
野伏翔プロデュース× 劇団夜想会製作『祖国への挽歌』が、8月に2年ぶり3度目の上演。本作は実在した日系人マフィア モンタナ・ジョーの愛と戦いの人生を描いた物語で、ジョー役を初演・再演に引き続き松村雄基が務める。
松村「昨年他界された所属事務所の前社長が毎日劇場に通うくらい大好きだった作品で、前社長への思いもあって、今回オファーをいただいて本当に嬉しく感慨深かったです。ジョーは命懸けで生きようとした人間。マフィアのトップになったものの、家族や仲間たちを守ることが出来ず、この人は一体何のために生きたのだろうと。アイデンティティすらない戦時中、『お前なんか人間じゃない』ぐらいなことを言われていた中で、生きていくためにはどんな思いだったのか。そういうことに思いを馳せながら演じたいです」
新キャストの酒井法子は、戦争花嫁として時代に翻弄される幸子を演じる。
酒井「松村さんは私にとって憧れの俳優さんです。胸を借りて学ばせていただこうという気持ちで飛び込んでまいりました。幸子は本当に気の毒な女性で、彼女は何を幸せと思って生きてきたのだろうと、私なりに咀嚼して表現していけたらと思っています」
舞台は初共演の2人だが、昨年放送のラジオ番組で共演済み。
酒井「ストイックの代名詞というイメージでしたが、沢山お話ししていただいて、ただただ感無量で聞いておりました」
松村「ラジオではしっかり人の話を聞いて、話しやすいように進めていく姿を見て、頭の良さを感じましたし、きっとご一緒したら楽しいんだろうなと思っていただけに、今回舞台で共演出来て期待しかないですね」
20~80歳のジョーを演じる松村は、見どころについて「年齢的に80歳より20歳を演じる方が大変なんです(苦笑)。20歳がどのように皆様に映り、違和感なく受け入れられるかが僕の勝負ポイントの1つです」と話す。また、どんな人に観て欲しいかという質問に、2人とも「老若男女全ての方」と回答。
松村「いろいろ人間が必死に生きている様を観て、自分が一体どうやってこれから生きていこうかというヒントやきっかけがこの舞台の中からきっと感じ取れます。『カッコよく生きるためには、人生いろんなことがあるけれど、乗り越えていこう』というエールを、観ていただく方々に少しでも届けることができたらと思います」
酒井「凄まじい世界の中で、女性がどう寄り添い戦ってきたかを女性目線で表現したいです。きっとこの世界にすごい勢いで引き込まれてしまうと思うので、ぜひ劇場で一緒に『祖国への挽歌』を感じてください」
(取材・文:冨岡弘行 撮影:立川賢一)


松村雄基さん
「特に何もありません。もし生まれ変われるとすれば、前世での記憶などは無い方が良く、新たな人生の中で、新たな経験をし、新たな想い、能力を抱き、高めていくのが良いと思うからです。今世の想い、能力、出来事は、今だけのもと心して……それ故に大切にしていきたいです」
酒井法子さん
「芸事を好きな能力。何か1つ、道と名のつく物を突き詰めてみたいです。何を?と言われると難しいのですが1つの事を極めている方の生き方にとても憧れます」
プロフィール

松村雄基(まつむら・ゆうき)
1963年生まれ、東京都出身。1980年、ドラマ『生徒諸君!』でデビューし、『不良少女とよばれて』、『スクール☆ウォーズ』シリーズなど、1980年代を代表する大映ドラマにレギュラー出演。近年は、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』、『フランケンシュタイン』など舞台でも活躍。2026年1月、『わが歌ブギウギ -笠置シヅ子物語-』へ出演予定。

酒井法子(さかい・のりこ)
1971年生まれ、福岡県出身。1987年、「男のコになりたい」で歌手デビュー。「夢冒険」、「1億のスマイル」など、ヒット曲を連発。1995年、主演ドラマ『星の金貨』の主題歌「碧いうさぎ」でミリオンセラーを記録。女優として、ドラマ『ひとつ屋根の下』シリーズ、『ファイト』、NHK 大河ドラマ『利家とまつ』などに出演。2022年には劇団夜想会『俺は、君のためにこそ死ににいく』で特攻隊員の恋人役を熱演。
公演情報
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野伏翔プロデュース×劇団夜想会製作
『祖国への挽歌』
日:2025年8月26日(火)~31日(日)
場:三越劇場
料:S席9,000円 A席7,000円
B席6,000円(全席指定・税込)
HP:https://gekidanyasokai.wixsite.com/officialweb
問:劇団夜想会 mail:yasokai.stage@gmail.com