
長野を拠点に国内外で演奏活動を行う和太鼓奏者・佐藤健作が、『鬼神 KISHIN』と題したライブを7月に東京で開催する。これは、自身の稽古場である戸隠の“是色館”にダンサー・髙瀬譜希子を迎えて昨年行った同名のライブを再構成するものだ。
佐藤「和太鼓の演奏は、自分の中から生まれた衝動を腕とバチを通じてリズムに移していく作業。ほぼ踊りのようなものだと僕は思っています。特にダンスとのコラボレーションは相性が良く、おもしろさも格別です」
髙瀬「心がリズムになっていくという今のお話にはとても共感します。戸隠では私も太鼓を叩く体験をしたんですけど、腕が上がらなくなるくらい大変で(笑)。全身で向かっていかないと出来ないんだと気づきました。私も全身で踊るタイプのダンサーなので、健作さんとのコラボは心が動くし、やりやすいですね」
佐藤「髙瀬さんと一緒にやるときは、演奏しながら“こう来るか!”と思うことがたくさんあって、それが“なるほど!”に変わっていく。発想がすごく自由で、本当にその場で創造しているんだなと感じます」
髙瀬「健作さんの太鼓には、一瞬で空気を変えるようなパワーがある。だけど柔軟性もすごくて、本番ギリギリにこんなこともできますか?とお願いしても、ちゃんとやってくれる。とても頼もしいです」
さまざまな舞台芸術をバーチャルで楽しめる機会が増えている中で、「生の太鼓の響きを体感してもらいたいといつも願っている」と佐藤は言う。
佐藤「“肌で感じる”ということが、今すごく大事だと思うんです。今回の会場もそれを体感していただけると思います。五感を超えたところで、言葉にならない何かを受け取ってもらえたら嬉しいです」
髙瀬「そこでどう感じるかというのも大切ですけど、観たことのないものに足を運んで、その空間の中に自分を置くということ自体が大事なのかなと。そんな皆さんと同じ空間を一緒に感じることが、演者としてはありがたいです」
最後に「和太鼓とダンスのコラボと聞いてイメージする以上のライブになりそうですね」と伝えると、佐藤は力強く「保証します!」と返した。
佐藤「スペシャルゲストの小池ミモザさんとの共演も見どころの1つです。こんなものがあったんだ、という驚きがたくさんあるライブになると思います。楽しみにしていてください」
(取材・文:西本 勲 撮影:笠井千賀子)

佐藤健作さん
「ふ菓子・きなこ棒・酢いか。ふ菓子はなにより見た目の大きさに心ひかれてしまいます。きなこ棒は、きなこの甘みと五家宝のような「ニチャッ」とした食感がたまらんです。酢イカは思い出すだけで、口の中が酸っぱくなる! もともとお菓子をたくさん食べる子どもではなかったので、友だちにくっついて行っただけのところがありました。“ガキの店”と呼んでいた駄菓子屋さん。雑然とたくさんの商品が並んでいて、ワクワクしましたね」
高瀬譜希子さん
「キャベツ太郎・チロルチョコ・うまい棒。キャベツ太郎は、ダントツでうまいです! チロルチョコは小さくて色んな種類があるから、欲張りだけど食べ過ぎたくない私にピッタリです。うまい棒はブレない美味しさがあるのと、チロルチョコと同じ欲張りさんの理由で好きです。チロルチョコは牛の柄のもの、うまい棒は明太子とコーンポタージュが好きです」
プロフィール

佐藤健作(さとう・けんさく)
長野県在住。和太鼓歴45年。四尺三寸の大太鼓「不二(ふじ)」を操り、ダイナミックかつ精神性溢れる演奏で人々を魅了する。1998年、サッカーW杯フランス大会閉会式で大太鼓を演奏。2008年、和太鼓奏者として初めて芸術祭新人賞を受賞。2011~2014年、東日本大震災被災地公演「不二プロジェクト」を東北三県で開催。2021年、東京2020オリンピック閉会式にて大太鼓を演奏。その他、海外でのソロツアーや招聘公演、幅広いジャンルとのコラボレーションも多数おこなっている。

髙瀬譜希子(たかせ・ふきこ)
ニューヨーク生まれ。ダンサー・振付家・指導者。Atoms For PeaceのMV「Ingenue」にてトム・ヨークと共演。宇多田ヒカル「Forevermore」MV振付、20周年記念コンサートに振付・出演。UNIQLO、TOYOTA、Diner’s ClubのCM振付・出演。オノ・ヨーコ作品『Cut Piece』出演。佐藤健作とは、過去3作品でコラボレーションを果たしている。
公演情報

佐藤健作和太鼓ライブ『鬼神 KISHIN』
日:2025年7月31日(木)19:00開演(18:30開場)
場:文京シビックホール 小ホール
料:10,000円(全席指定・税込)
HP:http://tihayable.jp
問:さきわいクレアシオン
mail:ticket.sakiwai@gmail.com