学園もの×時代劇⁉ 新感覚の、森勇介オリジナル脚本! ハチャメチャ現代版時代劇! 西軍と東軍で異なる描写で、公演が2倍楽しい!

 時は令和。場所は関ヶ原学院高等学校。犯罪件数が増加し、平和な国日本も昔の話。魂に誓って目標に突き進む令和の武士(学生)たちが高校でぶつかりあう――。
 今回、プロダクションピエロが挑むのは、そんな「学園もの」と「時代劇」を掛け合わせたユニークな舞台『令和でサムライ』。基本的なストーリーは同じだが、西軍公演と東軍公演でそれぞれ見られるシーンが異なるという。どんな舞台になりそうか。出演する岡本尚子、松川大祐、久保侑大、中山さつきの4名に話を聞いた。


―――まずは、演じる役柄も含めて、今回の出演にあたっての意気込みをお聞かせください!

岡本尚子(以下、岡本)「今回私がやらせていただく役は、校長の娘でもあり、生徒会長でもあり、まさに1番トップの存在なんです。しかもそのお母様はビジュアルもバチっと決まっていて、格好いい感じで、お母様の圧や風格に負けないようにしたいですし、『ああ、この人ならトップに立つよなぁ』と思ってもらえるような表現を舞台でしたいと思います」

松川大祐(以下、松川)「今回私がいただいた役は、謀反組のリーダー・蒲生左京という人物で、名前がまず強い。名前が校則違反なのではないかというぐらい強いですよね(笑)。そして謀反を起こすということで……劇中の校則や演出のルールをいかに破るか。そこが課題になりそうです。あ、演出は破っちゃダメか(笑)。まだ未知なことばかりですが、ワクワクが止まりません!」

久保侑大(以下、久保)「毛利那智という役をやらせていただくんですけど、役の説明が「イケメン。とにかくイケメン」と書いてあって(笑)。人によってはもっと細かい設定が書かれていたんですけど、僕の演じる那智くんは「イケメン」だけ。『いやいや、どういうこと?!』と思ったんですが、脚本を読むと素敵ないい役でした。ひとまず、他のキャストさんより絶対イケメンでないといけないので、いかに格好良さを出せるかが勝負になりそうです」

―――イケメン以外の見どころもありそうですか?(笑)

久保「そうですね! もちろん他の見どころも出せるように頑張りますが、1番の主軸はイケメンということなので、格好良さを追求していきたいです」

―――中山さんはいかがですか?

中山さつき(以下、中山)「私は西軍公演のみの出演ですが、西軍と東軍で脚本が違って、すごく面白いなと思いました。そして、私が演じるのは、主人公の妹役。とにかく姉を超えたい一心で生きている女でございますので、芯が強い女性を表現できたらと思っています。本格的な稽古はこれからですが、他のキャストのみんながどんな表現をするのか、早く見たいです。すごく楽しみです!」

―――東軍公演と西軍公演で描写されるシーンが違うということで、両軍の公演を見たら、倍楽しめそうですね!

岡本「めっちゃ面白いですよね! リピーターさんは両方見たからこそ『あ、こうなっているのか』と何倍も楽しめるし、もちろん片方だけの観劇でも話は分かるので楽しいですし。ただ、公演によって出るシーンや順番が変わってくるので、役者陣は大変です(笑)」

―――たしかに混乱しそうです(笑)。あらすじを読むと、いわゆる“学園もの”と“時代もの”が重なっているような印象を受けましたが、みなさんとしてはどんな点が楽しみですか?

岡本「そもそもキャラクターの名前がみんな将軍の苗字だったりするので、『あ、これ、もしかしたらあの将軍のこと?』みたいに予想も楽しいですし、時代ものが絡んでいるからこそ、格好良いシーンもたくさんあります。もちろん面白いシーンもあって……! まだ活字でしか読んでいませんが、それでもとても楽しかったです」

松川「僕はこの『令和でサムライ』というタイトルを聞いたときに『どういうことやねん』と思いつつ、冷静に考えると、斬新で、とても面白いなと思いました。僕は『ごくせん』をはじめ、学園ドラマが好きなんですが、学園もの×時代劇なんて、あまり見たことがない。森さんはどうやってこの話を思いついたんですかね? ……僕は3年連続でピエロさんに呼んでいただいて。「Mr.ピエロ」を自称していますが、いっぱい出てきた甲斐あって、格好いいシーンもあります! 新しい彩りもありつつ、強烈な作品になりそうです!」

久保「アクションも殺陣もがっつりあって格好いい作品になりそうですが、一人ひとりのキャラクターの個性が強くて、コメディ要素もあります。面白いところも感動する場面もあって、それがどういうバランスで重なっていくのか、すごく楽しみですね」

中山「私は最初、学園ものと聞いていたので、みんなお揃いの学生服で、先生はスーツを着て……というビジュアルを想像していました。そうしたら全然違う! 学生なのに制服を着ていない! もうそこから普通の舞台だという固定概念を捨てようと思わされましたね(笑)。学園ものと時代ものが合わさるということで、一味も二味も違った感じでお楽しみいただけると思います」

―――プロダクションピエロや、脚本・演出の森勇介さんの印象を教えてください。

岡本「私が森さんと初めてお会いしたのは、別の団体さんで役者として共演させていただいたときでした。そこからピエロさんの作品に主演で出させていただいて、森さん演出の作品に出るのは今回が2回目。複数のストーリーが紡がれるのは、ピエロさんならではですよね。本当、森さんの頭の中を覗いてみたいなぁといつも思います(笑)。森さんは出会った頃からずっと変わらず、話しやすい方です。いろいろ質問しても、それに対してちゃんと丁寧に考えを伝えてくださいます。今回、私は初めて共演する方が多いんですが、森さんの脚本・演出なら、楽しくやっていけると思って。ワクワクしています!」

松川「語り出すと3時間以上かかりそうなテーマですが、僕は3年連続本公演に呼んでいただいているので、つまり3年連続、森先生を見ているわけですね。もうずっと日中はエナジードリンクを飲んでいるし、お酒を飲みに行ってもクエン酸サワーばかり注文しているし、一生疲れが取れないんだなぁと……(笑)。でもその甲斐があって、毎年毎年面白い作品を、しかもいろいろな色の作品を生み出している。すごいですよね。また、演出家としては自由にやらせてくれるタイプで、役者自身の魅力や、役者自身が考えてきたことを最大限に活かそうとしてくれる。もちろん、やりすぎたらしっかりブレーキ役になってくれるので、その点も感謝しています。話をまとめると、森さんもピエロさんも最高です! また一緒に作品づくりをしたいと思えるから」

久保「僕はピエロさんに出演するのも、森さんとご一緒するのも初めてなんですが、ユーモアが詰まっている脚本で、稽古も演出もいろいろ楽しみにしています。特に稽古は結構自由だと聞いているので、どういう風になるのか……! カンパニーの力になれるように頑張りたいです」

中山「私もピエロさんに出演させていただくのは初めてなのですが、森さんとは今年の頭に役者としてご一緒した経験があります。私は森さんのやっている役が一番好きで、ずっと袖で見ていたんですが、そのことはご本人には言っていません(笑)。そして、『森さんが私の殺陣を褒めている』ということも、配信でお客様から聞きました(笑)。とはいえ、今回お声がけいただいたことは本当に嬉しくて、森さんの演出を受けられることも楽しみです。いっぱい暴れつつ、やることはしっかりやりつつ、熱気をがんがん届けていきたいなと思っています」

―――公演は11月末。2025年もそろそろ終わりということで、皆さんにとって今年はどんな1年だったか教えてください。また、来年の抱負もあわせて伺いたいです。

岡本「今年も舞台だったり映像だったりお芝居をやらせていただきつつ、はじめてレギュラーのお仕事もやらせていただいて! 日常の中にまた新しい出来事もあって、すごく新鮮な1年でした。今のところ、このピエロさんの公演が2025年のラスト舞台になるのかな。いい1年の締めくくりになるように頑張りたいです。そして、来年は30歳になります。30代という未知の世界に突入するので、お芝居の幅も役幅も広げつつ、いろいろな刺激を受けたり、新しい発見をしたりして、これからも活動していきたいです」

松川「今年はだいぶ激動の1年でした。所属していた事務所を退所してフリーランスでやっていく中で、プレーヤーとしてのみならず、イベントのプロデュースなど、『こういうことをやってみたいな』とぼんやり思っていたことを具現化してきた1年だったので、成長できたと思っています。最近は、年下の人が多い現場が増えてきたので、もっと背中でカマしていきたいですね。プレイヤーとしても、クリエイターとしても、力をつけていきたいです。あ、それから、まずは今回の公演ですけど、またピエロさんの公演に出られるように頑張ります(笑)」

久保「今年は初めて経験することが多い1年でした。来年は、この経験を活かして、またいろいろ活動できたら嬉しいなと思っています。自分も、2025年はピエロさんの作品が多分最後になるので、まずはこの『令和でサムライ』を存分に頑張って、素敵な作品を皆様にお届けしたいと思っています」

中山「いつもたくさん舞台に出ているんですけど、今年初めて1ヶ月で3本本番をやりました。それから、イベントを毎月やっているのですが、それが1周年を迎えました。また、グループでのライブもあって……ずっと活動している日々でしたね。私はずっと動いていたいタイプ。もっと活動の幅も広げたいですが、来年も今年と同じように変わらずに動き続けていきたいです」

―――では最後に観客やファンの皆さんにメッセージをお願いします!

中山「私も今回の『令和でサムライ』が2025年の締めくくりの舞台だと思うんですけど、いつも見てくださっている方にも、初めて見てくださる方にも、印象に残るようにしたいです。特にいつも見てくださる方にはまた違った一面を見せられるようにしたいです。大好きな殺陣もできるということで……また成長した姿を見てもらえたら嬉しいです」

久保「僕は今回がピエロさんの作品に初めて出演しますし、ストレートのお芝居もまだあまり出演したことがないので、この作品ではいつもと違った姿をお見せできるかもしれないなと思っています。また、西軍公演と東軍公演ではキャストもお話も違うということで、ぜひ両軍見に来てもらって、楽しんでいただけたら嬉しいです」

松川「来てね!!!!!……と「!」80個分ぐらいでお伝えします。今回の公演は、新宿村LIVEという大きな劇場での上演。ピエロさんとしてもよりパワーアップするための大事な一歩だと思いますので、その作品の1ピースになれることを素直に嬉しく思います。自分に何ができるのか、まだまだ模索中ではありますし、人を笑わせることは本当に難しいなぁと思っているんですが、森さんにダメと言われるまで好き放題やります。あ、もちろん、格好いいところは格好よく! 自分の強みを全面に出して勝ちにいきたいです」

岡本「西軍、東軍、どちらのチームだけでももちろん楽しめるし、両方見たらより楽しめるので、ぜひ1回と言わず、たくさんリピートしていただきたいです。また、これだけ個性豊かなキャラクターがいるので、物語を楽しむだけでなく、推しキャラもぜひ見つけていただきたいですね。殺陣がある舞台なので、誰1人怪我することなく走りきれるように気をつけつつ、みんなで思いっきり暴れられるように、W主演の1人としてしっかりと頑張っていきたいです」

(取材・文&撮影:五月女菜穂)

プロフィール

岡本尚子(おかもと・なおこ)
1996年4月4日生まれ、福岡県出身。俳優。「ぷちきゅあ~Precure Fairies~」公式YouTubeチャンネル MC。主な出演作に、無情報 結成10周年記念公演『BILL’S BILLS BUILDS』、 演劇ユニット ミチスガラ『へだての団欒』主演など。

松川大祐(まつかわ・だいすけ)
1997年11月4日生まれ、埼玉県出身。俳優。主な出演作に、『魔入りました!入間くん』THE STAGE ガープ・ゴエモン役、『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』ヒースクリフ役、『僕のヒーローアカデミア』The“Ultra”Stage 心操人使役など。

久保侑大(くぼ・ゆうだい)
1999年1月7日生まれ、神奈川県出身。俳優。主な出演作に、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs聖ルドルフ・山吹 柳沢役、舞台『わたしの幸せな結婚 –帝都陸軍オクツキ寄譚-』嶺勘太役、ミュージカル『東京リベンジャーズ』千堂敦役など。

中山さつき(なかやま・さつき)
1998年5月18日生まれ、大阪府出身。俳優。主な出演作に、★☆北区AKT STAGE2023年冬公演『熱海殺人事件』片桐ハナ子役、劇団虚幻癖『カミイヌ』ナディア役など。

公演情報

プロダクションピエロ第7回本公演
令和でサムライ

日:2025年11月26日(水)~30日(日) 
場:新宿村LIVE
料:S席[前列2列・特典付]7,500円 ※他、各席種あり。詳細は下記HPにて(全席指定・税込)
HP:https://productionpierrot.com
問:プロダクションピエロ 
  mail:troupepierrot@gmail.com

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