常にやったことのないジャンルに挑戦する“宮オム”プロデュース公演 節目の第10回公演は、通過点に過ぎない

常にやったことのないジャンルに挑戦する“宮オム”プロデュース公演 節目の第10回公演は、通過点に過ぎない

 俳優の宮下貴浩と脚本家・演出家の私オムが2018年よりオリジナル作品を上演するプロデュース企画が、記念すべき第10回公演を迎える。7年間で10回というハイペースだが、2人とも「あっという間だった」と振り返る。

宮下「1回目がまだ2018年だったんだという感覚です。あと5年も経てば、20回公演はいけそうです(笑)」

オム「脚本を書き始めたのが、第1回公演と同じ2018年だったので、感慨深いですね」

 今回は、大企業グループ一族の法事に集まった人々がとある事件に巻き込まれていく、一族の血をめぐるストーリー。

オム「宮オムの公演では、“常にやったことのないジャンルに挑戦する”がテーマです。今回も初めてのジャンルに挑戦しています。とはいえ、結局のところは家族や仲間に対する思いを描いているので、今まで通りの部分は多分にあるなと思っています」

 タイトルの“許溶”は、実際にはない造語だ。

宮下「いいタイトルだなと思います。ハッシュタグも作りやすいですし。デザイナーさんから『誤字ではないですよね』と聞かれましたが(笑)」

 出演には主演の定本楓馬をはじめ、プロデュース公演の歴代キャストが集まった。

宮下「定本くんにはいつか主演をやってもらいたいと思っていて、10回目という節目の今回は、定本くんにお願いしたいと自然に感じました。また、第1回で主演を務めてくれた安里勇哉くんは、今回で9回目の出演です。彼がいなければきっと2回目以降はなかったと思うし、安里くんファンの方にも本当に感謝しています」

オム「台本を書く際、それぞれの役者から感じるイメージを役に投影するスタイルで書いています。今回、プロデュース公演の初参加者が3人いますが、僕のフィルターを通して見えた彼らの姿を楽しみにして欲しいです」

 節目の10回目を迎えたが、あくまでも通過点と2人は話す。

オム「続けて来られたのは皆さんのおかげで、大変感謝しています。数字に拘らず、1つの作品を作る思いはこれまでと変えず丁寧に作り上げるので、楽しみにしていただければ有難いです」

宮下「元々始めた理由が、僕は“出たい”、オムくんは“書きたい”でした。今回10回目という節目にはなりますが、肩肘張らずに、僕らのテーマは決してブレず、お互いのトレンドを擦り合わせて、今後もプロデュース公演をやっていきたいです」

(取材・文:冨岡弘行 撮影:立川賢一)

 

自分が日本で100位以内に入りそうなタイトルは?

宮下貴浩さん
「お寿司屋で『オニオンサーモンありますか?』って聞いた回数。どこに行っても聞いてます。たぶん1位だと思います。だいたい『ないですね』って言われます。お寿司屋で『ないですね』と言われた回数は78位くらいだと思います」

私オムさん
「たこ焼きが好きな気持ち。私はとてもたこ焼きが好きです。毎食たこ焼きでいいと思うほどに大好きです。どの店のものが好きとかは一切なく、自分で作ったものでもコンビニで売っているようなものでも、冷めていても硬くてもなんでもいい。私は来世、爪楊枝になってたこ焼きに突き刺さりたい。そして、多くの人の口へたこ焼きを運ぶ仕事をしたい」

プロフィール

宮下貴浩(みやした・たかひろ)
1981年2月27日生まれ、長野県出身。水野美紀× 矢島弘一『2つの「ヒ」キゲキ』、プロペラ犬 第8回公演『僕だけが正常な世界』では出演の他、企画・プロデューサーも務めた。近年の出演作に、舞台『ある日、ある時、ない男。』、ドラマ『3000万』、『バントマン』など。

私オム(わたし・おむ)
1989年5月10日生まれ、大阪府出身。脚本・演出家。主な脚本・演出作品に、「演劇ドラフトグランプリ2023」グランプリ作品『こいの壕』、朗読劇『探偵ガリレオ』、『歌われなかった海賊へ』など。また、ドラマ『101回目のプロポーズ』の続編である『102回目のプロポーズ』でも脚本を手掛ける。

公演情報

宮下貴浩×私オム プロデュース 第10回記念公演
舞台『許溶のとき ‐kyoyō no toki‐』

日:2025年12月10日(水)~21日(日)
場:シアターサンモール
料:8,800円(全席指定・税込)
HP:https://www.ruby-parade.com/lp/miyaomu10/
問:上記HP内よりお問合せください

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