
ジョン・クランコ振付『オネーギン』全3幕を、東京バレエ団が14年ぶりに上演。2010年の同団初演では、現団長 斎藤友佳理がヒロイン タチヤーナを踊っている。
「友佳理さんにとって思い入れのある作品だとずっと前から聞いていました。まさか自分が主要な役で舞台に立てるとは思ってもいなくて。まだ夢なんじゃないかなという気がしています」と話すのは、ソリストの工桃子。今回の再演で、タチヤーナの妹オリガ役に抜擢された。
『オネーギン』といえば、ドラマティック・バレエの最高傑作といわれるクランコの代表作の1つ。上演権の厳しさで知られ、ジョン・クランコ財団により厳しく管理されている。今回の上演に際しても、振付指導のジェーン・ボーンが来日し、団内オーディションを実施。まず通常レッスンによりキャスト候補が選抜され、そこからトライアウトがおこなわれた。
「ジェーンさんがレッスンを見学されて、そこでオリガ役候補として選んでいただき、その日のうちからトライアウトが始まりました。1幕で、恋人のレンスキーと踊るパ・ド・ドゥを振り移ししてもらい、それを1週間ずっと踊り続けました。とても必死でしたね」
2週間程経って、キャストが決定。ダンサー全員が集められ、1人1人名前が読み上げられた。
「今思い出してもドキドキします(笑)。友佳理さんから『よかった』と声をかけてもらって。泣いてしまいました」
入団10年目。当初から大切にしてきたことがあるという。
「1年目の時から、どのようなシーンでもその場を生きるような感情表現の大切さを指導されてきました。どれだけ今まで作品に対して真摯に向き合い、積み上げてくることができたかが重要になると思う。振付け、踊りを見せるのではなく、踊りに感情が乗っているから踊る。そういう踊りが出来たらという気持ちでいます」
オリガは天真爛漫で明るく無邪気な役どころ。これまでも明るくキュートな役を多く踊ってきた。素顔も明るく朗らかで、大きな笑顔が印象的だ。
「やっぱり明るいキャラクターの方が演じやすいですね。あまり作り込んで演じるのではなく、そのままでいられたらと思っています。ガチガチになっていたらお客さまに伝わらないと思うから、楽しんで踊りたい。それで、ありのままのオリガで舞台に立てたらなって思っています」
(取材・文:小野寺悦子 撮影:平賀正明)

プロフィール

工 桃子(たくみ・ももこ)
熊本県出身。6歳よりバレエを始める。高校卒業後、大阪芸術大学芸術学科舞踊コースで学ぶ。2017年、東京バレエ団に入団。2024年、ソリストに昇進。主なレパートリーに、マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ版『白鳥の湖』四羽の白鳥、ウラジーミル・ワシーリエフ版『ドン・キホーテ』キューピッド/キトリの友人、斎藤友佳理版『眠れる森の美女』歌うカナリヤ/金の精/白い猫、斎藤友佳理版『くるみ割り人形』フランス/コロンビーヌなど。
公演情報

東京バレエ団 ジョン・クランコ振付『オネーギン』全3幕
日:2026年11月6日(金)~8日(日)
場:新国立劇場 オペラパレス
料:S席18,000円 A席14,000円 B席11,000円 C席8,000円 D席6,000円 ※他、各種割引あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://thetokyoballet.com
問:NBSチケットセンター tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)
16名限定! A席14,000円→11,100円+カンフェティポイント付き!
