戦後の日本とアメリカ。激動の時代を生きた女性の半生を舞台化 戦後80年、混沌の現代で再び輝く真実の愛の物語

戦後の日本とアメリカ。激動の時代を生きた女性の半生を舞台化 戦後80年、混沌の現代で再び輝く真実の愛の物語

 敗戦直後の日本。戦争を憎みながらも、心優しきアメリカ軍人 フランク・ハーンと出会った桂子は恋に落ち、結婚をする。米兵と歩いているだけで“娼婦”と揶揄された時代。海を渡ったアメリカでも偏見や差別にさらされた。それでも愛する夫と家族に無償の愛を注ぎ続けた実在の女性の半生を描く。戦後80年の節目に桂子とフランクの運命の物語に挑むのは、初共演となる奈緒とウエンツ瑛士。演じるにあたり奈緒はアメリカに住む桂子に会いに行き、フランクとの思い出を聞いたという。

奈緒「実際にお会いした桂子さんはとても魅力溢れる方でした。たくさんの方からの愛に囲まれていて、日本から海を渡ってきて、この場所で自分の場所を築かれたんだと思うと同時に、その日々を支えたのがフランクさんや家族への愛の深さだったと気づかされました。『彼はとてもチャーミングでよく私を笑わせてくれたのよ』と、笑顔で亡きフランクさんとの思い出を語る桂子さんの姿が印象的で、きっとフランクさんもそんな桂子さんのそばにいることがとても大切だったのではと想像します。

 物語のテーマの1つに、私たちが向き合わないといけない戦争という問題があります。そこと向き合うときに桂子さんとフランクさん、またそれを取り巻く人物が抱える葛藤や今の時代に繋がることが描かれているので、“生きていてよかった”、“生きなくちゃいけない”と少しでも皆さんに感じてもらえるように頑張ります」

ウエンツ「フランクさんはピュアで真っすぐな方という印象を受けました。桂子さんからたくさんの愛と勇気をもらって彼自身も変わっていった部分や、より強い絆で夫婦として結ばれていく過程をたくさん見つけたいです。戦争直後という難しい時代の中で、かつて敵国同士だった人間が夫婦として一緒になることに、差別や偏見があることを2人は知っていたと思います。それでもきっと、この人とならば乗り越えられるという確信というか、“2人で1つ”という感覚があったのではないかと想像します。

 僕ら役者は戦争という現実をしっかり伝えないといけないのと同時に、この夫婦を通じてたくさんの愛を与えることが、自分たちの幸せにも繋がる。小さなことであっても、それが争いをなくしていく1つの形になると思いました。観ていただいた方にこんな2人のようになりたい、愛を与えることがこんなにも素敵なんだと思ってもらえる作品にしていきたいです」

(取材・文:小笠原大介 撮影:平賀正明
 ヘアメイク:(奈緒)竹下あゆみ (ウエンツ)松永香織
 スタイリスト:(奈緒)岡本純子 (ウエンツ)上野真紀)

プロフィール

奈緒(なお)
1995年2月10日生まれ、福岡県出身。2015年、20歳で上京しテレビドラマやCMに出演。2018年、NHK 連続テレビ小説『半分、青い。』で注目を集め、2019年には初舞台『終わりのない』に出演。近作に、映画『傲慢と善良』(2024)、NHK ドラマ10『東京サラダボウル』(2025)など。WOWOW 主演ドラマ『塀の中の美容室』が、8/22(金)23:00より放送・配信スタート。

ウエンツ瑛士(うえんつ・えいじ)
1985年10月8日生まれ、東京都出身。アメリカ人の父と日本人の母を持ち、4歳より子役・モデルとして活動。10歳の時に劇団四季の『美女と野獣』に半年間出演。1995年~2000年、NHK「天才てれびくん」に5年間レギュラー出演。2005年、初主演ドラマ『正しい恋愛のススメ』で第47回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 新人俳優賞を受賞。2007年公開の主演映画『ゲゲゲの鬼太郎』で第31回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞している。

公演情報

舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』

日:2025年8月5日(火)~27日(水)
場:よみうり大手町ホール
料:11,000円 車椅子席11,000円
  U-25[25歳以下]5,500円
  ※U-25は枚数限定/要本人確認書提示
  (全席指定・税込)
HP:https://www.warbride-stage.com
問:TBSチケット
  https://tickets.tbs.co.jp/tbs/toiawase/

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