18日~4月27日
公式サイト:https://gekidanampersand.wixsite.com/mysite/blank-1
とある郊外のT字路にぽつんと置かれた自動販売機の周りで、どこにでもいそうなランナーやOLや若いカップルが交錯して奇想天外な展開になっていくのが面白くて、客席のあちこちでも引きつり笑いが起こっていました。
梅棒 20th Breakdown『FINAL JACKET』
サンシャイン劇場 / 11月8日~11月24日
ウインクあいち / 11月29日~11月30日
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール / 12月5日~12月7日
公式サイト:http://umebou20th.dynamize.net/
梅棒さんの20回記念公演です。自分の役以外にもたっっくさんのモブキャラを演じられるのですが、それがまた強烈個性のキャラクターたちで爪痕をゴリゴリに残して去っていくのです。日替わりゲストさんに翻弄される劇団員さんも最高でした。梅棒さんの公演を見た後は必ず元気になれます。
2025年にこの舞台/イベントで「あの俳優さんの新たな一面!」「知らなかった歴史を知った!」「未知のジャンルを開拓!」
2024/2025シーズン
シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.1
[海外招聘公演]『母』
新国立劇場 小劇場 / 5月28日~6月1日
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/play/mother/
初めて外国語上演の作品を鑑賞しましたが、演劇は国境を超えるのだと実感しました。字幕付きでも違和感なく物語を追うことができたうえ、役者さんがたまに日本語のネタを挟んでいたのも微笑ましかったです。
林家つる子×柳家吉緑二人会『柳田格之進』
きゅりあん小ホール / 2月8日
公式サイト:https://tsuruko.jp/schedule/林家つる子×柳家吉緑二人会「柳田格之進」
「現代の価値観では理解されにくくなってしまった古典落語に新たな命を!」
といったコンセプトのもとに、作中の「父」と「娘」双方向の視点から
二人それぞれが演じ、創作した意欲的な二人会。
令和時代の「新たな落語」を観た感じがして、とても良かったです。
3月特別企画公演『袴裂・武文』
国立能楽堂 / 3月28日~3月29日
公式サイト:https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2024/3128/
能のよくあるパターンと違い、場面転換が頻繁に行われていました。
舞台装飾や道具がほぼない能舞台でも、「ここはもう次の場面!」とすぐにわかりますし、
より「劇的」な展開の部分もとても良かったです。演出力がすごいです!
こういう形の能もあっていいな~と思いました。
遠い昔の能も、いろんな形で存在していたのではないだろうか、そんなことを考えながら、楽しい時間を過ごしました。
パルコ・プロデュース 2025 『ヴォイツェック』
東京芸術劇場プレイハウス / 9月23日~9月28日 など 全国公演
公式サイト:https://stage.parco.jp/program/woyzeck
普段格好良いイメージのある森田剛さんが、小さな少年のようなあどけないお芝居をされていたのが印象的でした。現実と幻想が曖昧になっていく様に不気味さを覚えた作品です。
公式HPの公演レポートにも写真が掲載されている、ヴォイツェックが粉洗剤を全身に浴びるシーンには圧倒されました。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
帝国劇場 / 2024年12月20日~2025年2月7日 など 全国公演
公式サイト:https://www.tohostage.com/lesmiserables/
何度も上演されている本作ですが、染谷洸太さんのテナルディエはまさに発見でした。こんなテナルディエ像があったとは……!ダメダメな奴ですが、身のこなしなどスタイリッシュで新鮮でした。昨今いろいろ大変な世の中、テナルディエ夫妻のようにしぶとく生き抜く人々を責める権利は誰にも無いかもしれません……。
2025年にこの舞台/イベントで「帰り道もずっと考えてた!」「友達と語り合いが止まらない!」「正解のない問いに向き合わされた!」
タカハ劇団『他者の国』
本多劇場 / 2月20日~2月23日
公式サイト:https://takaha-gekidan.net/2024/11/09/他者の国
優生思想について考えさせられる作品でした。アフタートークで登壇された教育学者の神戸和佳子さんが、倫理から外れないためには「立ち止まって『はて?』と考えることが大切」と仰っていたのが印象的でした。同時に、「正しいっぽいことを言っている人に寄る必要もない」という言葉にも考えさせられました。
あやめ十八番 『金鶏 二番花』/『金鶏 一番花』
『金鶏 二番花』座・高円寺1 / 2025年7月
『金鶏 一番花』東京芸術劇場シアターイースト / 2025年9月
公式サイト:https://ayame-no18.com
戦前~戦後と時代が変わっていく中で「テレビジョン」にかかわった人々を題材にした2作品です。最初に二番花、一番花の順で公開されたのですが、登場人物のエピソードが両作品を見ることで繋がってゆきそこも面白かったです。
『ここが海』
シアタートラム / 9月20日~10月12日
公式サイト:https://kokogaumi.com/
戸籍上の性と自認の性が異なることを告げられたところから始まる家族の話。
本人(妻)視点ではなく、家族(主に夫)視点で描かれることで、
作・演出の加藤拓也さんの言葉を借りると「同じ立場になりうる」という目線になり、
単なる創作物として終わるのではなく、法律や制度についても調べるきっかけになりました。
2025年にこの舞台/イベントで「余韻が何日も続いてる!」「気がつくとあのシーンを思い出してる!」「日常に戻れない!」
ミュージカル『ワイルド・グレイ』
新国立劇場 小劇場 / 1月8日~1月26日 など 全国公演
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/wildgrey2025/
とりあえず1回観てみるか~と思いきや、気づけばWキャスト交互に何度も観てしまいました。過不足のない完璧な3人芝居。韓国版では演出が違うらしいので、そちらも気になる……。小説『ドリアン・グレイの肖像』を読んでから観るとより一層味わい深いです!! 絶対に再演してほしい!
EPOCH MAN 舞台『我ら宇宙の塵』
シアタートップス / 10月19日~11月3日 など 全国公演
公式サイト:https://epochman.com/wuc2025.html
死んだら人はどこにいくのか?という疑問を持った男の子がそれを求めて家出しちゃう話。これはお母さんに感情移入しすぎてしんどかったです。素晴らしいお芝居だったのですが、もし私がお母さんだったらどうすれば…と考えてはゾッとしてしまうのですよね。
報われてほしい…幸せになってくれお母さん…今も思い出して背筋がゾッとしてしまうのです。
舞台『花郎~ファラン~』
THEATER MILANO-Za / 10月19日~11月3日
梅田芸術劇場ドラマシティ / 10月19日~11月3日
公式サイト:https://www.stage-hwarang.jp/
美しい青年貴族たちの泥臭い生き様を描いた、決意と絆(と恋愛)の物語です。長尺の韓国ドラマを3時間にぎゅっとまとめた作品ですが、最初から最後までわくわくが途切れず楽しかったです。
客席全体を使ってお芝居が展開されていたのもわくわくしました!
GORCH BROTHERS PRESENTS『極めてやわらかい道』
本多劇場 / 3月20日~3月30日
公式サイト:https://www.gorch-brothers.jp/stage/9147
4人の男性があるアパートの一室に集まり、一人の女性を監視し続ける物語です。彼ら以外誰も足を踏み入れることのできなかった空間に、他者が介入することで均衡が崩れていきます。
応援している”推し”がいる私にとっては、愛が暴走する登場人物たちに何とも言えない感情になった場面もありましたが……(笑)何か一つのものや人に熱狂し続けられるのも才能なのではないか、と思わされました。主人公が女性の髪の毛の束を、まるで大盛りの蕎麦のように貪り食べる姿に圧倒!!
第39回 月窓寺 吉祥寺薪能
武蔵野市民文化会館(雨天会場) / 10月14日
公式サイト:https://musashino-kanko.com/musashino-event/no39_takiginou/
『小鍛冶』で稲荷明神を演じた宝生和英さんの身体表現に、思わず息を呑みました。
刀を打つシーンでは、能面で視界が極端に制限された状態にもかかわらず、高さ約20cmの一畳台から跳躍し、空中で半回転。本舞台への着地の瞬間、足元がザーッと後方へ滑る——その一連の動きが、か…カッコいい!
気がつくとあのシーンを思い出している自分がいます…。
ダダルズ『よだれ観覧車』
中野スタジオあくとれ / 11月17日~11月24日
京都UrBANGUILD / 11月27日
公式サイト:https://dadaruzu.site/
ダダルズは毎回新作を発表するたびに見たことのないものを見せてもらえます。突飛で芯をついたワードセンスと観客を安心させないエキセントリックな展開が繰り広げられる、劇場でしか味わえないライブ体験です。見たあとは興奮と内省が半年間くらい続きます。元気がもらえます。
『デスノート THE MUSICAL』
東京建物 Brillia HALL / 11月24日~12月14日 など 全国公演
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2025/
初めて本作を観たときは、私自身が作中の月やLと年齢が近く、二人の戦いに胸が躍ったのですが、大人になって改めて観ると、捜査に当たる警察官や月の家族に感情移入してしまいました。俳優陣の熱演、キャッチーでロマンチックな楽曲に胸を打たれ、余韻からなかなか抜け出せません。
他の賞にはぴったり来ないけど、どうしても賞をあげたい!
billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY
SYMPHONIC CONCERT 2025 “ODE TO JOY”
日本武道館 / 6月17日~6月18日 など 全国公演
公式サイト:https://billboard-cc.com/tamaki-odetojoy
玉置浩二さんの生歌は言わずもがな圧巻でした…!東京フィルハーモニー交響楽団の美しい演奏と玉置さんの圧倒的歌唱力の調和が素晴らしく、同じ時代を生きられる奇跡を毎度噛みしめています…一度でいいので皆さんぜひ生歌を聞いてください!
ラ・フォル・ジュルネTOKYO2025
《異端児!~“アパッシュ”ラヴェルに捧げるスキャンダラスな演奏会》
東京国際フォーラム ホールC:サン・マルコ / 5月4日
公式サイト:https://www.lfj.jp/lfj_2025/
もともとラヴェルの音楽が好き、そして生誕150周年メモリアルイヤーということもあって、様々な形態の「ボレロ」を生で観ました。その中でも最も感動を与えてくれたのが本演奏会です。編曲の室内オーケストラ版でした。後半の難所であるトロンボーンのソロも軽やかにこなし、最後はなんと奏者全員立ち上がっての大団円。本場の音楽の力を見せつけられ大いに魅了されました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
あなたの心に残る「○○賞」もぜひ教えてください!
2026年はどんな作品に出会えるのでしょうか。
新しい年も、カンフェティは皆さんと一緒にエンタメを盛り上げていきます。
それでは、良いお年を!