大河ドラマ出演中の浜中文一、自分と真逆のキャラで大阪松竹座に凱旋! マジメな市職員が道頓堀の未来を握る? 大阪らしい笑いと人情がいっぱいの舞台

大河ドラマ出演中の浜中文一、自分と真逆のキャラで大阪松竹座に凱旋! マジメな市職員が道頓堀の未来を握る? 大阪らしい笑いと人情がいっぱいの舞台

 きわどいネタのコメディから、シリアスなテーマをはらんだ翻訳劇まで、ジャンルを超えて才能を発揮している浜中文一。舞台俳優としての原点とも言える大阪の劇場「大阪松竹座」の、松竹創業130周年記念となる10月公演『大阪は踊る!』に、主演として凱旋する。高遠響の同名エンタメ小説の初の舞台化で、「これぞ大阪」な魅力がいっぱい詰まったコメディに挑む、その意気込みを語った。


 「大阪松竹座さんには長年お世話になっているので、その節目となる公演に呼んでいただけるのは非常に光栄です。松竹座は、僕にとっては家みたいな感じ。いろんな劇場に立つ中で、松竹座さんは親しみやすいというか、変に緊張しないんです。(楽屋の)お風呂も広くて大好き。後輩の舞台を観に行ったら、終演後に『風呂行くぞー!』って、みんなでお風呂に入って帰ることもあります。出演していないのに(笑)」

 『大阪は踊る!』は、大阪松竹座もある歓楽街・道頓堀に、突然石油が湧き出たことで、近所の商店街から国のトップまでもが右往左往する様を描く。儲け話に弱かったり、会話にいちいちネタが入ったりするなどの「大阪あるある」がてんこ盛りだ。

 「僕は大阪を離れて結構経ちましたけど、『意外と大阪の人って、こうだよなあ』と離れて気づくことがいろいろあります。やっぱり大阪の人は情がありますよね。そんな大阪らしさ、大阪の良さがすごくある話だし、道頓堀が舞台というのも松竹座公演としてぴったりと思います」

 浜中が演じるのは、この事態を解決するために奔走する、生真面目な大阪市職員・前田拓郎。キャラクター的には、自分とは真逆の部分が多いそうだ。

 「拓郎は、特に前半はすごくツッコミが多くて、そこが僕とは逆です。僕はボケの人だから、プライベートでも仕事でもツッコミたいって思わない(笑)。でもなぜかお芝居では、拓郎に限らず、ツッコミを求められることが多いんですよ。僕の中では七不思議になっています」

 共演者は、元宝塚歌劇団、声優、漫才師など、完全にジャンルレスな顔ぶれ。本当に何が出てくるかわからない状態だけど、だからこそ楽しみにしていると言う。

 「初めてご一緒する方ばかりですけど、僕はそれがすごく楽しみ。いろんなジャンルの方々から盗める所は盗み、参考にもさせていただきたいです。ただ周りが濃いキャラクターばかりなので、拓郎は少し薄めにして、(キャラは)ここぞという時に出していく感じにした方がいいのかな? 普段は自分の味付けを濃くすることを考えるんですけど、今回は周りといいバランスを作ることを心がけていきたいです」

 ちなみに、この舞台のように家から石油が出たらどう思うか?と聞いてみると、「家に住めなくなりそうだから、出ないで欲しい」という回答。では逆に出て欲しいものを聞いてみると、なかなか渋い物を希望してきた。

 「戦国時代の書物ですね。埋蔵金とか刀とかがまず思い浮かびそうだけど、書物の方が何か新しい歴史の発見になるかもしれない。刀って、呪われてる刀とかやったら怖いじゃないですか?(笑)」

 前半はそれこそ新喜劇的な明るい笑いにあふれる一方、後半は石油利権をめぐるきな臭い話も混じっていく。しかし全体的にはタイトル通り、踊るように楽しい舞台になることが期待できる。

 「前半と後半で、多分見せ場は変わってくると思うので、そのために前半はエンジンをガッとかけてテンポ良く、後半は重厚感があって見ごたえのあるものにできたら。大阪は今万博でお祭り状態ですが、その流れを絶やさないようなお祭り騒ぎをしますので、ぜひ万博に行く前や、行った後に来てください!」

(取材・文:吉永美和子)

プロフィール

浜中文一(はまなか・ぶんいち)
1987年10月5日生まれ、大阪府出身。2016年に『50Shades~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』で舞台初主演を果たし、以降様々なジャンルの舞台に出演。主な出演作に、ミュージカル『ザ・オダサク 愛と青春のデカダンス』、劇団☆新感線『月影花之丞大逆転』、『レオポルト・シュタット』、舞台『笑わせんな』、大阪松竹座開場100周年記念『わが街、道頓堀~OSAKA1970~』、『ブラック・コメディ』、『劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~』など。

公演情報

大阪松竹座10月公演『大阪は踊る!』

日:2025年10月4日(土)~12日(日)
場:大阪松竹座
料:一等席12,000円 二等席7,000円
  三等席3,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.shochiku.co.jp/play/theater/shochikuza/
問:大阪松竹座
  tel.06-6214-2211(10:00~17:30)

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