“復讐”に囚われた者たちは、日の当たる場所に戻れるのか? 舞台『WORLD』最新作に校條拳太朗・杉江大志・佐々木優佳里(AKB48)が続投出演

“復讐”に囚われた者たちは、日の当たる場所に戻れるのか? 舞台『WORLD』最新作に校條拳太朗・杉江大志・佐々木優佳里(AKB48)が続投出演

 菅野臣太朗の脚本による舞台『WORLD』シリーズの最新作『WORLD ~Run for the Sun~』が2022年9月3日に開幕する。2013年の初演・2016年の再演を経て、昨年2021年には大幅な改編を加えた『WORLD〜Change The Sky〜』が上演された。今回で4度目の上演となるが、シリーズで初めて、己の復讐心に囚われていた登場人物たちの“その後”の姿が描かれる。また、演出が菅野から橋本昭博に代わっての公演となるのにも注目したい。
 今回は『WORLD〜Change The Sky〜』からの続投キャストとなる、三上龍司役の校條拳太朗、相沢顕示役の杉江大志、飯島久留美役の佐々木優佳里に話を聞いた。

―――まずは今作の見所について、いかがでしょうか?

校條「今作『WORLD ~Run for the Sun~』は『WORLD〜Change The Sky〜』の続編になります。僕が演じる三上龍司は、杉江さん演じる相沢顕示と共に奥多摩孤児院で育ち、そこで親のように慕っていた飯島楓が殺害される事件が起きたことが全てのきっかけになっています。
 前作では僕ら2人と、楓の妹の久留美が、その復讐のために動き出しますが、求めていた結果は得ることが出来ずに1つの結末を迎え、今作はそこからのスタートということで。三上は連続殺人犯として指名手配、相沢と久留美の2人は拘留されているという状況なので、そこから一体どんなドラマが生まれるのかが見所です」

杉江「続編と言っても、物語の中で前作ではどんなことがあったのか都度説明が入るので、もし前作を観ていなくてもちゃんと内容は分かるようになっています! 勿論、前作から観ていただいている方は、それぞれの人物にどんな葛藤があって、今作においてどんな心情の変化があったのか、バックボーンを踏まえて観ていただけるので、より楽しめるかと!」

―――改めて、お三方が演じる人物について教えてください。

杉江「僕が演じる相沢顕示は三上と一緒に奥多摩孤児院で育って、飯島楓が殺害された現場に三上と共に居合わせてしまったという重い過去があります。
 前作では、その復讐劇として三上が連続殺人を起こすのですが、そのターゲットの情報を秘密裏に三上に流していたのが相沢です。前作の最後で情報提供していたのが実は相沢だった、ということが明らかになり、拘留されるところで終わっています」

佐々木「飯島久留美は18年前に起きた奥多摩孤児院殺害事件で姉の楓を亡くし、そこから姉を想って色々な行動を起こしていました。志を同じくする三上、相沢の2人と出会うことで運命が大きく動き出しますが、最終的には相沢と一緒で拘留されて終わってしまったので……今作ではどうなるのか、ぜひ注目していただきたいです」

校條「三上の生い立ちは先ほど話した通りなのですが、18年もずっと復讐心を忘れずに生きてきて、実行に移してしまう行動力のある人物です。
 三上のしていることは復讐のためとはいえ決して許されることではないんですが、どこか人間として共感出来てしまう部分もあって……。あまりにも真っ直ぐというか、世の中のしがらみに縛られていない人だなと思いますね」

―――今回のサブタイトル『~Run for the Sun~』はどこか未来を感じさせる印象ではあるのですが、観終わった後はどんな気持ちになれる作品でしょう?

佐々木「どこまで話していいのか難しいのですが、かなりそれぞれの人生に変化はありますよね」

校條「前作は文字通り“復讐劇”だったのですが、今作はその先の物語なので、変えたかった未来は変えられなかったかもしれないけれども……という状況の中、1人1人の登場人物がどのような選択をしていくかを見届けてほしいです」

杉江「何度も公演されている作品ですが、今までの『WORLD』はどれも連続殺人が起きている時間軸が描かれている中、今作の『~Run for the Sun~』が初めて“その後”の話になるんですね。“復讐”に囚われていた彼らは、前作では志を果たせなかったわけですが、それでもそれぞれの人生は続いていく……そんな様子を『~Run for the Sun~』というサブタイトルが表しているのかも」

―――お三方以外にも前作から続投するキャスト(登場人物)がいらっしゃいますが、印象的な方や好きな登場人物はいますか?

佐々木「今作の稽古に向けて、つい先日前作のDVDを見たんですが……」

杉江「偉いね!」

佐々木「お二人もぜひ見てくださいよっ(笑)」

校條・杉江「すみません(笑)」

佐々木「改めてそれぞれの人物がブレずに生きていて、いいなと思いました。世界を変えるために、報われないこともあるけれど志を曲げることなく……どの人物もカッコよくて、誰か1人は選べないなぁ。今作では新キャストも増えて、新しく関わることになる人物もいるので楽しみです」

校條「ストレートにカッコいい役だなと思うのはオガケン(小笠原健)さんが演じる犬飼猛。警察でありながらも、警察の枠に囚われず自分の信念を持って動いていて、それこそサブタイトルの“太陽”に1番近い人物な気がします」

杉江「王道に“正義”を象徴する存在だよね。意志も強くて、肉体的にも強くて、小癪な悪に負けない人。でもそういう人ほど周りに振り回されていくんですよね。
 “正義”という意味では、トシくん(田中稔彦さん)演じる浅沼達樹は、犬飼と同じような正義感を持っているけれど犬飼とはアプローチの仕方が違うのが、あぁ上手くいかないなぁって。芯の部分は同じなのに、なかなか噛み合わないのが人間同士だよなって思います」

―――少し趣向を変えて、皆さん自身にこの1年で起きた“個人的な事件”はありますか?

校條「僕は岐阜県出身なのですが、小学校の同級生と、高校の同級生が同じ最寄り駅に住んでいることを知ったのが、現状の今年のハイライトです!」

杉江「その2人は面識あるの?」

校條「僕がそれぞれの話は聞かせているので、間接的にお互いを知っている……という感じ。それで4人でご飯に行ったんですけど……」

杉江「待って! 今、急に1人増えたよ(笑)!?」

校條「あ、もう1人、小学校の同級生がさらに隣の駅に住んでいて(笑)。その人も呼んで4人で会いました。地元から離れているのに、そんなに集まるのってすごくない?」

杉江「すごいね。同級生たちは結婚してるの?」

校條「うん、僕以外は結婚していて、子供がいる人もいて……」

杉江「そしたら、子供たち同士も幼馴染や同級生になる可能性も今後あるわけだ。そりゃ大事件だね(笑)!」

―――杉江さんと佐々木さんはいかがですか?

杉江「僕はすごく個人的な嬉しい事件なんですが、釣りが趣味で、色々なメディアで釣りのお話をさせていただいていたら、なんと釣り専門チャンネルの『釣りビジョン』で釣りの冠番組を持たせていただくことになりました!」

佐々木「私もそれに近いんですが、ゲームがすごく好きで、趣味が高じてOPENREC.tvで個人チャンネルをやらせていただいているんです。先日そこで『Fall Guys(フォールガイズ)』のゲーム実況を配信したんですが……」

杉江「『Fall Guys』って何?」

校條「バーチャル版のSASUKEみたいな感じだよね。50人くらいでゲームに挑戦して、脱落しないようにチャレンジしていく……」

佐々木「そうです、そうです! 6ヶ月くらいプレイし続けていたんですが、初めて1位になれて! しかも配信中に1位になれたのでファンの方もすごく喜んでくれて、それが何より嬉しかったです」

校條「いいね! 好きなことを発信し続けた結果、仕事に繋がるのは最高だね」

―――では、最後にインタビューをお読みの皆様にひとことお願いします!

佐々木「この作品には“世界が始まる”というキャッチコピーがあるのですが、物語のスピード感を体感しながら、ぜひその“始まる”瞬間を目撃してほしいと思います。久留美が18年もの間1人で抱えてきた闇が、今作で少しでも希望に変わればいいなと私自身も願っています」

杉江「少し大げさかもしれませんが、観てくださる方の価値観、倫理観、あるいは正義感に一石を投じる作品になるかなと。人の数だけ考え方やそれぞれの“正義”があって、だから人と人って上手くいかなくて、でもだからこそ魅力的だなと思うんです。この作品のメッセージをどう受け取るかも、人それぞれで構わないと思うので、ぜひ劇場に観に来てほしいです」

校條「最近特に暗いニュースが目立つような気がしますが、本当は昔からそこまで世界は変わっていなくて、僕ら自身が目をそらしていた現実と向き合わないといけないんじゃないか……そういうことを考える時間が増えました。この作品はまさにそんな現実と向き合うきっかけになるような作品です。自分は今のままでいいのかな……そう漠然と思っている人の背中を押すような作品になるように、頑張ります」

取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage)

プロフィール

校條拳太朗(めんじょう・けんたろう)
1990年11月2日生まれ、岐阜県出身。近年の主な出演作品として、舞台『宇宙戦艦ティラミス』スバル・イチノセ役、舞台『ぼくらの七日間戦争』菊地英治役、舞台『無人島に生きる十六人』範多ウィリアム役、ドラマ『CODE1515』蜂須賀煌役、映画『ボクらの島冒日記』村上役などがある。

杉江大志(すぎえ・たいし)
1992年5月7日生まれ、滋賀県出身。近年の主な出演作品として、ミュージカル『スタミュ』星谷悠太役、本能バースト演劇『sweet pool』三田睦役、ミュージカル『ヘタリア』中国役、舞台『文豪とアルケミスト』武者小路実篤役、『⻘山オペレッタ THE STAGE』相良明之介役、映画『メサイア -幻夜乃刻-』加々美いつき役など。

佐々木優佳里(ささき・ゆかり)
1995年8月28日生まれ、埼玉県出身。AKB48 12期生としてアイドル活動をしつつ、女優としてもその頭角を現している。主な出演作品として、『THE SHOW TIME』辻彩芽役、舞台『マジムリ学園』ハイエナ役、舞台『コミック探偵』ジェミニ役、舞台『トレーディングライフ』神尾美里役など。

公演情報

舞台『WORLD -Run for the Sun-

日:2022年9月3日 (土) ~11日 (日)
場:こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ
料:特典付きチケット11,800円
  前売り9,800円 当日券10,300円
  (全席指定/税込)
HP:http://world-the-stage.com/
問:サンライズプロモーション東京
  tel.0570-00-3337(平日12:00~15:00)

Advertisement

ウェブマガジン限定カテゴリの最新記事