ストレートプレイとして新たにスタートする舞台『ペルソナ3』 深みのあるストーリー、早く本番で皆さんに披露したい

ストレートプレイとして新たにスタートする舞台『ペルソナ3』 深みのあるストーリー、早く本番で皆さんに披露したい

 2014~2017年にわたって上演された人気RPG『ペルソナ3』原作の舞台化作品が、舞台「the Act」シリーズとして新たにスタート。梅津瑞樹演じる汐見彼方(主人公)が月光館学園にやってきてからエンディングまでのストーリーを、セリフをメインとするストレートプレイとして上演。一新されたキャストの中から、シャドウ討伐・タルタロス探索を目的とする月光館学園高等部特別課外活動部「S.E.E.S.」の創設メンバーで、ボクシング部部長・真田明彦役の前川優希に話を聞いた。


―――まずはご出演が決まったときの心境を教えてください。

 「純粋に嬉しかったです。『ペルソナ』シリーズはとても面白くて、中でも『ペルソナ5』は熱中してゲームをしていました。今回は『ペルソナ3』に参加できると知ってめちゃくちゃ嬉しくて、もう早く稽古が始まらないかなという気持ちでいますね」

―――前川さんの公式Xで「(原作ゲームを)3周はプレイしたい」とポストしていましたが、すでにプレイされましたか?

 「(インタビュー時点では)ちょうど別作品の本番中で、なかなかプレイする時間はありませんが、早くプレイして『ペルソナ3』の世界観にたくさん触れていきたいです」

―――舞台『ペルソナ3』の上演は、2017年の「最終章」以来となります。

 「お話をいただいた時、別シリーズの作品と勘違いして、『あれ? 最近上演したばかりだったはずだけど』と思っていましたが(笑)。でも『ペルソナ』シリーズは元々好きですし、楽しみな気持ちは全く変わらなかったです」

―――初演から最終章までは、歌をメインに展開してきましたが、本作はタイトルに「the Act」と入っているように、セリフをメインとして場面が進行するストレートプレイになるそうですね。

 「すごく深みのあるストーリーになるとお聞きしているので、早く本番で皆さんに披露したい気持ちです」

―――前作から一新される新キャストについてお聞きしたいと思います。これまで共演された方はいらっしゃいますか。

 「瀬戸祐介くんと武子直輝くんは共演経験があります。直輝くんとは2016年以来と久々の共演で、嬉しい気持ちです。当時僕はまだ舞台経験が少なかったので、『この9年で僕も成長させてもらいました』と言えるように頑張りたいです」

―――主演の梅津瑞樹さんとは本作が初共演になるんですよね。既に何度も共演していると思っていたので意外でした。

 「梅津さんとははじめましてで、周りからは『いい人だよ』と伺っています。先輩からたくさん吸収したいですし、いろいろと絡ませてもらいたいなと思っています」

―――(インタビュー当日は)ビジュアル撮影に臨まれていましたが、どのような感想を持たれましたか。

 「これから筋トレを頑張らないと、という気持ちになりました。真田は強さを求めてトレーニングを欠かさず、筋肉で解決するキャラクターなので(笑)、自分が筋トレをサボったらちょっと話が違うだろうし、これから稽古場や自宅で体を鍛えて、身体の厚みをつけていこうと思っています。それと本番中は、出番直前までパンプアップしようかな(笑)」

―――筋肉をつけるには、鍛えるだけでなく食事面にも気をつけなければいけないと思いますが。

 「どちらかと言えば普段から食生活に気を使うタイプではなく、食べたい時に食べたいものを食べてしまう人間です。今回は筋肉キャラを演じるということで、食生活に気をつけようかなと思っていて。きっと食生活を改善すれば、それが習慣になって、役の幅も広がるんじゃないかなと思っています。やっぱり何事も身体が資本ですからね」

―――ちなみに前川さんからみて「真田明彦のこういうところが似ている」という部分はありますか?

 「う~ん、僕と真田は全然似てなくて……。そういう部分では、これから真田というキャラクターに対してもっと理解を深めていかないといけないのかなというのはありますね」

―――本作の演出を務めるキムラ真さんとは『おねがいっパトロンさま! The Stage』や劇団ナイスコンプレックスの作品など、脚本の神楽澤小虎さんとは畠中恵『しゃばけ』シリーズ presents シャイニングモンスターシリーズや『おとぎ裁判』シリーズで何度も関わっています。

 「制作のLolさんも含めて、大変お世話になっていますし、本当に心強いです。過去Lolさん&キムラさん&神楽澤さんという組み合わせで出演した作品では、ヘンなことをされ続けていたので、今回はどんなことをされるのかなと思っていたら、しっかりとした原作モノだったので、ある意味“肩透かし”を喰らいましたね(笑)」

―――約8年ぶりの上演ということで、当時観劇された方もいれば、初めてペルソナシリーズに触れる方もいらっしゃるかと思います。

 「まず観劇される方全員に『ペルソナ3』という物語を純粋に楽しんでいただきたいですね。『PERSONA3 the Weird Masquerade』シリーズを観劇したことがある方には、“これが俺たちの作る『ペルソナ3』だ!”というメッセージをお届けしたいですし、あの時の興奮が蘇るという意味でも、また観に来て欲しいです。また初めてご覧になる方には、観ていただくことで『ペルソナ3』だけでなくペルソナシリーズ全てを愛してもらえるんじゃないかなと思っています」

―――前川さんは役者だけでなく、最近ではプロデュース・脚本・演出にも挑戦されました。いわば裏方を経験してことで、役者として成長した部分とは?

 「舞台の関わり方というか、どのように舞台の現場で自分が振る舞うかという点では、以前と比べてかなり変わったかもしれません。舞台を円滑に進めていく上で必要な作業というのは気になるようになりましたし、俳優としての1つの糧になったと思います」

―――ちなみに一番大変だったのは?

 「“決断”ですね。僕のプロデュース公演では最終決定権は僕自身にあって、他の人は決められないんだと思いながら携わっていたので、いざやってみたらとても大変でしたし、俳優として見る景色と演出家として見る景色はこんなにも違うのかというのを肌で感じましたね」

―――プロデュース・演出・脚本を経験したことによって、プロデューサーや演出家、脚本家への認識は変わったのではないでしょうか。

 「マジで変わりました! 文句なんて言えないですよ!! 演出家からどんな指示や要望があっても『やらせてください!』って言っちゃいそうだし、きっと本作でキムラさんに何を言われても『やります!』と即返事すると思います(笑)」

―――前川さんといえば、2015年に芸能界入りをして、今年で節目となる10周年を迎えます。

 「どうやらそうみたいですね(笑)」

―――前川さんにとって、この10年は長く感じましたか? 短く感じましたか?

 「短いという感覚ですね。あっという間に過ぎていったような気がします。役者を始めた当初は『作品に出たい』とただぼんやりと目標を掲げていた僕が、こうして多くの作品に出演することが出来たので、僕自身『よくやった』と言えるかもしれないですね」

―――今後こんなことをやってみたいという具体的な目標はありますか。

 「この10年で様々な経験をさせていただきましたが、舞台だけでなく映画やドラマにもどんどん挑戦したいですし、去年フリーランスになる決断したことによって、出来ることがもっと増えていくんじゃないかなとは思っています」

―――では最後に公演を楽しみにされている方に向けてメッセージをお願いします。

 「この作品はペルソナシリーズの奥深さを受け取っていただけるのではないかなと思っていますし、僕らもそういう作品にしていきたいです。楽しみにしていてください」

(取材・文:冨岡弘行)

プロフィール

前川優希(まえかわ・ゆうき)
1997年12月17日生まれ、東京都出身。主な出演に、RICE on STAGE『ラブ米』シリーズ ひとめぼれ役、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ 皆木 綴役、NHK大河ドラマ『西郷どん』市来宗介役、畠中恵『しゃばけ』シリーズ presents シャイニングモンスターシリーズ 一太郎役、『おねがいっパトロンさま! The Stage』胡桃 峯役、スプリングマン『九十九想太の生活』九十九想太役など。2023年『青いはる』、2024年『水平なライオン』では、プロデュース・脚本・演出に挑戦。

公演情報

『PERSONA3 Lunation the Act』

日:2025年7月6日(日)~13日(日)
場:シアターGロッソ
料:ステージシート[特典付]22,000円
  SS席[特典付]13,200円
  S席[特典付]11,000円 A席8,800円
  ビジター席3,300円(全席指定・税込)
HP:https://www.lol-w.com/p3l_act/
問:Lol mail:rofl@lol-w.com

©ATLUS.©SEGA./PERSONA3 Lunation the Act 2025

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