演出家としても活躍する錦織一清が、劇作家の故 榎本滋民による『あゝ同期の桜』を昨年に引き続き上演する。大東亜戦争末期に招集され、多くが特攻隊員として出撃した海軍飛行予備学生の遺稿集を元に、榎本が新国劇のために書き下ろし、1967年に初演された本作は、当時テレビ映画としても制作された。それから半世紀近くの時が過ぎ、2015年に戦後70周年の節目に再演された。そこが本作と錦織の出逢いになる。
「松竹でプロデューサーとして活躍されていた上田浩寛さんが新たに脚本化してくださいました。元々の形だと3時間を超える大作だし、出演者も多かったですから」
そして2024年の再々演では三越劇場を会場に選び、今年で3年連続の上演となる。
「この作品は三越劇場での上演が合うんじゃないかと思っていたんです。そこで、そろそろ『あゝ同期の桜』をここで上演してみたい、とお願いしました」
「本作をずっとやりたかった」という錦織。その理由を聞くと。
「僕の父は昭和4年生まれの三男だったのですが、一番上のお兄さんは海軍で戦死されているんです。だから大東亜戦争の話は父から聞くことが出来ました。その父も数年前に他界し、今度は体験者から話を聞いている僕らがそういった話を紡いでいくべきだと思いまして」
今年、主役となる第14期海軍飛行予備学生の諸木文晴役に抜擢されたのは中山脩悟。今作が初舞台、初主演となる。
「脩悟さんですが、タレントの中山秀征(ヒデ)さんの息子さんです。ヒデさんにはお世話になっているし、飲みに行ったりもしますが、脩悟さんとは今回初めてお会いしました。すごくしっかりした印象がある役者さんですよ。もう1人、隊員役のニューキャストは髙野皓平さん。彼は大阪芸術大学で僕の生徒だったこともある役者さんです」
3年連続となる本作。新たなメンバーを迎えての上演。楽しみにしていることを聞くと。
「毎度同じメンバーでやれるわけでないので変化がありますが、その度におきる化学反応が楽しみです。お芝居っていうのは役者が1人変わるだけで全く新しい芝居になりますから」
(取材・文:渡部晋也 撮影:NAITO)
プロフィール
錦織一清(にしきおり・かずきよ)
小学生でジャニーズ事務所に入所。アイドルグループ「少年隊」のリーダーとして一世を風靡。一方でテレビドラマや舞台を中心に俳優としても活躍。1999年、つかこうへい演出『蒲田行進曲』への出演をきっかけに舞台演出にも積極的に関わるようになる。主な演出作品に、ミュージカル『グレート・ギャツビー』、『蘭~緒方洪庵 浪華の事件帳』、時代小説『しゃばけ』シリーズなど。劇作家・羽原大介と共に坊ちゃん劇場作品などの演出も手がける。演出したミュージカル『よろこびのうた』が、「All Aboutミュージカル・アワード ファミリー・ミュージカル賞」を受賞。
公演情報
舞台『あゝ同期の桜』
日:2026年8月13日(木)〜17日(月)
※他、木更津公演あり
場:三越劇場
料:1等席9,800円 2等席6,000円 3等席4,000円(全席指定・税込)
HP:https://unclecinnamon.com
問:アンクル・シナモン mail:info.douki2026@gmail.com
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