小林顕作×ふぉ~ ゆ~ のタッグで届ける下町コメディ再び! 初めて観るのになぜか懐かしい気持ちになる、そんな作品

 “彼ら”が再び舞台に帰ってくる! 舞台『隅田川ヤングロード物語3~嗚呼! 星屑の彼方にふぉ~エヴァー~』が名古屋・東京・大阪で上演決定。主要キャストのふぉ~ゆ~(福田悠太・辰巳雄大・越岡裕貴・松崎祐介)は、久しぶりの本シリーズ上演に顔をほころばせた。

辰巳「一番の楽しみというと、(小林)顕作さんが作ってくれる歌! 顕作さんが作ってくれる歌は、名曲だらけなんです。まだ台本で歌詞しか見ていないので、どんなメロディーが付くのかワクワクしています」

越岡「今回は歌が多いよね!」

福田「そして、石田(明)さんというモンスターが新キャストとして出てくださるのも嬉しい! 『石田さんって、あの芸人の石田さん⁉』と驚きましたし、完成したビジュアルに一緒に収まっているのを見て感動しました」

辰巳「僕が演じる末吉は、今回めちゃくちゃ周りとの絡みが多い役回りで、石田さん演じるアキトさんともたくさん絡む役なので、“尺伸ばし対決”が起こるかも⁉」

松崎「僕ら“劇団尺伸ばし”(小林顕作演出、ふぉ~ゆ~主演『放課後の厨房男子』シリーズで誕生し、自称している架空の劇団)は、『(芝居の尺を)伸ばすな』と言われると伸ばし、『伸ばしていい』と言われるとやらない天邪鬼なので(笑)」 

 東京の下町にある寂れた商店街“隅田川ヤングロード”を舞台に繰り広げられるドタバタ・ライフ・コメディ。団子屋“丸福商店”の主人・丸福五郎を福田、その息子・末吉を辰巳、呉服店の主人で五郎の幼馴染・高輪はじめを越岡、そして丸福家の飼い犬・ポチを松崎が演じる。

辰巳「はじめさんの高音は、もう完全に劇団尺伸ばしの名物だよね」

福田「そろそろ拍手と共に大向こうがかかりそうだもん」

松崎「逆にあれがないと、『あれ? こっしー(越岡)調子悪い?』って心配になるくらい(笑)」

辰巳「高輪はじめっていうワードだけで、あんな高音出せる人いないよ。そしてポチ。僕らはもうずっと言っているんですけど、マツ(松崎)は日本で犬をやらせたら一番上手いんじゃないかと。喋れる犬を、違和感なく演じていますから」

福田「今回、“喋れる犬”であることについて核心に迫るシーンがあるんですが、そこも“隅ヤン”らしいユルい展開が待っていますので、楽しみにしていてもらいたいです」

松崎「そして今回、五郎は意外に末吉との絡みが少ないよね?」

辰巳「父ちゃんの愛ある突き放しでね(笑)。親子揃って頑固者なので。個人的には、このシリーズに隅田川って付いたのは福ちゃん(福田)がいたからだと思っていて。浅草出身の福ちゃんが五郎を演じる商店街だから、隅田川ヤングロードになったんじゃないかと」

福田「隅田川と聞くと、“ウチ”感がありますね。かつての隅田川は……っていうウンチクも話せます!(笑)このシリーズでは『隅田川ヤングロードで映画を作る』という話が出てきて、その中心にいるのが末吉。大団円では末吉がカメラを回す姿がおなじみです」

越岡「冒頭で末吉が隅田川ヤングロードの説明をちゃんとするっていうのも、もう定番だね」

 演出・音楽・原案を手掛けるのは小林顕作。ふぉ~ゆ~とは『放課後の厨房男子』(18・19・20年)からの長い付き合いで、信頼度の高い作品作りが行われているという。

越岡「今回、台本が短いなと思いました(笑)。余白がたくさんあるのは、顕作さんの演出でいろいろ増えるからだろうなと思っています。たった1行のト書きが3分くらいの名シーンになることがあったりするので、ト書きを信じていません(笑)」

松崎「顕作さんの現場は、稽古が早く終わります! 人間の集中力が持つのは2時間ぐらいだからと、集中してガッと作り、決め事がまとまったら稽古は終わり。『こういう作品の作り方もあるんだ』と勉強になりました。それに関係性ができているから、顕作さんが何を求めているかすぐわかって、やりとりが早いんです」

辰巳「僕は、顕作さんのアコギに合わせて歌練習をする時間が好き。いい意味で稽古というより、発表会の練習みたいで楽しいんだよね」

福田「隅ヤンの稽古期間って、学祭や体育祭の準備中みたいだなって思うよ。セリフも覚えようとしているわけじゃないのに、立ち“練習”をすると勝手にセリフが出てくる」

越岡「稽古はずっと楽しいし、早く帰れるからいいなと思っています(笑)。顕作さんが前に『こんなにいい天気の日は、公園で稽古したいな~』と言っていて。そんなふうにいい意味で遊びの延長というか、粛々と真面目に取り組むというよりはみんなでワイワイやる稽古場だなと」

辰巳「劇団尺伸ばしのみんな、プロ意識が高い人たちだからできること。顕作さんが僕らを信頼してくださっているから、そういう環境でやれるんだと思っています」

松崎「稽古が終わったら飲みに行って。もちろん楽しく飲むだけでなく、芝居の話もしていますよ! アイデアをいろいろ出し合って、でも次の日には忘れちゃって(笑)」

辰巳「でも実際、舞台上での円滑なコミュニケーションや信頼性は、そういう時間から生まれていると思います」

福田「顕作さんは、僕らのことを“友達”って言うんです。それが嬉しいし、この作品は仕事という意識より、本当に楽しく集中して向き合っているという感覚です」

辰巳「監督の顕作さんがやりたいサッカーを、選手である僕らが理解して動くっていう関係性に似ているよね。顕作さんが笑いを含めいろいろな手法を僕らにくれて、僕らがそれをずっと忘れずに持っているという感じ。だから、二人技や団体技など、技がいっぱい増えてきました!」

 グループや個人で多様な活動を行っているふぉ~ゆ~にとって、“隅ヤン”はどのような場所なのだろうか。

越岡「僕自身は、ボーナスステージだと思っていて。みんなと、お客さんと楽しく過ごせる空間がこのシリーズだという気持ちがあります。今回も誰かしらに何かしら刺さるところはあると思うので、勝手に来て、勝手に刺さってくれと、そういう想いです(笑)」

松崎「はじめさんっぽいわ~(笑)」

辰巳「同じチームで7回目の公演ができるというのは、僕らにとっても初めて。僕としてはもう、劇団尺伸ばしが“ある”気持ちでやっています。それぞれの芝居のやり方や攻め方が分かっていて、僕らを束ねる顕作さんの戦術も理解していて、劇団ってこういうことなのかなと感じます。この舞台は顕作さんがリーダー、僕らは役者として暴れる。役回りがハッキリしているんですよね」

越岡「そういう場だからこそ、僕は身構える部分がないかもしれません。それぞれが作品を楽しみながら作っている姿を見るのが面白くて、稽古場ではあまり深く考えていないです。長くやらせてもらい、みんなの出方も分かるからこそ、こういう居方ができるのかなと思います」

福田「気心知れているので、ふぉ~ゆ~で舞台をやっているというより、劇団尺伸ばしで舞台をやっているという感覚が強いです。尺伸ばしでの4人の立ち位置はグループ活動のときとはまた違いますし、もう1つグループを持っているような感じ。とても贅沢で面白いなと思います」

松崎「パーティーの時間ですよね! 一人ひとりが本当に楽しく舞台に上がっているのを感じられて、お客様の笑っている顔を見て嬉しくなって……。それぞれが全力でエンターテインメントを追求している場で、同じ公演は一度もない。今回も、おなじみの日替わりゲストが登場するので、どうなるか僕らも楽しみにしています」

 どこかにありそうな商店街の、どこかにいそうな人たちの物語に、たくさん笑ってホロリとさせられる。

松崎「シャッター商店街の増加や高齢化など、日本の生活環境は目まぐるしく変わっています。でもそこで生活している人たちの生き方は、人情に溢れていて温かい。そういう優しい世界を描いているのが、隅ヤンなんですよね」

辰巳「祭り的な賑やかさがありながら、どこか哀愁も漂う。その哀愁って、僕らにしか出せないものだと思うんです。初めて観るのになぜか懐かしい『隅田川ヤングロード物語』。たくさんの方に足を運んでいただきたいです!」

(取材・文:木下千寿 撮影:NORI)

プロフィール

ふぉ~ゆ~
メンバー全員が1986年生まれ、名前に「ゆう」が付くことから「for you」と掛け合わせて命名された。今年で15周年を迎え、今夏はライブツアーで3都市10公演を行うほか、武道館にて一夜限りの15周年ライブも開催。

福田悠太( ふくだ・ゆうた)
ふぉ~ ゆ~ のリーダー。2018年に舞台『DAY ZERO』で単独初主演。近年の出演作に、舞台『チェーホフの奏でる物語』、『小さな神たちの祭り』など。

辰巳雄大(たつみ・ゆうだい)
2018年に舞台『ぼくの友達』で単独初主演。近年の出演作に、舞台『炎の風景』、『BACKBEAT』、ミュージカル『ダブル・トラブル TAKE2 ~Hollywood Ending ~』など。

越岡裕貴(こしおか・ゆうき)
2021年に舞台『This is 大奥』で単独初主演。近年の出演作に、ブロードウェイミュージカル『A Year with Frog and Toad ~がまくんとかえるくん』、舞台『バウンダリーズ』など。

松崎祐介(まつざき・ゆうすけ)
2018年に舞台『デルフィニア戦記〜動乱の序章〜』で単独初主演。近年の出演作に、舞台『るつぼ The Crucible』、VISIONARY READING『したいとか、したくないとかの話じゃない2026』など。

公演情報

舞台『隅田川ヤングロード物語3〜嗚呼!星屑の彼方にふぉ〜エヴァー〜』

日:2026年6月10日(水)〜21日(日)
  ※他、愛知・大阪公演あり
場:サンシャイン劇場
料:11,000円(全席指定・税込)
HP:https://event.1242.com/events/4u/
問:Zen-A(ゼンエイ) tel.03-3538-2300(平日11:00~19:00)

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