2022年の初演から時を経て、ミュージカル『SERI 〜ひとつのいのち』が2月に上演される。タイトルロールである千璃の母・倉本美香による著書『未完の贈り物』を原作にミュージカル化した本作は、両眼性無眼球症など複数の障害を併せ持つ少女・千璃を巡る実話。脚本は、数々のミュージカル作品で翻訳や作詞を手掛ける高橋亜子、作中音楽は桑原まこがそれぞれ務める。主人公・千璃役を続投するのは、ミュージカル『ピーター・パン』でのウェンディ役が記憶に新しい、山口乃々華だ。
「初演時は、自分の中で反省点はあったものの、とても幸せな思い出になっています。作品を観た方から、“難しいでしょう”と声をかけていただくこともあったけど、障害を持っている役だから難しいということは全くなくて。千璃ちゃんの意思表示はいつも、楽しい! 大好き!ってシンプルなんです。お母さんや大人たちは大変そうですけど、千璃の心情を表現するという点ではとても充実した時間を過ごすことができました」
本作で千璃の台詞はほぼなく、千璃が胎児の頃から青年期までの全てを、山口の身体ひとつ、演技やダンスで表現する。ダンス&ボーカルグループ E-girlsのパフォーマーとして活躍したキャリアを持つ山口は、「私にとってダンスは相棒です」と話す。
「作中のダンスはコンテンポラリー調で決まりごとが少なく、振付の下司尚実さんは大きな流れや着地点に導いてくださるものの、『その時の呼吸でいいよ』といった感じで自由度を残して私へ委ねてくださるんです。何よりハッピーなお人柄で、現場が明るくて楽しい。今回はどんなやりとりになっていくのか、今から楽しみなんです。千璃ちゃんの気持ちって、本当のところは分からないけど、私の中で千璃ちゃんは幸せに生きている、愛に溢れた子。両親から愛情をいっぱいもらって、キラキラな景色の中で生きているんです。今、こうしてインタビューに答えながら、千璃ちゃんをダンスで表現していた瞬間に、自分の心が綺麗になっていく感覚を味わったことを思い出します」
最後に読者へメッセージを聞いた。
「前作からキャストががらりと変わり、作品に新たな色や奥行きが生まれるはず。そして再び、千璃とまわりの人たちのやさしい世界が広がっています。是非、全身で生の音楽を浴びていただけると嬉しいです」
(取材・文:山田浩子 撮影:平賀正明)
「鶏肉のからあげと、カレーライス! お腹ペコペコで食べるからあげや、カレーライスにテンションが上がっていました。美味しくて、たくさんおかわりしました」
プロフィール
山口乃々華(やまぐち・ののか)
1998年3月8日生まれ、埼玉県出身。2011年にLDH主催「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 3 ~For Girls~」に合格。ダンス&ボーカルグループ E-girlsのパフォーマーとしてデビュー。E-girlsでの活動を経て、2021年より俳優として活動の場を広げる。主な舞台の出演作に、ミュージカル『ジェイミー』、『SPY×FAMILY』など。ミュージカル『SERI ~ひとつのいのち』は、2022年の初演から主演・千璃を続投する。
公演情報
conSept2026:シーズンReBORN
ミュージカル『SERI~ひとつのいのち』2026
日:2026年2月19日(木)~3月1日(日)
場:あうるすぽっと
料:SS席13,000円 S席11,500円
A席9,500円 B席8,000円 C席6,000円
(全席指定・税込)
HP:https://consept-s.com/reborn/seri2026/
問:conSept mail:info@consept-s.com