クラシックバレエの人気作をハイライト形式で上演 私の踊りで、子供たちにバレエを好きになってもらえたら

クラシックバレエの人気作をハイライト形式で上演 私の踊りで、子供たちにバレエを好きになってもらえたら

 “4歳から鑑賞できるバレエ公演”として2006年から親しまれている『親子で楽しむ夏休みバレエまつり』が今年も開催。出演するウクライナ国立バレエの若きファーストソリストで、自身も幼い頃バレエに魅せられたというカテリーナ・ミクルーハは、「子供たちのために踊ることが大好き」と話す。

 「そして、同時に重い責任も感じています。私は常に、バレエへの愛を子供たちと共有したいと思っているからです。特に幼少期は感受性が豊かなときでもありますので、私の踊りを観てバレエを好きになってもらわないと!と思います」

 彼女が初めてバレエと出会ったのは、5歳か6歳の頃に母親に連れて行ってもらったバレエ学校でのことだった。

 「もともとフィギュアスケートを習っていたのですが、コーチたちはたびたび母に『この子にはバレリーナのような腕と優雅さがある』と話していたんです。バレエ学校では、年上の女の子たちが一生懸命踊る姿に、すぐ魅了されました。そして最も強く心に残ったのは、彼女たちが踊っていたスタジオの空間そのものです。大きな鏡、天井まで届く窓から差し込む光、壁に飾られた絵画の数々……アイスリンクとは違った魅力を感じました。その後しばらくフィギュアスケートとバレエの両方を続けていましたが、バレエこそが私の夢であり、情熱を注ぎたいものであると気づいたんです」

 そんな彼女だからこそ、今回の公演を子供たちとバレエの良き出会いの場にしたい、と願う言葉には説得力がある。

 「これをきっかけに、何度もバレエを観に来たいと思ったり、もしかしたら自分自身がバレエダンサーになりたいと思ったりしてくれたら、これほど嬉しいことはありません」

 そして、来日公演の経験を重ねるごとに、日本への想いも強くなっていると彼女は言う。

 「公演を観に来てくださる日本の方々からの愛やサポートに対する感謝の気持ちは、言葉では言い尽くせません。いただいたプレゼントやカードの一つひとつは、すべて大事に保管しています。それらは、ウクライナでの日々の中で成長を続けるための大きなモチベーションとなり、皆さんの思いに触れるたびに、私はまた舞台に立つ勇気をもらっています。日本に行って、劇場でバレエという素晴らしい芸術を多くの子供たちと共有できる日を心から楽しみにしています」

(取材・文:西本 勲)

プロフィール

カテリーナ・ミクルーハ
2021年にキーウ国立バレエ学校を卒業。在学中よりウラジーミル・マラーホフに才能を見いだされ、卒業公演では主役を務めたほか、国際コンクール「ミュンヘングランプリ」、「キーウ グランプリ」では第1位に輝く。ウクライナ国立バレエへ入団後も主要な役を踊るが、ロシアによるウクライナ侵攻のためオランダへ避難し、オランダ国立バレエのジュニアカンパニーに所属。2022年の来日時には“デビューから半年で戦争を見た17歳のバレリーナ”として、テレビ朝日「報道ステーション」で特集された。2023年9月にウクライナ国立バレエへ復帰し、2024年にファーストソリストに昇格。今年7~8月にかけて日本各地を回る、ウクライナ国立バレエ『スペシャル・セレクション2025』にも出演予定。

公演情報

ウクライナ国立バレエ『親子で楽しむ夏休みバレエまつり』

日:2025年8月9日(土)・10日(日)
場:東京国際フォーラム ホールC
料:一般8,000円
  こども[小学生以下]5,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://www.koransha.com
問:光藍社チケットセンター
  tel.050-3776-6184(12:00~15:00/土日祝休)

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