東京バレエ団が、アンナ=マリー・ホームズ版『海賊』を再演。初演は2019年で、アンナ自ら来日し、指導をおこなった。
「テクニックが難しくて、初演は手こずりました。2021年の再演では、回転が得意な人にコツを聞いて、自分なりに納得した踊りができたつもりです」
そう話すのは、ファーストソリストの伝田陽美。初演・再演でギュルナーラとオダリスクを踊り、そして今回、ヒロインのメドーラに配役された。
「テクニックはもちろん、コントロールが必要な振りが多く、地味に辛くて難しいですね(笑)。お話をいただいたときは『私で大丈夫ですか?』と、まず聞きました。東京バレエ団でメドーラを踊ってきた人たちは、みなさん可愛らしくキラキラしていたので。ただ、『ドン・キホーテ』でキトリを踊ったとき、最初は姉御肌のキトリをイメージしていたのが、リハーサルを重ねるうちに違うものになって、新たな扉が開けたのではないかと思いました。なのでメドーラも、リハーサルを重ねるうちにまた違うものが見えてくるのではないかという気持ちがあります」
昨年、『ドン・キホーテ』のキトリで全幕主演デビューした伝田。入団は2008年で、18年目の大抜擢にファンも大いに沸いた。
「あれは嬉しかったですね。カーテンコールで会場全体が同じ気持ちになっているのを感じました。これが最初で最後でもいいと思っていたのだけれど……」
続いて今年7月と8月、はじめてのバレエ『白鳥の湖』にオデット&オディールで主演。遅咲きの花を咲かせている。長い下積みの中で、いつか全幕作品で主演を、という気持ちはなかったのだろうか?
「全然考えていませんでした。ずっと群舞で、5〜6人で踊るパートに入ったときは嬉しくて知恵熱を出したくらいです(笑)。日々オーディションだと思ってやってきました。毎日のクラスもそう。何があっても休まないというマインドで、皆勤賞を目指して。どんな役でも一生懸命臨んできました。貴族役でも立ち役でも、毎回爪痕を残そうと思ってやってきました」
今回はメドーラとして、どんな女性像を残すのだろう。
「芯のある女性としてメドーラを表現したいです。男性ダンサーの活躍が多い作品だけど、その中でキラっと女性らしく美しく、そしてテクニックもしっかり魅せていけたらと思っています」
(取材・文:小野寺悦子 撮影:平賀正明)
プロフィール
伝田陽美(でんだ・あきみ)
長野県出身。5歳よりバレエを始める。2008年3月、東京バレエ団に入団。2009年、マラーホフ版『眠れる森の美女』で初舞台。2016年4月にソリスト、2018年4月にファーストソリストに昇進。主なレパートリーに、ウラジーミル・ワシーリエフ版『ドン・キホーテ』キトリ/メルセデス/若いジプシーの娘、モーリス・ベジャール『M』ヴァイオレット/女、金森穣『かぐや姫』秋見/緑の精、はじめてのバレエ『白鳥の湖 母のなみだ』オデット/オディールなど。
公演情報
東京バレエ団『海賊』プロローグ付 全3幕
日:2026年8月26日(水)~30日(日)
場:新国立劇場 オペラパレス
料:S席18,000円 A席14,000円 B席11,000円 C席8,000円 D席6,000円 ※他、各種割引あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://thetokyoballet.com
問:NBSチケットセンター tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)
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