初観劇はぜひ早めに 1度観たらまた観たくなるはず 7人全員にスポットが当たり、さまざまな角度から楽しめる作品

初観劇はぜひ早めに 1度観たらまた観たくなるはず 7人全員にスポットが当たり、さまざまな角度から楽しめる作品

 演劇プロデュースユニットAsterism⁂の人気作で、初演・再演・再々演と公演を重ねてきた『NoLimit』が、豪華な新キャストを迎えて再び上演される。 主演を務める京山陽春と、Asterism⁂初参加の砂川脩弥にインタビューを行った。


―――まずは出演が決まった時の思い、意気込みを教えてください。

京山「僕は『NoLimit』2度目の出演で、またできるんだという嬉しさと、前回とは違う役を任せていただいたので頑張らないと、という気持ちがありました」

砂川「聞きたいんだけど、最初はどの役をやりたかった?」

京山「初めて台本を読んだ時から、いつか圭吾をやってみたいと思ってた。なので前回、演出家の樋口(夢祈)さんに『圭吾に興味がある』というお話をしたら今回圭吾でオファーをいただいて、『え?』って(笑)」

砂川「(笑)。前回の圭吾を見てきたわけだもんね」

京山「そう。自分なりの圭吾を見せなきゃって思いがある」

砂川「結構大変かもしれないよね。僕は率直に、脚本の木村さんも演出の樋口さんも知っていて、キャストも信用している方々揃いなので安心しました。ご一緒したことのない方々もきっといい味を出してくれると思います。あと、僕の役は他の6人とはちょっと違う立ち位置にいる。いいスパイスになりたいし、僕も30歳になってこういう役をやるようになったんだなという感動もありました(笑)。自分が役者人生で培ってきたものを出していけるように頑張りたいです」

―――ネタバレにならない範囲で、物語の魅力、みどころを教えてください。

京山「1時間くらいにぎゅっとまとまった本編の中でキャストそれぞれにスポットが当たる作品です。どのキャラクター視点に立つかで物語の見え方が変わる。それがこの作品の面白さだと思います。きっと1回では見きれないので、いろいろな角度から見ていただきたいですね」

砂川「すごくストレートだと思ったのと、一人ひとりの芝居で勝負する作品だなと感じました。感情的な部分や爆発力など、役者として見せたいものを見せられる作品だと思うので楽しみです」

―――それぞれが演じる役の魅力、演じる上で楽しみな部分はどこでしょう。

京山「僕の役は、全部の役と関係性があります。前回出演してはいますが、今回はキャストを一新しているので、カンパニーのみんなと一緒に新しい作り方をしていけたらいいなと思っています」

砂川「色々なことがわからない状態で結城俊介を見ていくと、ミステリアスさや謎がどんどん解き明かされていく面白さがあります。魅力的なキャラクターだと思います」

京山「結城俊介だけフルネーム。そこも浮いてるよね」

砂川「まだ稽古前で台本ももらったばかりですが、作品のまとめ役かもしれないなと想像して意気込んでいます」

―――台本をもらったばかりとのことですが、役作りについて考えていることはありますか?

京山「いい意味で『前回はこう作っていた、この人はこうしていた』ということをあんまり覚えていないんです。『あれが正解』と決めず、新鮮に作れるんじゃないかと思っています」

砂川「今まで培ってきた喜怒哀楽を出して、結城俊介だけど砂川脩弥としてそこにいられればいいかなと思っています。これまでの公演に引っ張られずに自分の色を出したいですね」

―――お互いの印象、今回の共演で楽しみなことはいかがでしょう。

京山「ご一緒した時は座長をされていて、『ついてこい!』ってよりは『一緒に頑張ろう』という感じでした。こちらからすると、懐に飛び込ませてくれる感じがあって安心します。今回も脩弥くんの柔らかい雰囲気に甘えたいなと。他のメンバーも共演したことのある人が多いので、和気あいあいとやれたらいいなと思っています」

砂川「笑顔が素敵な印象です。前回は舞台上での絡みがほぼなかったので、今回はがっつりお芝居できるのが楽しみ。正直、芝居のリズムなどもまだわからないので、稽古の中で掴んでいきたいです」

―――木村さんの脚本、樋口さんの演出の魅力、好きな部分を教えてください。

京山「Asterism⁂作品は、短い本編の中でもいろいろなことを考えさせられる内容が多いです。僕のファンの方の中にもそういう作品が好きといってくださる方がたくさんいるので楽しんでいただけたらと思います。樋口さんの演出は、テンポはかなり速いけどお客様を置いていかない。僕らも脳をフルに使って芝居して、お客様もそれを楽しみながら見ていただけると思います」

砂川「木村さんの作品は説得力があるというか、本当にあるかもしれないと思える。一人ひとりのキャラクターの気持ちを考えて、愛して作ってくれているんだろうなと感じられるのが素敵です。樋口さんとはエンタメ性の強い舞台でしかご一緒したことがないんですが、ご本人も役者さんなので役者の気持ちを理解してくれる。いろいろ話しながら一緒に作っていける演出家さんというイメージですね」

―――繰り返し上演されてきた作品ですが、今回のカンパニーならではの魅力はどこになりそうでしょうか。

京山「作中でゲームをするんですが、みんなで『楽しい』と思いたい(笑)。作品のキーの1つでもあるので、お客様にも『久しぶりにやりたいな』と思ってもらえるくらい魅力的に見えたらいいなと思います」

砂川「仲良しごっこみたいにはしたくないけど、知っている人が多いカンパニーなので、全員で話し合いをたくさんできそう。たくさん悩んで言い合って、100%のものをお客様に届けたいです」

―――ネタバレにならない範囲で、特に好きなシーンや楽しみなシーンを教えてください。

京山「キャラクターは結城俊介以外みんな苗字がない。そういった謎がだんだん解き明かされていく様子は初めて読んだときにゾクゾクしました。キャラクターの名前にも意味があるので、そこは印象深いです」

砂川「さっき言われて思ったけど、みんなでカードゲームするところが好き。確かに物語のキーになるシーンだと思います。あとは感情を激しくぶつけ合うことはないけど、会話の中で心情が見えてくる場面はある。役者としては難しいけど面白そうで楽しみです」

―――最後に、楽しみにしている皆さん、気になっている皆さんへのメッセージをお願いします。

京山「僕は2度目の出演ではありますが、役も変わるしキャストも皆さん違います。初めましての方にも、これまでに『NoLimit』を見たことがある方にも、初めてのものをお届けできると思うので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。Asterism⁂作品は映像化されないので、劇場に来ないと見られません。迷っている方は1回だけでも見ていただけたら嬉しいですし、1度見たら絶対に2回目を見たくなるはず。なので、初めて観る日を千秋楽以外にすることをおすすめします。はじめの方に1回観て、よかったらまた観ていただけたら。劇場でお待ちしております!」

砂川「役者の気持ちや空気感など、劇場でしか感じ取れない空気があると思います。自分も100%の力を出して皆さんの心を打つ芝居をできるように頑張るので、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです」

(取材・文&撮影:吉田沙奈)

プロフィール

京山陽春(きょうやま・ようしゅん)
1994年3月10日生まれ、神奈川県出身。2.5 次元舞台を中心に活躍。主な出演に、舞台『99』、舞台『カリスマ de ステージ』シリーズ、ミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズ、ジュエルステージ『オンエア!』シリーズなど。

砂川脩弥(すながわ・しゅうや)
沖縄県出身。幼少期から地元沖縄にて芸能活動を始め、2019年、ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(滅・仮面ライダー滅役/EX)で注目を集める。以降の主な出演作に、ミュージカル『薄桜鬼 真改』シリーズ、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯、『青のミブロ』など。

公演情報

Asterism⁂ vol,10 『NoLimit』

日:2025年6月13日(金)~22日(日)
場:シアターグリーン Box in Box THEATER
料:6,800円(全席指定・税込)
HP:https://asterism-info.jimdofree.com/vol-10-nolimit
問:スタービートエンターテイメント mail:asterism@starbeat.jp

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