Office ENDLESS が総合芸術学校「ENDLESS ACADEMY」を開校! 凡人でも目指せるルートを、“想い”によって実現できる道もある

 2.5次元舞台の制作を主軸に、様々なエンターテインメントをプロデュースするOffice ENDLESS が、“次世代のエンタメを担う人材”を育成する総合芸術学校「ENDLESS ACADEMY」を今年4月に開校する。役者や声優・歌手など、人前で魅せる仕事だけではなく、脚本家・演出家・照明・音響・衣装・ヘアメイク・舞台制作など、表現に関わる仕事を実際の現場を通して学び、「職業:表現者」を育成する。Office ENDLESSの代表取締役社長であり、アカデミーの学院長・下浦貴敬には、“演劇や表現に関わる業界の間口を広げたい”という想いがあった。

 「演出家の西田大輔と劇団を作ってからもう約20年が経つんですが、役者の皆とご飯に行くと、よく相談を受けるんですよ。『自分の幅を広げてみたいけど、どうしたらいいか?』とか『この仕事を続けるべきか?』とか。自分自身が劇団で苦労した思いもあり、“相談を受けた以上は真摯に応えたい”と自分なりに対話して来たんですが、やっぱり僕1人で手助けできることも限界がある点と、若い頃から表現者の道に進んだ方は、本当に基本的な社会の基礎知識を知らなくて損をされていることが多い点に気づいたんです。こんな状況を解消したい、出来るだけ多くの方を手助けしたい、自分を育ててくれたこの業界に還元したい、そんな想いがこの『ENDLESS ACADEMY』をスタートするきっかけになりました」

 「職業:表現者」とは? 俳優養成所との違いは? そんな疑問の声に応えるべく、2月上旬にオープンキャンパスが開催された。特別授業では、舞台セットの組み上げや照明器具の設置など劇場入りの風景を中継し、オンライン参加を含めた多くの入学希望者へメッセージを送った。また、すでに入学が決まっている生徒との対面も始めているという。

 「早期入学が決まった生徒さんと話していると、本当に様々な動機でご入学を決めてくださっていました。例えば人前に出る職業の方で、自身のキャリアアップのために当校を選んでいただいた方。企業にお勤めしながら表現者としてのチャレンジを検討されている方。未経験でありながら舞台俳優への道を目指すことを決めた方。年齢も、動機も、全く異なっていて、誰一人として同じ方はいません。私が対面した数名の方ですらそうなのですから、これを、近しい年齢層で決まった方向へ向かう通常の教育現場と比較すると“大変そうだ”と思われるかもしれません。ですが、表現に関わる業界は年齢も性別も何もかもバラバラであることが基本です。ですので私たちは、むしろこれは正しく表現の業界の入り口に立てているんだなと嬉しく思います。また、生徒さん全員に共通で言えるのは、皆さんそれぞれが本気で臨んでいただいている、ということです。人生の大切な2年間を、当校に預けてくださるという想いを強く受け止めて、春の開校に臨みたいと思っています」

 メディアミックス作品が増えてきた昨今、複雑なジャンルの垣根を超えて活躍できる人材が求められており、同時に“生き抜く力”も必要だという。

 「『所属事務所での教育、舞台』という閉じられたサークルではなく、外に向かって羽ばたける表現者の育成を目指します。多分野の現役のプロを招き講義を行うと共に、積極的にインターン教育も実施してまいります。知識に偏重せず、多角的で、自分を客観視できる教育現場を目指します。例えば俳優と脚本家が会える機会は多くありません。そのため想像で脚本家の意図を埋めます。照明や音響の考える良い立ち位置は、俳優が考える良い立ち位置とは微妙に異なることもあります。良い俳優になるためには“複数のスタッフの視点を理解していること”がとても大切なんです。そのため私たちは多分野での教育を重視します。もちろん1つの分野にひたすら没頭する、という方法もあると思いますが、私たちは“40~50歳になった時にどういう人生を生きていくか”を大切な指針の1つにしています。長くその職業を続けていくのであれば、自身の周りからの視点・立ち位置を知っておくことは、必ず社会に出た後の大きな財産になるものと思っています」

 現役のプロたちと学ぶ、充実したカリキュラムが魅力だ。編集者や漫画家・声優・プロデューサーに加えて、多くの活躍中の脚本家や演出家、人気作品で主演を務める俳優たちが講師として名を連ねる。技術だけでなく、業界の仕組みや多様なキャリアパス、人間関係など、幅広い知識やスキルに触れ、習得できるものとなっている。

 「2年間という短い期間ですが、各分野の現役のプロである講師陣により最新の知識と技術をお伝えし、それを生徒自身が反復し身につける。これを繰り返すことで効率よく自身の望む知識やスキルを習得していただくイメージです。このことから通学は月曜から木曜の10~15時に限定して、金曜から日曜を空けています」

 在学2年目からは、表現に携わる多くの企業へのインターンも積極的に取り入れる。様々な職業体験は一番のメリットと言えよう。フリーで新しい分野に踏み込むには勇気が必要だが、ここでは興味があっても敷居が高かった職種や新しい分野に、臆することなくチャレンジできる。下浦はテレビ局や出版関係、イベント会社での自身の経験が、今のプロデューサー業には必要だったと振り返る。

 「自分が回り道をしてきたからこそ、できる限り生徒さんには近道をしていただきたいんです。インターンはその分かりやすい例の1つです。例えばインターンの最中に『この会社だ!』と確信したなら、すぐに送り出すこともあるかもしれません。在学中から仕事をバリバリ受けられるようになれば、授業料をインターンで稼いでしまうこともできるかもしれません。当校ではインターン先の全企業と調整し、可能な限り賃金を給料として出していただきたいと思っています。そのため心配せずどんどん在学中にチャレンジしていただきたいです」

 学校というと試験も気になるが、ペーパーテストではなく、評価は出席と面談。年度の終わりに自身の企画を発表し、それらが単位となる。卒業後の進路は、俳優だけでなく、制作側やスタッフとして携わるなど、可能性は多岐にわたる。

 「この子を将来どう業界に売り出して育てていくか? 俳優一本道か、複数の道を用意するタイプなのか、マネージャーの様に会話をしながら決めていきます。1人のスターのためではなくて、誰もが目指せる業界へのルートを作る。この業界は才能だけではなく、“気持ち”と“やり方”によって実現できる道もあります。この想いを正しく育てていく2年間にしたいです」

 入学にあたり、事前に準備しておく必須事項を聞くと。

 「気持ちと言語化能力だと思います。学校に入るということはその道に一歩を踏み出すということ。この一歩は、受け手側から作り手側になる、何かの物作りに関わっていくことを仕事にする一歩です。その気持ちを持っていただきたいと思います。また、自分の好きな作品を観るだけに留まらないで、例えば『ブルーロック』が好きだったら何故これだけブームになっているのか、ポイントを分析して、ご家族や友達、観たことがない人たちに伝える言語化を試みていただきたいです。言語化は俳優でもプロデューサーでもすごく重要な能力ですが、自分が一歩を踏み出して作り手側に入ってることを認識するためにもとても大切なことです」

 「オーディションすら受けられない原石にチャンスを与えたい」という下浦。新たな出会いを待っている。

 「悩んでいるということは、数%でもその業界に興味があるということ。自分にどんな道があるのか、一緒に話しながら道筋を決めていきましょう。どうせ悩むんだったら、飛び込んで試して、違ったらまた別の道に飛び込めばいいのかなと。社会に出たら難しくても、当校の学生でいる間はいくらでも試すことができます。それで少しでも、自身に合った道を見つけて、楽しく、長く物作りに生きていける子たちが増えていけば、より良い世界になると思っていますし、その元となる空間になれればいいなと思っています」

(取材・文:谷中理音 撮影:間野真由美)

プロフィール

下浦貴敬(しもうら・たかのり)
1980年3月24日生まれ、千葉県出身。日本の舞台プロデューサー・演出家。大学在学中から演出家 西田大輔率いるAND ENDLESS作品の制作に携わり、2011年に株式会社Office ENDLESSを設立。近年では様々な舞台作品等をプロデュースしながら、自身でも多数の作品の演出を行う。プロデュース作品の代表として、AND ENDLESS作品、舞台『ブルーロック』シリーズ、舞台『東京リベンジャーズ』シリーズ、舞台『機動戦士ガンダム00』、舞台『リコリス・リコイル』シリーズなど。演出作品の代表作は、声優× 講談師 新しい形で紡ぐ朗読劇シリーズ「STORY LIVE」、朗読劇『ブライト・プリズン』シリーズ、リーディックシアター『無黒ノ宴』シリーズなど。

総合芸術学校「ENDLESS ACADEMY」

数多くの人気2.5次元舞台をプロデュースするOffice ENDLESSが「次世代のエンタメを担う人材」を育成する総合芸術学校を2025年4月に開校いたします。

役者や声優、歌手など人前で魅せる仕事だけでなく、言葉で魅せる脚本家、動きで魅せる演出家、
光で魅せる照明、聞かせて魅せる音響、着せて魅せる衣装、飾付けて魅せるヘアメイク、全ての
“表現をするため”の仕事を実際の現場を通して学べる、「職業:表現者」を育成する学校が総合芸術学校「エンドレス・アカデミー」です。

オープンキャンパスも定期的に開催中! オンラインでの参加もOK !
詳しくは下記HPをご覧ください。

HP:https://eacademy.co.jp
問:LINE公式アカウントにて受付中!

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