
AKB48の中でも、劇場公演にかける熱意と表現力の豊かさから“シアターの女神”と称された村山彩希。卒業後すぐに主演に抜擢されたのは、石原さとみや松井玲奈らも挑戦した、つかこうへいの名作『幕末純情伝』の初ミュージカル化作品だ。実は女性だった新選組・沖田総司が、坂本龍馬や土方歳三などとの関係に悩みながら、ひたむきに激動の時代を駆け抜けていく姿を、歌と踊り満載で魅せる。
「新しい挑戦にしてはあまりにも大役なので、少し不安もあります。でも新しい自分を見つけるための第一歩として、しっかり向き合っていきたいですね。自分がAKB48劇場で学んだことがミュージカルの舞台でも活かせるよう、足りない部分は吸収して、成長できるようにしていきたいです」
沖田総司は演じる役者によって、いろんなバージョンが生まれるのが見どころだが、村山は総司の二面性に、自分との共通点を見出したそう。
「かなり口数が多くてしっかりしているけれど、恋をした時は女の子らしさが出る。私は基本的に男勝りな性格ですが、家に帰ると三姉妹の末っ子として、甘えん坊なところがあって。総司が戦う時と日常の時で、見せる顔が違っているという部分が、少し似てるのかなと思います。実際に演じているうちに、重なる部分がもっと見つかるんじゃないかと思うので、そこは楽しみですね。でも総司が戦うことのない、平和な時代に生きていたら、どんな人だったんだろう?とは思います」
卒業後は「歌って踊ることを今以上に追求したい」と意欲を見せる一方、プライベートで挑戦したいこともあるという。
「自動車の免許が欲しいんです。今まで息抜きの方法が外食と寝ることだけだったので、ドライブで遠出ができるようになりたいです!」
シアターの女神という、舞台女優としての活躍を運命づけられたような称号。今後も舞台での活動は、引き続き力を入れていきたいと言う。
「シアターの女神の名に恥じないよう、どのステージでも輝ける女神になりたいです。今まで好きでいてくれたファンの方はもちろん、これから好きになってくれる方が1人でも増えるよう、成長していきたい。まずはこの舞台を、私が元AKB48と知らない人にもいいなと思っていただけるような、時間とお金をかけて今日観に来てよかった!と思ってもらえるようなステージにしますので、ぜひ一度観ていただけたら嬉しいです」
(取材・文:吉永美和子 撮影:神ノ川智早)

「人間関係。今の自分がいるのも今まで出会った人とその環境での経験があっての村山彩希なので、生まれ変わっても、人とのつながりだけはなくしたくないです!!」
プロフィール

村山彩希(むらやま・ゆいり)
1997年生まれ、神奈川県出身。2005年、子役として芸能活動を開始。2011年、オーディションを経てAKB48に加入。2016年、「第67回NHK紅白歌合戦」への出場を果たす。同グループの中でも特に劇場公演にこだわり、2014年から2017年に年間劇場公演の出演回数1位の記録を4年連続で打ち立て、“ シアターの女神”と呼ばれるようになる。2019年、初めてのソロコンサート『AKB48 村山彩希ソロコンサート〜私は私の道を行く〜』を開催。2017年と2024年には、自らプロデュースする公演も発表している。主な出演に、舞台『マジムリ学園-LOUDNESS-』、朗読劇『細雪』、ドラマ『3年B組金八先生』第8シリーズ、『マジすか学園』シリーズなど。2025年6月、AKB48を卒業。
公演情報
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つかこうへい戦後80年に問う
革命ミュージカル『新・幕末純情伝』
日:2025年8月8日(金)~24日(日)
場:紀伊國屋ホール
料:9,000 円(全席指定・税込)
HP:http://www.rup.co.jp
問:Mitt tel.03-6265-3201(平日12:00~17:00)