名作映画を朗読劇で届けるシリーズ第5弾は『カサブランカ』 あの“名台詞”がスッと心に入っていけるような作品作りを

名作映画を朗読劇で届けるシリーズ第5弾は『カサブランカ』 あの“名台詞”がスッと心に入っていけるような作品作りを

 世界の名作映画を朗読劇で上演するClassic Movie Readingシリーズ。第5弾では、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン出演のラブストーリー『カサブランカ』を取り上げる。主人公・リックを演じるのは、廣瀬智紀だ。

廣瀬「役者を始める前にこの作品に触れたことがあって、ご縁を感じます。役柄が自分とは離れているイメージがあるので、役をしっかり捉えていきたいですし、自分の中ではありがたい挑戦という気持ちで臨みたいです」

 ヒロイン・イルザ役はシリーズ第3弾『若草物語』にも出演した有沙瞳が務める。

有沙「前回のキャストは全員女性でしたが、今回女性は私1人で、同じ朗読劇でも世界観は全然違うんだろうなと思います」

 また、3人組ダンスボーカルユニット Lead の鍵本輝が、イルザの夫・ラズロを演じる。

鍵本「名作の脚本の力に“おんぶに抱っこ”ではなく、僕たちが演じる朗読劇単体でも評価されるように頑張りたいです」

 朗読劇の出演経験が多い廣瀬・鍵本に、“朗読劇の魅力”を聞いてみた。

廣瀬「言葉をより一層大事にするために自分たちが集中することで、お客様にはより高い集中力で観ていただける。その集中力を、観る側も演じる側も共有出来ている世界観が朗読劇の魅力ですね」

鍵本「演者側からすると、得意の武器をほぼ封印する挑戦の場。台詞の呼吸の間といった細かい技術が求められるので、役者さんのスキルをじっくり観られるのが朗読劇だと思います」

 本作は、第二次世界大戦中に製作された80年以上前の作品。

有沙「どの時代でも共感できる部分があるのが、“名作”と呼ばれる作品。『カサブランカ』もリックやイルザたちが一生懸命生きて、醜い部分も描かれているからこそ、今でも受け継がれている名作なのだと思います」

 名台詞が多いことでも知られる本作。中でも“名訳”と評される、リックがイルザに語る「君の瞳に乾杯」という台詞はあまりにも有名だろう。

廣瀬「リックはこの言葉がクサいとは思っていないだろうし、大義を持って言えているからこそストレートに伝えられる。有名だからこそ自分はあまり気にしないようにして言わなければならないけれど、この話題が出ちゃった時点で、もう構えてしまっています(苦笑)。なので、観てくださるお客様に、そういう台詞がスッと心に入っていける作品作りをしなければいけないなと思います」

(取材・文:冨岡弘行 撮影:敷地沙織(平賀スクエア))

 

自分を主人公にするなら、どんなストーリーにしますか?

廣瀬智紀さん
「政府のエージェントとして過去に暗躍していた時代もあったけれど、今は足を洗い人目を避けつつマンションの一室でひっそりと質屋をしながら生計を立てている私は、同じマンションに住む少女に懐かれ、店に入り浸られてしまうことに。こちらの気なんてお構いなしにその子は自分の話を延々と続ける。無下に扱うこともできず、話し半分で聞きながら場をやり過ごす日々。そんな暮らしの中、事件は起こる。その子の母親が犯罪組織の麻薬を盗んだことから、その子が攫われてしまう。私は少女を助けるべく犯罪組織に立ち向かっていくんです。元エージェントなので私めちゃめちゃに強いんですよ。
 あ、これ自作の物語かのように話してますが、『アジョシ』という韓国映画の話なんです!(笑) 若かりし頃にこの映画に感銘を受けて以来、ずっと好きな映画です。演じられるのならこの役を演じたい!!」

有沙 瞳さん
「魔法の歌を歌うプリンセスの物語。ちょっとだいぶ美化してますが(笑)、歌が好きなので……歌のパワーで1人でも多くの方に寄り添えたり、元気になっていただけたり、救えたらいいなと思う願いも込めて……! ディズニープリンセスみたいな可愛いドレスを着てる女の子が歌ったら、魔法の歌でみんなの力になれる物語!」

鍵本 輝さん
「中学2年で上京し、4人組のダンスボーカルとしてデビューする青春物語。その成人編の役を演じたいと思っています。ミュージカルとして上演できたら理想で、楽曲はグランドミュージカル風ではなく、現代のPOP’s。パフォーマンスもキレッキレにしたいです。役に自分を寄せるより、自分に役を近づける感覚で作れたら楽しそうですよね」

プロフィール

廣瀬智紀(ひろせ・ともき)
2月14日生まれ、埼玉県出身。主な出演作に、舞台『鬼滅の刃』シリーズ 産屋敷耀哉役、舞台『魔道祖師』邂逅編 藍忘機役、ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise アルバート・ジェームズ・モリアーティ役など。

有沙 瞳(ありさ・ひとみ)
8月4日生まれ、三重県出身。主な出演作に、ミュージカル『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』アーシャ役、『七色いんこ』千里万里子役、『ボニー&クライド』ブランチ役など。

鍵本 輝(かぎもと・あきら)
8月20日生まれ、奈良県出身。主な出演作に、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』ジョヴァンニ・デ・メディチ役、『ALTAR BOYZ』マシュー役、『インサイド・ウィリアム』シェイクスピア役など。

公演情報

Classic Movie Reading Vol.5『カサブランカ』

日:2025年9月6日(土)・7日(日)
場:博品館劇場
料:特典付9,900円 一般9,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://casablanca-reading.com
問:style office mail:stage.contact55@gmail.com

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