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劇団わの人気シリーズ『バック・トゥ・ザ・君の笑顔』三部作。2021年はコロナ禍で中止となってしまったが、2025年7月17日(木)より、4年ぶりに三部作通して公演が行われる。シリーズ二作目である『バック・トゥ・ザ・君の笑顔~お江戸でござる~』に出演する新井將、横道侑里、小川拓哉、佐脇慧一にインタビューを行った。
―――まずは出演に対する意気込みを教えてください。
新井「4年前に一度、シリーズ通してのロングラン上演企画があったんです。残念ながら中止になってしまい、その思いを消化させないと役者もスタッフもプロデューサー陣も先に進めないという思いがありました。何より、楽しみに待ってくれていたお客様にちゃんと届けたかったので、またいつか絶対に集まろうと言われましたし、僕も絶対に駆けつけますと約束していて。ようやく念願叶ったのが今回の公演です。出演が決まったのはもう4年前のことで、またこうして戻ってくることができて良かったなと思っています」
横道「私も4年前に出演する予定で、その時はまだ舞台への出演が数回程だったので、皆さんに助けられてお稽古を乗り越え、ようやくお届けできるというときに中止になってしまって、ずっと心残りでした。毎年夏になると、オファーは来ていないけど公演をしているんじゃないかと劇団わさんのSNSをチェックしていて(笑)。4年越しに再演が決まり、オファーをいただいたのが嬉しくて泣いてしまいました。当時より経験を積み、今の横道侑里ならではのお菊ちゃんをお届けできるんじゃないかと思います」

佐脇「僕は当時初舞台で、舞台の仕組みや流れを知らないまま飛び込みました。舞台の世界ってすごく厳しいルールがあるイメージだったけど、劇団わさんはすごく本質的なところを大切にしてくれる。演者のやりやすさやチームワークが大切にされている中で自由さもあって、初舞台の僕も現場に馴染むことができました。コロナ禍で中止になった時に悔しくて泣いてしまいましたし、青山(太久)さんと話した時に、舞台に向かう情熱は計り知れなかったので、いつかまたご一緒させていただきたいなと思っていました。今回のオファーをいただいた時に、自分が出演できる嬉しさよりも、劇団わがまた君バクをやること自体が嬉しかったです。当時から比べると少しはパワーアップしたと思うので、僕が演じる大石で皆さんに元気をお届けしたいと思っています」
小川(3人の意気込みを聞き、緊張した面持ちで)「すげえ……」
一同「(笑)」
(聞いていた青山から「新メンバーだからって気負わなくて大丈夫!」と声がかかる)
小川「いや、プレッシャーですよ。皆さんの作品に対する思い入れが素晴らしいなと」
佐脇「先にこれだけ語られたらハードル上がるよね(笑)」
新井「ずっとチラチラ僕の方を見ているから、『めっちゃ緊張してんな~!』って思った(笑)」
小川「僕が劇団わさんに初めて関わったのは1年前。舞台経験が浅いタイミングでご一緒させていただきました。劇団わの色、作品に対して全員で向かう姿勢がすごく勉強になって。今回また呼んでいただけたのが嬉しいですし、歴史あるシリーズに、新たなメンバーとして、1つの……なんだっけ」
横道「新しい風とか?」
小川「そう! 新しい風みたいなものを僕なりに吹き込めたらと思っています。皆さん思い入れがある中で、僕も熱意を込めて挑みたいです。あと、劇団わさんが毎回『インタビューを受けました!』っていう告知をしているのが羨ましかったので、今回呼んでいただけて光栄です! こんな感じです。頑張りましょう! 」

一同「(笑)」
新井「楽しくできそうなビジョンが見えますね(笑)」
―――それぞれが演じる役について、江戸バクならではの魅力を教えてください。
新井「ありますあります(横道をさす)」
横道「私⁉ 私が演じる吉田菊は婚約している設定ですが、4年前の私は20歳で、あんまり想像がつきませんでした。でも24歳になって、周りの子が結婚したり子供が生まれたりするようになり、役が具体的というか、鮮明に見えてきました。そのうえで改めて台本を読んだら、だいぶ違う印象を受けましたね。当時は自分のセリフで精一杯だったけど、今では相手との掛け合いも楽しくなってきたので、皆さんとの会話や空間を楽しんで、物語をみんなで紡いでいけたらいいなと思っています」
新井「江戸バクは、君バク・江戸バク・ロボバクという三部作の中間で一番過去の話。作品全体のルーツみたいなポジションで、シリーズの繋がりを楽しむ上では欠かせない存在です。僕が演じる田中一郎は純粋でまっすぐで優しい人間。目が見えなくなってしまう菊ちゃんに純粋な優しさを向け続けていて、ハプニングや事件の中でも菊ちゃんのことだけを思って行動する姿勢が周囲に影響を与えていきます。それが田中の最大の魅力であり、愛される所以かなと思います」
佐脇「現代ではない空間に、現代の人がするような恋愛や花火、曲が登場します。昔と現代の融合型みたいなところにすごく魅力を感じるというか、奥ゆかしさや風情があるのにハッピーで楽しい、要素が盛りだくさんな作品。日本人で良かったと思うような感情の起伏が込められていると感じます。その中で、僕が演じる大石主税は漫画とかにいる一番元気なお兄ちゃんタイプのキャラクター。勢いだけでバカをやったり周りを盛り上げたり、まっすぐに楽しんでいる役で、見ていて飽きないキャラクターだと思います」
小川「緒方宗吉は僕自身と真逆というか、主税がまっすぐ進んでいくのをちょっと落ち着かせるような感じ。2人の仲の良さや信頼など、友情を大切に演じたいなと思っています。また、宗吉は頭脳明晰という設定もあります。だから今、頑張って理科や物理を勉強しているところです(笑)。周りをよく見てその場の空気を読むキャラなので、僕自身もすごく勉強になるし、役者としての幅も広がりそうだなと思っています」

新井「みんなの話を聞いていて、劇団わのキャラってみんなまっすぐだなって思いました。それぞれの方向性にまっすぐで、それが最終的に一本になることもある。その結果筋の通ったお話になるのが良いですよね」
―――初参加の小川さんから、お稽古前に皆さんに聞いておきたいことはありますか?
小川「どうやったら皆さんと仲良くなれますか?」
一同「(笑)」
横道「絶対大丈夫!」
小川「あと、君バクシリーズに携わるにあたって大事にしたほうがいいことはありますか?」
新井「なんでしょうねえ。いい意味で、わ組の空気感ってどの作品でも大枠は一緒だと思っていて。僕自身、太久さんや芳さん、劇団わが作り出す空気感が好きだから何度も出たいと思う。そこに作品ごとの色が乗るから、一度出ていたら大丈夫ですよ。わ組では太久さん、江戸バクでは侑里ちゃんの機嫌を損ねなければOK。侑里ちゃんにはおやつをあげておけばいいよ」
一同「(笑)」
横道「どう思われてるの(笑)? 適当にやる人にオファーする劇団さんではないから、一生懸命みんなで大切に作ろうという思いがあればOKだと思います!」
佐脇「いい意味ですごく自由にさせてくれるからこそ、ルールはきちんと守ることじゃないですかね。僕が大事にしたいと思っているのはそこです」
小川「ルールと言えば、劇団わさんに出演したのをきっかけに、普段活動しているグループでもWチェックを導入したんです。(青山が)ルールを大事にしているのを見て、確かに大事だなと思って。まだ始めたてで実用化できていないけど、みんなが責任を持って行動するという姿勢は見習いたいです」
―――続投の皆さんは、ご自身の成長を感じること、今回新たに挑戦したいことなどがあったら教えてください。
佐脇「前回が初舞台だったのもあって、未完成なまま本番を迎える気がしていました。やっと今回、ちゃんと役を演じられるんじゃないかと思っています。この4年間、芸能と関係ない仕事をずっとしていたので、人間としての厚みは出たかなと。2回目ということで完成を目指して大石を演じたいです」

横道「役者として大切にしたいこと、これは負けないみたいな軸がたくさんできてきました。それを持った上で役として生きて、その場で生まれたものを大切にしたいなと。信頼・尊敬できる方が多い中で、相手も自分も信じて積み重ねていけたらいいなと思っています。4年分の愛を込めて、ぎゅっとお届けしたいです」
新井「愛をこめてってすごく良いね。今話していても、4年前のことを思い返しても、みんな若かったなって思えてきました。江戸バクはありがたいことに続投キャストが多いんですが、それによって起こるのは高齢化ですよね」
一同「(笑)」
新井「当時はみんながむしゃらに、まっすぐにぶつかっていた。それによって生まれる良さもあったはずなんです。佐脇さんや侑里ちゃんが言ってくれたように経験が積み重なってより良いものをお見せできる側面もあるけど、年齢を重ねたことで勢いやピュアさを出すのが難しくなったかもしれないと思いました。心がけたいことはWチェックと若返り、ピュアな心で臨むことです。でも、侑里ちゃんが言ってくれたように、愛は不変なので大丈かなと思います」
―――最後に、楽しみにしている皆さんに向けてのメッセージ、シリーズ全体を通してのお誘いのコメントをお願いします。
小川「各作品だけでも楽しめますが、シリーズを通して見ることで気付く良さもあると思うので、通しで見るのをオススメします。個人的にも、色々な形で出演させていただくので楽しみですし、皆さんに新しい姿を見ていただけたらと思っています!」
佐脇「全部見ていただくとより一層各作品の深みが見えます。一つひとつの作品がすごく濃いので、ぜひ何度も見てほしいなと。キャラクターの個性が立っていますし、皆さんも一緒に青春を感じられるようなシーンがたくさんあります。4年越しに同じ舞台に挑む僕らの熱量も感じていただきたいです」
横道「江戸バクに関していうと、舞台は江戸時代だけど言葉が難しくなく、すごくわかりやすいです。シリーズ通して泣けたりグッと来たりする場面が多くて純粋に楽しめると思いますし、シリーズの繋がりを知ることでグッとくる場面もたくさんあるので、通して見ていただけると面白いと思います」
新井「皆さんお待たせしました! ついに暑い夏が帰ってきます。劇団わの作品は愛が根本にあると思いますし、シリーズ通して愛のリレーになると思うので、君バクチームからのバトンを受け取って次に繋げたいです。秋には外伝も控えているようなので、まずはここを楽しまないと。ジェットコースターのようなエンタメに乗り遅れないように、全力で楽しんでいただけたらと思います」
(取材・文&撮影:吉田沙奈)

プロフィール

新井 將(あらい・しょう)
1992年3月12日生まれ、東京都出身。主な出演に、舞台『アイ☆チュウ』シリーズ、『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、『東京リベンジャーズ』-聖夜決戦編-など。

横道侑里(よこみち・ゆり)
2000年10月23日生まれ、静岡県出身。役者・表現者として活動。遠山ドラマティア『illuminaTe The Room』、舞台『星空ハーモニー』『 GORILLA〜ヒューマノイドホライズン〜』『ゲズント・ハイト~お元気で~』『りさ子のガチ恋♡俳優沼』など。

小川拓哉(おがわ・たくや)
1993年9月20日生まれ、埼玉県出身。ボーイズポップグループ「プラチナボーイズ」のメンバー。主な出演作にドラマ『うちはステップファミリー』、『ラギッド!』、映画『キャプテン』、舞台『GORILLA〜ヒューマノイドホライズン〜』など。

佐脇慧一(さわき・けいいち)
1990年9月28日生まれ、大分県出身。2014年にSOLIDEMOのメンバーとしてデビューし、歌手・俳優として活動。現在は飲食やキャラクターIP事業なども幅広く手掛けている。
公演情報

劇団わ 本公演
『バック・トゥ・ザ・君の笑顔 ~お江戸でござる~』
日:2025年7月25日(金)~30日(水)
場:中目黒キンケロ・シアター
料:10,000円(全席指定・税込)
HP:https://gekidan-wa.tokyo/back-to-the-kiminoegao2025
問:劇団わ mail:cs@gekidan-wa.tokyo